② 「さびしさ」

あの頃語り合った夢は
風に吹かれて流されて行った
だだっ広い大地を踏みしめて
古い太陽は進んだのか?

出典: MV

時の流れは、だれも止めることは出来ない。俺のかなしみなど全く相手にせず時はただ流れて行った。夢の言葉は俺の中で死語になっていた。 しかし、俺はこのままでいいのだろうか? 時々、訳の分からない切迫感に襲われた。それは、焦りのような寂しさだった。

③ 「息吹」

下を向くなと誰かに教えられて
ただずっと前だけを見てきた
馬鹿正直に生きてるだけじゃ
いつか躓(つまず)くものだと
今になって邪魔な石ころの存在を知った

出典: MV

「どんなときにも自分を信じて、前を向いて歩いてきました」プロ野球で自由契約選手を対象としたトライアウトで契約を勝ち取り、好成績を上げた人の言葉だった。

このままじゃだめだと、思い切って学校に行き始めた。周りの人間は俺を無視している。

皆、話しかけないでくれのオーラも多く、2か月で学校行く気力がなくなった。

ただ親の説教が聞きたくないので、朝は、定時に家を出た。いつしか学校の近くの公園のベンチで一日中過ごし始めた。

朝、家を出た。弁当持って、公園や駅のベンチで寝っ転がっていた。

両親が、学校に呼ばれた、4者面談だった。 4者面談で、先生は退学を進めた。この子は、ダメですと断言していた。

転校や留年など他の可能性の道がないか、父親が先生に意見を聞いた。

先生は、「1年後輩の中でやり直すなんてこの子には無理です。学びたいなら、辞めても、通信講座もありますし、就職してもいいでしょうし」と先生は言った。

父と母は涙を流していた。父は、「お前の好きなようにしていいよ」と言った。

うなだれている両親を見て、私はなにかくやしさがこみあげて来た。

帰りに、料理屋で、父が言った。 「ここまで先生の話を聞いて、お前のせいじゃないと思う。俺たち親がお前の気持ちを察してあげていない、親の責任だ」といった。

「お父さんの悪い点は直すから、言ってくれないか」と言った。 俺は、親子3人であんな先生の前で、涙を流したことに怒りを感じた。 「お父さん、俺勉強するから、勉強するから」と言った。予期しない涙が流れた。

翌日から、まじめに学校に通った。受験勉強を少しした。その2か月後、55人中下から2番目だった俺は、クラスで11番になった。

先生の態度が、ガラッと変わった。

④ 「転換」

人生とは転ぶもの
膝小僧は擦りむくものなんだ
何度でも立ち上がれよ
俺はそれでも歩いてく

出典: MV

先生の態度は変わったが、他の生徒に俺の名前を使って、「人間は変われるんだ!」と説教していた。

クラスメイトとは相変わらず距離があったが、ただ以前のような無視の状況ではなかった。

沖縄卒業旅行があった。きれいな海と開放感で、クラス全員が1部屋に集まり、盛り上がっていた。煙草を吸う人間が二人いた。

そこに、補導担当の先生が入って来てものすごい声で叱り飛ばし、「タバコを吸った人間は、退学だ!」といった。

その瞬間、ブチ切れた。俺は今まで、何を言われても先生に言葉で反抗したことはない。

その時、俺は先生に向かって言った。

「わかったよ。俺も退学願いを出す。卒業旅行で退学はねえだろう!」と怒鳴った。瞬間、全員が「俺たちも辞めてやる!」と叫びに変わった。

ものすごい恐怖の表情の先生は、しばらく待て!と言って部屋を出ていった。

暫くして、教頭先生が入ってきた。「退学は取り消す。そして、今夜だけは無礼講だ。」 と言った。全員が、手を取り合い、肩を抱き合い歓声を上げた。

その日から、俺はクラスでのリーダーの一人になった。友達が、集まってきた。

⑤ 「気づき」

いくつかの苦い涙
拭うこともなく嗚咽した日々よ
運命だと信じ込んだ
愛を錯覚と言い訳するのか?

出典: MV

俺は気づき始めていた。夢は一つで終わりではないのじゃないだろうか。

あの悲しみの果てに、「もう一度、夢を見る自由があるのではないか?」そう思った。 俺は、生まれつきの能無しと自分をあきらめていたのではないか。

⑥ 「存在」

いっぱい抱きしめ合ううちに
腕の強さがよそよそしくなった
必要とはされないやさしさが
そう一番の不幸だった

出典: MV

父も母も、兄だけではなく、小さい時俺の野球の才能を自慢してくれていた。

あの頃は、友達もいっぱいいた。 反抗する私への親からの干渉は少なくなった。

学校でも、無視され、必要とされていないことが不幸だった。

⑦ 「説教」

希望を捨てるなと
誰もが上から目線で
偉そうに腕組みをするけど
どこのどいつが傷ついたって
あんたは痛くないだろうって
そんな言葉吐き捨てたくなるのが若さか?

出典: MV

希望を捨てるなと父も母も言った。 担任も「少年よ!大志を抱け!」と何度も聞いた。 「偉そうに!上から目線で言いやがる。俺の何が分かっているのか!」と思っていた。