歌詞の1行目で、あまり幸せではない恋をしていることが改めてわかります。
これまでの歌詞で恋人が自分のことをあまり大切に思っていないということが表現されていました。
しかし、この1行で「本当にだめな恋をしている」ということがしっかりと伝わってきます。
恋人には他に愛し合っている人がいて、自分は恋人の中で1番ではないのかもしれません。
さらに、友達に言うと良い反応を受けないことをわかっていると言っています。
ここから自分でも良くない恋をしていることに気がついていることがわかります。
自分は遊ばれている、彼に本気で愛されていない。
そのことに自分でわかっていながらも気がついていないふりをしているのです。
しかし友達にそのことを言葉にして言われてしまったら、とても傷ついてしまうでしょう。
自分でもわかっていますが、彼のことが大好きで仕方ない。
だから友達にもこの恋のことを言えないのです。
そして歌詞の3行目。
恋人に本気で惚れ込んでいるということがわかります。
自分でも「何を考えているんだ」と思っていながらも、どうしても恋人の1番になりたい。
そのせいで、どんなに自分が恋によって弱くなっても彼のことを諦められないのです。
この気持ちが消えない限り、恋の戦いに挑んでしまうのでしょう。
抑えられない気持ち
冷たい
欲しいのは抜け殻の服じゃなく 無機質な部屋じゃなく
暖かいその背中で
瞼が熱く痛くなるほど枕押し付けるけど
涙は止まることなく
出典: 今夜は眠るまで/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
歌詞の1行目から、身体だけの関係の可能性が出てきました。
「恋人」と名乗っていても相手からの愛情はないのかもしれません。
そして「無機質」という言葉からとても冷たい様子が伝わってきます。
恋人との関係が冷たいものであるという意味。
そして恋人がいないひとりぼっちのこの部屋がとてもシーンとしているという意味もあります。
この歌詞から、恋人との関係がどんな状態であるかということがわかるのではないでしょうか。
そして歌詞の2行目。
「愛」ではなく「恋人の身体」を求めていること。
この表現からも身体の関係に近いのではないかと考察できます。
歌詞の3行目からは、感情が溢れ出していることがわかります。
本当に恋人のことが好きなのでしょう。
これまで頭の中でぐるぐると恋人のことについて考えて、恋人の行動に呆れていました。
しかしこの歌詞からは、心の中で何かが崩れたような印象です。
貴方がいい
あぁ こんなのダメだって分かってはいるけど
心が「貴方しかいないんだ」と叫んでうるさいよ
あぁ 恋はいつだって甘い鎖だね
息も出来ぬほど縛られてるの まだこの手だけは離さないで
出典: 今夜は眠るまで/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
先ほど泣いてしまったのは、恋人が自分のことを大切にしてくれないという悲しさ。
そして幸せになれない恋をしてしまっていること。
その恋から抜け出せない自分にイライラしているのかもしれません。
悲しさと同時に虚しさを感じているのでしょう。
しかし、どうしても「好き」という気持ちは無くならないのです。
歌詞の2行目からも、恋人に対して盲目になっていることがわかります。
「うるさい」という言葉からは「お願いだから静かにして」というような印象です。
「もう嫌」「恋人から離れたい」という気持ち。
それと同時に心のなかにたびたび現れる「貴方がいい」という気持ち。
その気持ちさえなければ、今すぐこの恋から抜け出せるかもしれません。
しかし、とにかくその気持ちが邪魔しているのです。
歌詞の3行目はとても胸に刺さる歌詞です。
「鎖」というものはあまり良いイメージのものではありません。
さらに歌詞の4行目からも、鎖でとても苦しめられていることがわかります。
しかし「甘い」という言葉から、ただ苦しいだけではなく、甘い感情が含まれているのです。
まだ自分の恋を「甘いもの」だと思ってしまっているのです。
苦しめられつつも、恋人への愛情が消えていないことが表現されています。
そしてどんなに苦しくても、結局頼ってしまうのは恋人なのです。
鎖につながれていても、彼との関係は途切らせたくない。
先ほどまで「うるさい」と思っていた感情が、ここで出てきてしまっています。
安心させて
貴方にとっての私
今夜は誰を思うの?
貴方の心に私は居る?
出典: 今夜は眠るまで/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
この2行で、初めてこの曲のなかで恋人に問いかけています。
歌詞の1行目から、恋人には自分以外にも想う人がいるということがわかります。
朝になるまで帰ってこない、そして自由な性格である恋人。
自分をほったらかしにして他の人と愛し合っているのかもしれません。
これまで全て自分の気持ちのせいでこの恋を続けてしまっていると思っていました。
しかし、恋人が本当に自分のことを想っているのか。
そのことを初めて恋人に問いかけているのです。
おそらく恋人はこの問いかけに対してまたはぐらかすでしょう。
しかしその様子を見て安心したいのです。
自分が相手のことを想っている分、恋人にも自分を想ってほしいという願望が表れているのかもしれません。
弱くなる自分
恋が自分を弱くする理由。
それは恋人のことが好きであるために何をされても許してしまう。
どうしても恋人が勝ってしまうという立場的な弱さ。
「この恋がどんどん自分を辛い気持ちにさせる」という自分が弱くなっていく様子。
そしてこんな恋にのめり込んでしまう自分の精神的な弱さ。
「恋」という大きな括りではなく、この曲の中に出てくる恋人に対しての「恋」が自分を弱くしていくのです。
恋人はとにかく遊び人で、自分はその女性関係の中の1人にすぎない。
それでもどうしても特別な存在になりたい。
わかっていても止められない、切ない恋心が描かれているのです。