アニメ「めぞん一刻」の初代オープニングテーマ

リリース当時、斉藤由貴は19歳

斉藤由貴【悲しみよこんにちは】歌詞の意味を考察!花びらはどんな言葉を囁くの?過去を清算する決意に迫るの画像

本曲をリリースした時、斉藤由貴はまだ19歳でした。

トレードマークのポニーテールをゆさゆさと揺さぶりながら歌う姿は、歌のイメージにぴったり。

約30万枚の売り上げを記録するヒット曲となりました。

悲しみに"さようなら"するのではなく、"こんにちは"と迎え入れるちょっと不思議なタイトルですね。

そんな不思議なタイトルがついた歌のテーマは別れ

そう、とても重いテーマなのです。

けれど本曲は重さどころか、曲を聞き終えた後には爽やかささえ感じます。

20歳前のあどけなさを残しながら、どこか大人びた雰囲気を持っていた斉藤由貴。

だからこそ、別れという重いテーマでありながら、明るく歌いこなすことができたのではないでしょうか。

アニメーションの物語にぴったりの歌詞

斉藤由貴【悲しみよこんにちは】歌詞の意味を考察!花びらはどんな言葉を囁くの?過去を清算する決意に迫るの画像

高橋留美子原作による漫画「めぞん一刻」は、1986年からテレビアニメーションとして放送されました。

若くして未亡人となってしまったアパートの管理人さんと下宿人の青年が織りなす日常を描いたラブコメディ漫画です。

本曲はそのアニメの初代オープニングテーマソングとなりました。

物語の中で管理人さんは、色んな人達との日常の関わり合いの中で、悲しみから立ち直っていきます。

その姿は歌の内容とぴったり

歌詞の内容に沿って物語が進んでいく、そんな感覚にもなります。

「めぞん一刻」をご覧になりながら本曲を聴くと、歌詞の世界が更に広がるかもしれません。

1番を考察

やっと笑顔が...

斉藤由貴【悲しみよこんにちは】歌詞の意味を考察!花びらはどんな言葉を囁くの?過去を清算する決意に迫るの画像

手のひらのそよ風が
光の中 き・ら・き・ら 踊り出す
おろしたての笑顔で
知らない人にも「おはよう」って言えたの

出典: 悲しみよこんにちは/作詞:森雪之丞 作曲:玉置浩二

季節は恐らく冬が終わり春になった頃。

そよ風が段々気持ちよく感じるようになってきた季節です。

歌の主人公は、大人の女性というにはまだ少し早い女の子。

朝を迎え、日の光を浴びながら玄関前にたたずみ、道行く人に元気に挨拶する彼女の姿がありました。

おろしたてとは、新しい品物を使いはじめたばかりのことを言います。

笑顔は品物ではありませんが、久しぶりにみせた笑顔なのでしょう。

なぜ久しぶりの笑顔なのかは、次の歌詞で明らかになります。

錆びた時計が表すもの

斉藤由貴【悲しみよこんにちは】歌詞の意味を考察!花びらはどんな言葉を囁くの?過去を清算する決意に迫るの画像

あなたに 逢えなくなって
錆びた時計と 泣いたけど

出典: 悲しみよこんにちは/作詞:森雪之丞 作曲:玉置浩二

前述の笑顔が久しぶりだった理由がここでわかりました。

"あなた"が彼女の元からいなくなってしまったのです。

錆びた時計とは古びた時計のこと。

ふたりの時を一緒に刻んできた、大切な時計なのでしょう。

でもその時計も錆びて、今ではもう動かなくなってしまいました。

これはふたりの時間が止まってしまったこと、つまりふたりの関係が終わってしまったことを象徴しています。

捨てられずにいる時計を握りしめ、彼女は散々泣きはらしたのではないでしょうか。

その結果、やっと笑顔を取り戻すことができたのです。

1番サビを考察

夢の扉に向かって

平気 涙が乾いた跡には 夢への扉があるの
悩んでちゃ行けない

出典: 悲しみよこんにちは/作詞:森雪之丞 作曲:玉置浩二