真夏に咲く向日葵達のよう
みんなが貴方を見てるわ
私もその中の一人なのね
そんなの分かってる

出典: 向日葵/作詞:Fukase 作曲:Nakajin,Fukase

ここで表現されている比喩表現。

花に喩えられているのが主人公ではないでしょうか。

無数に咲き誇る向日葵の花園。

その数ある中の1本が主人公なのです。

そして主人公が恋に落ちたのは輝かしい太陽

太陽のように明るく、眩しく、そして温かい存在なのが主人公が恋した相手なのです。

その太陽のような彼女をみつめる人々は1面に咲き誇る花の数だけ存在します。

向日葵の持つ、太陽が出ている方を自然に向いてしまう習性。

まるでその自然の摂理のように人々は彼女の美しさに魅了され、気づくと目を奪われてしまっているのです。

諦められない恋

彼女はそれほどまでに人を惹きつけ、そして虜にする魅力を兼ね備えた人物なのです。

そして主人公もその有象無象の中の1人だと自覚をしている。

だからこそ自分に自信がなく、釣り合うわけなんかないと自分の価値を下げてしまっていたのです。

けれど主人公は恋を諦めるという選択はしません。

どれほど不釣り合いで手が届かなくても、自分の気持ちに素直になり好きという感情を抱き続けているのです。

この部分は主人公の真っ直ぐな気持ちが伝わるような歌詞だったのではないでしょうか。

揺れ動く主人公の心情

大切な思い出

貴方が覚えてないような事も私には宝物なの
それを貴方に壊されないように
大切に持ってる

出典: 向日葵/作詞:Fukase 作曲:Nakajin,Fukase

2人には様々な思い出が作られていきます。

「ここであんな会話をした」「2人でこんなことをした」。

一緒に体験した思い出の数はどんどん増えていくのです。

しかしその思い出に対する気持ちの持ち方は全く違います。

主人公は、相手との思い出が自分の1番大切なものだと思っている。

ですが相手にとっては、思い入れはあまりないよくある思い出の1つとして捉えているのです。

この差は2人の想いの大きさの違いでしょう。

大切な思い出。

それを作ってくれるのも壊してしまうのも相手次第なのです。

相手の些細な言動で大切な思い出にヒビが入ってしまうこともあります。

もし「昔のことなんて忘れたわ」と直接言われたら、大切に覚えていたこちらが悔しい思いをするのです。

ここでは相手の言動に一喜一憂する主人公の心情の変化を読み取ることができるのではないでしょうか。

気持ちを抑えてもまた溢れ出てくる恋心

何度も何度も 終わらせようと誓った夜も
貴方に会うと明けてしまう 私はどうしたらいいの?

出典: 向日葵/作詞:Fukase 作曲:Nakajin,Fukase

主人公は恋をしてはいけない相手なのだと自分に言い聞かせているようです。

「もう諦めたほうが良いのではないか」「自分の好意は迷惑なのではないか」。

太陽が沈んでしまった。つまり相手と会えない時間に考えるのはそのことばかりなのです。

しかし太陽が昇って、その人とまた出会えた時。

主人公は何度も恋をしてしまうのです。

やはり実際に会っている時や、会話をしている時に感情はさらに高ぶるもの。

相手が目の前にいると心の距離もより近くに感じ、愛しく思えてしまうのです。

SEKAI NO OWARI【向日葵】の歌詞解説〜まとめ〜

この恋の結末から読み取れたメッセージ

叶わない恋を抱き続けた主人公の恋路は最後まで描かれてはいません。

しかし最後の最後まで思い続けている様子は綴られています。

相手にしてもらえないことが分かっている、それでも尚自分の気持ちは曲げないのです。

主人公の心情から伝わるメッセージ。

それは叶わない恋でも諦める必要なんてなく、自分の気持ちを大事にしていれば良いのです。

「好きになってはいけない」なんてことは、この世には無いのだと。

恋をすることは素晴らしいことで、惨めに感じたり罪悪感を感じることはないのです。

ここでは恋をするという感情がどれほど綺麗な感情で、素晴らしいことなのかを感じ取ることができました。

少しだけ前向きな気持ちになれる楽曲

この歌詞の内容は叶うはずのない恋を抱いてしまった主人公の心情を描いた1曲でした。

自分とは釣り合わないと知りながらも自分の気持ちに素直であり続ける主人公。

何度諦めかけても相手を見るたびに恋する感情が溢れてしまう苦しさと切なさが感じ取れるのです。

これは同じ境遇である人の、どれだけの励みになることでしょうか。

クラスのトップグループの人に恋をしてしまった。簡単には会えない遠い存在の人に惹かれてしまった。

同じ悩みを抱え、誰にも打ち明けられずに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

その悩みを少しでも楽に、そして寄り添うように励ましてくれるのがこの【向日葵】という楽曲

この曲を聴いた後には、自分の気持ちに少しだけ真っ正面から向き合えるようになるのではないでしょうか。

【Lip】と対をなすアルバムから1曲紹介