RADWIMPS「夢灯籠」
サウンドトラック「君の名は。」収録
「夢灯籠」は、RADWIMPSによるサウンドトラックアルバム「君の名は。」に収録された曲です。
2016年に記録的な大ヒットを見せた同タイトルのアニメ映画「君の名は。」の劇中音楽が収録されたこのアルバム。RADWIMPSはアニメで使用された4曲の挿入歌と22曲の劇伴BGMを全て製作しました。
アルバムはオリコン週間チャートで2週連続1位を獲得し、その後もトップ10以内に長く残ってロングヒットを記録しました。
RADWIMPSのそれまでのアルバムの中で最大のヒット作となり、アニメのサウンドトラックとしても「アナと雪の女王 オリジナル・サウンドトラック」以来およそ2年ぶりのオリコン1位獲得作となりました。
「夢灯籠」も「君の名は。」の劇中曲のひとつとして製作され、アニメの作中で使用されました。
静かで幻想的な雰囲気から始まって、何かの始まりを告げるように加速していく展開が特徴の一曲です。
英語詞バージョンのCDにも収録
映画「君の名は。」が北米とカナダで公開されるにあたって、アルバム「君の名は。」の収録曲の一部が英語詞に訳された「君の名は。English edition」が製作されました。
帰国子女として英語が堪能なRADWIMPSのボーカル・野田洋次郎だからこそできた試みですね。
この作品には「夢灯籠」と「スパークル」、「なんでもないや」、そして「前前前世」の英語詞バージョンが収録され、北米だけでなく日本でもリリースされました。
日本語版とは一味違った雰囲気が魅力の作品となっています。
映画での使われ方は?
「夢灯籠」「スパークル」「なんでもないや」「前前前世」の計4曲がボーカルパートのある歌もの楽曲として製作された「君の名は。」の劇中音楽。その中で「夢灯籠」は、映画の冒頭でオープニングテーマとして流されました。
クリーンギターの優しいアルペジオと穏やかな歌声から始まり、徐々にドラムが大きくなっていって一気に加速する曲展開が広がる「夢灯籠」は、ここから始まる壮大なストーリーを予感させるものとしてオープニングにこれ以上なくふさわしい曲です。
アルバムでも1曲目に収録され、映画を観た人にとっては物語の幕開けを思い出させる印象深い曲となりました。
「夢灯籠」の歌詞に込められた意味
映画のストーリーの幕開けを告げる曲となった「夢灯籠」。その歌詞にも、これから始まる壮大な物語の内容を連想させるワードが散りばめられています。
歌詞には映画を観た後により理解が深まるような伏線もあって、オープニングとして聴くだけでなく、鑑賞後にもう一度聴きたくなる曲です。
そんな「夢灯籠」の歌詞を見ていきましょう。
静かに始まる歌い出し
あぁ このまま僕たちの声が 世界の端っこまで消えることなく
届いたりしたらいいのにな
そしたらねぇ 二人で どんな言葉を放とう
消えることない約束を 二人で「せーの」で 言おう
出典: http://j-lyric.net/artist/a04ac97/l03c2bf.html
曲が静かに始まる中で、まずは歌詞も穏やかに淡々と歌われます。
「僕たちの声」は、映画の主人公である瀧と三葉のお互いを呼ぶ声でしょうか。二人を隔てる全てを超えて声を響かせたい・相手に届けたい。そんな想いが見えます。
そして二人の声がお互いに届いたとき、どんな言葉を交わすのか。映画を観た人にとってはそのシーンが思い出されますね。
可能性を忘れた?
あぁ「願ったらなにがしかが叶う」
その言葉の眼をもう見れなくなったのは
一体いつからだろうか なにゆえだろうか
あぁ 雨の止むまさにその切れ間と 虹の出発点 終点と
この命果てる場所に何かがあるって いつも言い張っていた
出典: http://j-lyric.net/artist/a04ac97/l03c2bf.html
そして幕が一気に開けたようにサウンドが疾走して、曲は盛り上がりを見せます。
歌詞では、夢を追ってその実現を願う気持ちと、そんな気持ちを忘れてしまった心情が対比して描かれます。
「雨」「虹」「終点」など、映画の風景が連想されるワードが続く中で一際インパクトのある「この命果てる場所」という歌詞。映画を観た人には、後半で明らかになる驚愕の事実、そして瀧が行ったある「場所」が思い出されるのではないでしょうか。