ここの歌詞は特に厨二病的センスが爆発していますね。

「談論風発」や「饐えた」など、厨二病をこじらせたことのある人でないと読めないような漢字が並んでいます。

議論の絶えない世の中で正義と悪を仕分けていく。

自分の中にある善悪の基準は「饐えた哲学」によってできているようです。

この「饐えた哲学」とは、どういう意味なのでしょうか?

反社会的な考え方とか、他人には理解されない捻くれた思考とか……。

これについては自分の中にある厨二病的センスに従って意味を考えてみてください。

きっとどんな答えも正解です。

なんとなく格好良い!

そういう感覚さえあれば、この世界の主人公になりきれます。

世界は自分のためにある

れるりり feat.初音ミク&鏡音レン【青春症候群】歌詞の意味を独自解釈!青春症候群って妄想の世界?の画像

エイヤッサッサー Way ソイヤッサッサー
踊れや 世界は誰が為にある
消し去って その烙印を
廻る世界は誰そ彼のように
滲むこと無かれ 青春症候群

出典: 青春症候群/作詞:れるりり 作曲:れるりり

祭りのような掛け声によってサビに突入します。

「Way」は恐らく強調するための言葉。

「エイヤッサッサー」や「ソイヤッサッサー」と同じように掛け声だと思って問題ないでしょう。

この世界にもっとテンションが上がるような展開をもたらそう!

そんな想いで掛け声や「踊れ」という言葉が歌われているのだと思います。

世界は自分のためにある。

だから好きにつくり変えていけばいい。

世界の命運を左右する特別な力を持った自分が様々な敵と対峙していき、最後には悪の根源を滅ぼす……。

そんな妄想が止まらない。

これを『青春症候群』と名付けたのではないでしょうか?

自嘲する歌詞がリアル

れるりり feat.初音ミク&鏡音レン【青春症候群】歌詞の意味を独自解釈!青春症候群って妄想の世界?の画像

2番に入ると、初めて現実世界のことについて歌われます。

しかし、現実では世界が滅んでしまうような出来事も胸を熱くするような出会いもありません。

平穏でつまらない毎日。

そんな日々から抜け出したくて、また妄想の世界に逃げ込みます。

また2番の歌詞では、妄想ばかりしている自分を嘲笑うような素振りも……。

ずっと妄想の世界について歌っていたのに、現実の自分を描写した歌詞はやたらと生々しいです。

現実のことなんて考えていられない

まぶた開けば生温い醜態
ベッドの中では妄想のショータイム

出典: 青春症候群/作詞:れるりり 作曲:れるりり

夢から覚めてしまえば、一気に現実が押し寄せてきます。

妄想とは違う冴えない自分。

そんな自分の顔なんて見ないフリをして、もう一度ベッドに沈もう。

瞼を閉じれば、すぐに自分が主人公の世界に飛んでいけます。

ベッドの中で繰り広げられる冒険や戦い。

早く世界を救いにいかないと。

現実世界のことを考えている暇なんてありませんね。

すべては現実逃避

夢と現実の狭間でずっと
ふわふわ彷徨ってる

出典: 青春症候群/作詞:れるりり 作曲:れるりり

どんなに妄想を広げたところで、所詮は作り話。

そんなことは自分でもよく分かっています。

現実と夢の区別がつかなくなっているわけではない。

むしろ現実のことがよく分かっているからこそ、妄想の世界に逃げたくなる。

これまでに歌ってきた世界は、言ってしまえば現実逃避です。

ふとした瞬間、意識が現実に戻ってきてため息をつく。

そんな様子を「彷徨ってる」と表現したのではないでしょうか?

『青春症候群』はまだまだ続く

れるりり feat.初音ミク&鏡音レン【青春症候群】歌詞の意味を独自解釈!青春症候群って妄想の世界?の画像

妄想の世界を広げることは、いけないことなのでしょうか?

確かに現実から逃げるのは良くないことです。

しかし、妄想すること自体は何も悪くないはず。

そんな考えに行きついたなら、『青春症候群』はこれからも続きます。

現実と妄想の区別がつかなくなるかも...

騙し騙されるほど本当になる
忘我混沌(ぼうがこんとん)の闇の中
冷えた手繋いで引き上げて
笑い給えよ

出典: 青春症候群/作詞:れるりり 作曲:れるりり

今は趣味の範囲でとどまっている妄想の世界。

しかし、それもいつかは現実と妄想の区別がつかなくなってしまうかもしれません。

「忘我混沌」つまりは、自分のことが分からなくなってしまうこと。

もしかしたら、特別な力を持って世界を救う自分の方が本当の自分なんじゃないか?

そんな妄言を吐くようになったら、いっそ笑ってくれ。

妄想の世界に逃げすぎて、自暴自棄になっている様子が伝わってきます。

1番ではあんなにノリノリで妄想を広げていたのに……。

現実と向き合わない自分に、やはりどこかで後ろめたさを感じていたのでしょう。