ポケット一杯の弱音を 集めて君に放った
強がりの裏のウソを 放った ぶちまけた

出典: リリィ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

たくさんの曲を書き、歌い続けてきた彼。

その陰には、「これでいいのか」「自分はこんなに強くない」という葛藤がありました。

重圧に耐えきれずに零し続けた弱音を、いつも受け止めてくれた「君」の存在。

その「君」への思いは、どんどん強いものになっていきます。

「最初で最後のヒト」へ

終電を告げる放送 慌てて駆けて行く人
右手に君の左手 もう離さなきゃ……
改札を抜ける時 「最初で最後のヒト」
そんな言葉が浮かんだ 言わないで 行くとしよう

最後に振り返ろう 確かめたいコトがあるんだ

出典: リリィ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

いつものように話を聞いてくれた彼女の部屋から、自分の家へと戻る彼。

終電間際の離れがたさの中で彼の脳裏に浮かんだのは、「最初で最後のヒト」という言葉でした。

しかし彼は、それを彼女に伝えることはしません

どこか照れ臭さがあるのでしょうか。

改札を通り、電車に乗る間際、彼はふと彼女の方を振り返ります。

「確かめたいコト」はおそらく、彼女の自分への気持ちなのではないでしょうか。

やっぱり君は笑った 別れの傍で笑った
つられて僕も笑った 「また会えるから」って確かめるように
やっぱり僕は唄うよ もう一度叫び唄うよ
今まで一度も使うことのなかった 言葉を混ぜて

出典: リリィ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

「別れ際、どんな顔をしているんだろう…」

そんな彼が思わず振り返ると、そこにいたのは、いつも話を聞いてくれるときと変わらず微笑む彼女の姿だったようです。

先ほど頭によぎった「最初で最後のヒト」という言葉は、その場で伝えることはできませんでした。

それでも、笑う彼女の姿を見て、彼は何かを決意したようです

「最初で最後の恋人」へ

スポットライトの下 低いステージの上
改札で言わなかった あの言葉に もう1つ言葉を混ぜて
こう呼ばせてくれないか 「最初で最後の恋人」
この歌が 部屋のドアを叩きに来たって 胸を張れるから

出典: リリィ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

いつもと同じ、小さなライブハウスのステージ。

今日も彼は、いつものように歌を唄います。

ただしいつもと違うのは、今日の彼が唄うのはラブソングだということ。

その曲で使われる言葉「最初で最後の恋人」は、あの日彼女に言えなかった「最初で最後のヒト」をより明確にしたものでした。

いつもの彼なら、虚勢を張った歌詞に押し潰されそうになり、部屋の中で彼女に愚痴を零すのでしょう。

でも、今日だけは違います。

なぜなら、「最初で最後の恋人」と唄うその言葉に、嘘偽りは一つもないから

心の底から信じられるその言葉を聴いて、きっと彼女はまた笑顔を見せるのでしょう。

PVは作成されていないものの、はじめから終わりまで、映画のように映像が浮かび上がる楽曲です。

さいごに

BUMP OF CHICKENの数少ないラブソングの一つ、「リリィ」をご紹介しました。

この曲はもしかしたら、藤原基央が自分の恋人に宛てて書いたものかもしれませんが、実際のところは明かされていません

聴き手それぞれが、自分にとっての「最初で最後のヒト」を思い浮かべながら聴くことができる楽曲だと思います。

記事内で紹介した、ほかのBUMP"公認ラブソング"についてもOTOKAKE内に記事があるので、ぜひあわせて読んでみてください。

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