瞬殺のマジック!!
伝説のファイター
最近あまり見ていないのですけれど、僕はかつて、K-1とかバーリトゥードとか、打撃系格闘技をよく観に行きました。
忘れられないのが今は亡きアンディ・フグ。小柄なその身体にも関わらず、激しいファイトを繰り広げました。
どんなに形勢が不利でも、対戦相手に押されていようとも、彼の必殺技「かかと落し」がガツン!と炸裂すると、相手はたちまちリング上に崩れ落ちたのです。
その間、わずか0コンマ数秒、そう、それはまさに「瞬殺のマジック」でした。
一瞬のチャンスに必要なもの
その相手に必殺技を仕掛けるチャンス、それはおそらく更にわずかな瞬間、0.0何秒でしょう。
その瞬間を目指して、可能な限りの集中力をたくわえ、ドーパミンやらセレトニンやら貯めこんでいた脳内物質を一気に解き放つ。
短いけどもそれはおそらく、その瞬間に1日分のエネルギーくらい、消費してしまうのではないでしょうか?
WANIMAの「昨日の歌」そのエネルギーの集中力!
WANIMA史上、もっとも短い曲?
さて、前置きが長くなってしまいました。
WANIMAの「昨日の歌」は2014年10月にリリースされた1stミニアルバム「Can Not Behaved!!」の3トラック目にクレジットされています。
また脱線しますけれど、このアルバム、アートワーク秀逸ですね、ムフフフ❤
国内・海外問わず、この辺のパンク/ラウド系バンドにビキニ姿のブロンドのおねえちゃんは欠かせないアイテム。
あ、いや...その「昨日の歌」ですけれど、収録時間はわずか49秒!!おそらく現在にいたるまでのWANIMA史上、最短の曲になっています。
しかし、そのわずかな時間にギュギュっと詰め込まれた彼らが伝えたいメッセージ、はちきれんばかりのエモーション、そしてあふれんばかりに解き放たれたエネルギー。
これもパワーと思い入れに満ちあふれた「瞬殺のマジック」だと思うのです。
まるでジェットコースター
むー、まさにジェットコースターのようですね。
ワクワクした気持ちに浴びせられるイントロのギターカッティングと助奏、そして裏刻みギターに歌が始まったと思ったら、疾走感あふれるサビ。
そしてあっという間のエンディング。まさに瞬殺!
でも、その歌詞に秘められたパワーとは...ちょっと紐解いて行きましょう。短いから一字一句漏らさぬくらいに、あ、それとギターコードも一緒にですね♬
ヤング・サラリーマンの悲哀?
Dm B♭
冴えない顔で通勤ラッシュ
C F
思い描いた未来予想図じゃないけれど
Dm B♭ C F
限られた時の中で何を選ぶ?
出典: 昨日の歌/作詞:松本健太 作曲:松本健太
ヤング・サラリーマンなのでしょうね、主人公は。
期待に胸弾ませて今の会社に入社したのだけれど、通勤ラッシュの中、かつて思い描いていた日常、「未来予想図」とちょっと違う。
そんな縛られた会社務めの時間。ここは次の歌詞の解釈次第で二通り考えられると思います。
一つは仕事をこなす中で「あれしよう」「これしよう」と仕事の段取りの計画を立てている「自分」。
もう一つは、仕事なんか適当に終わらせて「あれしよう」「これしよう」と考えている「自分」。
Dm B♭ C F
Hey Yo!アザケ笑う腰抜けほっといて
Dm B♭
Are You Ready?
出典: 昨日の歌/作詞:松本健太 作曲:松本健太
「Hey Yo!」-youとは誰に向けて放たれた言葉?自分、それとも職場の上司?
次に続く「アザケ笑う腰抜けほっといて」の文句から考えれば、ここはやっぱり会社の「腰抜け上司」でしょうか?
冴えない顔していた理由っていうのは、これからその自分をあざけ笑って馬鹿にしている上司と共に過ごさなきゃならない、っていう憂うつ感、そして不安なのでしょう。
そして「Are you ready?」と自分を奮い立たせるストーリーです。