2001年8月22日発表、Mr.Childrenの通算20作目のシングル「優しい歌」。
近年の曲では珍しくシングル曲でも短い方の作品になります。
ファンやリスナーへのエールなどを込めた名作シングルです。
Mr.Childrenのバンドサウンドに小林武史の鍵盤楽器が綺麗に混ざっています。
上述の通り短い曲であることからビートルズの作品にも通じるような印象。
歌詞を見ていきましょう。
新しいMr.Childrenはこの曲から
後悔の歌 甘えていた 鏡の中の男に今
復讐を誓う
群衆の中に立って 空を見れば
大切な物に気付いて 狂おしくなる
優しい歌 忘れていた 誰かの為に
小さな火をくべるよな
愛する喜びに 満ちあふれた歌
出典: 優しい歌/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
自分自身に復讐を誓うなど、センセーショナルな内容を含んでいます。
しかし爽やかなサウンドであるので、その歌詞も猟奇的とまではいきません。
これまでの自分たちの楽曲に足りなかったものは何だろうとMr.Childrenは考えました。
他の誰かのために歌うことの大切さをライブ会場などで知るようになったと歌うのです。
これからは誰かのハートに火をつけられるような優しい歌を紡ぎたいと決意します
愛される喜びではなくて、愛する喜びに焦点を当てた曲にしたいと願うのです。
桜井和寿は愛されることよりも愛することに価値を置くアーティストであることを再確認します。
歌によってすべてが解決するようなことはありません。
しかし、悩み苦しむ人に温かな炎を燃やすことくらいはできるはずです。
これからのMr.Childrenはこうして生まれ変わると宣言します。
そしていよいよアルバム・タイトル曲「It’s a wonderful world」に突入するのです。
15曲目「It’s a wonderful world」
3曲目の「Dear wonderful world」の完全版です。
前曲の「優しい歌」での新たな決意が早くも楽曲に反映されています。
発表から十数年を経ても未だ新鮮なサウンドであるのが見事でしょう。
Mr.Childrenの演奏もアレンジャーの小林武史の演奏も素晴らしいです。
歌詞をよく読み込みましょう。
世界の現状は相変わらずでも
忘れないで君のことを僕は必要としていて
同じようにそれ以上に想ってる人もいる
あなどらないで僕らにはまだやれることがある
手遅れじゃない まだ間に合うさ
この世界は今日も美しい そうだ美しい
Oh Baby 通り雨が上がったら
鼻歌でも歌って歩こう
この醜くも美しい世界
出典: It’s a wonderful world/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
前向きに世界と立ち向かう決意がされています。
このアルバム以前の印象とはガラリと変わりました。
肝心なのはMr.Childrenが世界をありのままに美しいと表現した訳ではないことです。
桜井和寿は醜いという形容詞も世界のために宛てています。
2002年といえば日本の政界は小泉政権下です。
桜井和寿はこのことひとつをとっても素直に素晴らしい世界とはいいたくなかった事情がありました。
それでもこの世界と向き合って生きていこう。
桜井和寿とMr.Childrenは醜い側面があるからこそ世界と立ち向かうのです。
改善の余地がない完璧な世界では私たちの生きる意味はどれほどのものでしょうか。
自分が生きた痕跡を世界の進歩の歴史の中に遺せるからこそ張り切れます。
2002年から約十数年、世界の現状は相変わらずであり、むしろ酷くなっているかも。
今一度、Mr.Childrenの闘いの軌跡に耳を傾けられて、自分のなすべきことを確認しました。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
OTOKAKEとMr.Children
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Mr.Children【FIGHT CLUB】歌詞徹底解説!本当の敵は誰?タイトルはあの映画が由来! - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
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