ローカルなネタをタイトル曲にした最新ナンバー

ファンの注目を集める

「阪急電車(NMB48)」の歌詞の意味を考察!車窓から見える風景に想いを馳せる…関西人なら共感必至の画像

2018年4月4日にリリースされたNMB48の18thシングル「欲望者」のカップリング曲が「阪急電車」。

チームNの楽曲です。

いくらNMB48の曲とはいえローカルな固有名詞をタイトルに選んだものです。

ファンの注目を集めるには十分なインパクトがありました。

AKBグループを見回しても人名や地名など固有名詞をタイトルに付けた曲は数えるほどしかありません。

それだけ特別感があり、シングルのメインにはしにくいけどカップリングには見事はまっています

電車を題材にした曲は15thシングル「僕以外の誰か」のカップリング曲に「途中下車」などがありました。

この曲では「阪急電車」という特定のキーワードをタイトルにしたおかげで、より身近に感じられます

昔の歌謡曲っぽい曲調が哀愁を誘う

チームNのダンスが楽しめるMVも紹介

ギターのイントロから哀愁漂うメロディに至るまで、昔の歌謡曲っぽい曲調がかえって新鮮です。

シングルのメイン「欲望者」がピアノと打ち込みのリズムでグイグイ迫ってくるのとは好対照。

吉田朱里のソロ「Thinking time」のカップリングと合わせて曲調のバランスがうまく取れています。

MVは「欲望者」と同じくスタジオでのダンスです。

欲をいえばメンバーを登場させた阪急電車のシーンを挟んでくれたらもっと良かったかもしれません。

なぜ阪急電車なのか

ハイセンスなブランドイメージがカギ

「阪急電車(NMB48)」の歌詞の意味を考察!車窓から見える風景に想いを馳せる…関西人なら共感必至の画像

この曲は阪急電車を舞台にした苦い恋の物語です。

なぜ、阪神や京阪、南海、JRではないのか。

それは阪急電車の持つブランドイメージに意味があります。

関西の私鉄になじみの薄い人にはピンとこないかもしれませんが、阪急はオシャレというイメージがあります。

とりわけ阪急マルーンと呼ばれるチョコレート色に塗装された車体はひと際目を引きます。

他の私鉄やJRにはこのような色をした車両がなく、阪急電車を際立たせています。

そもそも阪急は明治時代の終わりに梅田と宝塚を結ぶ路線として開業しました。

温泉地の宝塚への足と共に、沿線を住宅地として開発しサラリーマンに分譲する目的でした。

それが時代を経てハイセンスなイメージを阪急電車にもたらしたのです。

神戸の路線を例に挙げると海側から阪神本線、JR東海道本線、阪急神戸線が並行して走っています。

おおざっぱにいって阪神は下町、阪急は山の手のイメージですね。

阪急電車に比べられる私鉄といえば首都圏の東急ぐらいでしょう。

東急も田園調布をサラリーマンの住宅地に開発し、通勤のため渋谷と結んだのが始まりです。

東横線や田園都市線は首都圏の私鉄でも阪急電車のようなブランドイメージがあります。

こうした、ちょっとオシャレな雰囲気のある阪急電車だからこそ物語の舞台にもなり得るのです。

NMB48の「阪急電車」から見えてくる風景

イマジネーションを広げてみよう

歌詞の意味なんて書いた人にしか分からない」と言ってしまえば身も蓋もありません。

シンガーソングライターならその人のキャラクターからある程度推測も出来ます。

しかし、秋元康御大となれば、そうもいかないでしょう。

なにしろ、AKBグループの作詞を一手に引き受けているわけですから。

したがって、歌詞を見た人それぞれがどうイメージするかに委ねられています。

この歌詞からどの様なシチュエーションが考えられるか自分なりにイメージしてみたいと思います。

自分の気持ちに気付かなかった「私」

このドア近くにいつも立って
窓の外 見ながら 夢を語ってたね
叶わないことを知ってたのに
私は何度もただ頷いてた

何もない毎日が
幸せに思えた二年前 Ah

走り去って行く風景は
何もあの頃と変わってないのに
愛を知らぬ間に通過して
切なくなって来た阪急電車

出典: 阪急電車/作詞:秋元康 作曲:中山英二

彼の話しに「私」が頷いているので、歌詞の主人公と彼は知り合いで通勤か通学に阪急電車を使っています。

ドアの前ではなく近くなので二人並んで吊り革に掴まっている情景が浮かびます。

この立ち位置は車内が混んでも降り易いポジションです。

だから二人のどちらかが先に途中の駅で降りるのでしょう。

彼の語る夢は「私」から見ても実現しそうにありません。

その夢が何かはあとの歌詞に手掛かりが出てきます。

彼の話に相槌を打つのは、彼と二人きりでいられる時間が「私」にとって楽しいと感じているからです。

今はその平凡だけどかけがえのない日々から二年間の月日が過ぎています。

彼は夢を実現させるために上京して、今は「私」一人で阪急電車に乗っている状況です。

二人は恋人同士ではなかったのでしょう。

クラスメートか部活で帰宅の電車が一緒だっただけ。

だけどいつしか「私」は彼に好意を抱くようになったけど、当時は気付いていませんでした。

一人で阪急電車に乗る「私」が振り返って、やっとそれが分かったというわけです。

最後のサビにある「阪急電車」は2番と3番にもリフレインして余韻が残ります。

二年の月日で生じた二人の距離