「愛情」と「情熱」を胸に

なぜ悩む
(どうして どうして)
なぜ拒む
(どうして どうして)

別れと出会いを 繰り返しても
愛は情は熱はそうだ ここにあるだろう

出典: 出すぎた杭は打たれない/作詞:児玉雨子 作曲:魚住有希

ここで悩み拒んでいるのは恐らく「自分のありのままの個性を出すこと」でしょう。

たくさんの人と出会い、たくさんの意見に触れる。

そうすることで、自分と他人との違いも見えるようになってきます。

良くも悪くも周囲に影響を受けることだってあるでしょう。

それでも変わらないものこそが、自分の生まれ持った「信念」。

どのように生きていきたいのか。

何が好きなのか。

こういった心の底から湧き上がる感情こそ「個性」と呼べるのではないでしょうか。

最後の行のフレーズについては、とても素敵な言い回しですね。

「愛」「情」「熱」。

それぞれの漢字を繋げると「愛情」と「情熱」という熟語ができあがります。

もう止められない

出すぎた杭は打たれない
勢いだ 押し通せ
雨降って 風が吹いても
錆びないよ
誰もいない道を拓け
そう雰囲気 空気
止めれるもんなら止めてみろ

出すぎた杭は打たれない
跳ねのけて 周りの目
強引なくらいがきっと
丁度いいのさ
アレしたいな いいな
羨ましいな
全部全部 欲しけりゃ
何も構うものか

出典: 出すぎた杭は打たれない/作詞:児玉雨子 作曲:魚住有希

大迫力のサビに入ります。

個性を貫きとおす自分を「杭」に例えて表現していますね。

雨風のように周囲に批判されても、自分の信念は錆びつかない。

誰かの後ろを安心してついていくのではなく、未開拓のいばらの道を切り開いてみせる。

勢いよく突き進む主人公は、もはや誰にも止めることができません。

カッコいいですね。

後半の2回目のサビでは「願望」に忠実に行動することを肯定しています。

「いいな」と思って羨んだり嫉妬するなら、その感情をバネに形振り構わず邁進すればいいのです。

Aメロで登場した周囲の人からの「批判」の心理とも通ずる所がありますね。

輝いている誰かを批判して安心するのではなく、その嫉妬心をバネに努力すればいいのではないでしょうか。

さらなる困難をも突破する

どれだけ批判されても砕けない

【出すぎた杭は打たれない/アンジュルム】歌詞の意味を解説!強引なくらい…気合い入れていきましょう!の画像

すごいひらめき 伝えりゃすぐに
世間(ひと)は云います
「常識も知らず」
メッキ剥げている あなたの素顔
焦(じ)れったいです
駆け引きやめましょうよ

出典: 出すぎた杭は打たれない/作詞:児玉雨子 作曲:魚住有希

歴史を振り返ると偉大な発見をした研究者や発明家ほど、生前に「批判」を経験しているという話を聞きます。

万有引力(地球上に「引力」という力があるという考え方)を発見したニュートンの話は有名ですね。

現代の文明発展に大きく影響を与えていますが、当時はかなりの非難を受けました。

従来の理論を大きく覆してしまうためです。

誰でも自分が信じているものを覆されたくはないもの。

周りと違う考えを持つと、正解・不正解は関係なく「批判」の対象になってしまいがちなのかもしれません。

「マジョリティ(=多数派)こそが正しい」と考えて安心する集団心理もあるはず。

しかし、そんな状況でも主人公は真実を見据えています。

周囲は「批判」というジャブを打って、主人公の反応をうかがっているのです。

つまり、心の底では「抜け駆け」しようとする主人公の優秀さに怯えています。

押し殺したって変わらない

なぜ恥じる
(どうして どうして)
なぜ嗤う
(どうして どうして)

本音と建前 繰り返しても
愛は情は熱はそうだ
騙せないだろう

出典: 出すぎた杭は打たれない/作詞:児玉雨子 作曲:魚住有希

ここでは「個性を出すこと」に抵抗を感じている人への後押しがされています。

恥ずかしいことでも、笑われるようなことでもない。

どれだけ躊躇(ちゅうちょ)したって、本心を変えることはできないはずです。

無理矢理自分を言い聞かせて押し殺すよりも、貫き通す道を選んでしまえばいい。

そう言いたいのだと思います。

押し寄せるあらゆる困難を突破

出すぎた杭は打たれない
気にするな 突き通せ
時経って 季節巡ろうと
朽ちないよ
みんな避ける道を進め
厚顔無恥(こうがんむち)
鉄面皮(てつめんぴ)
言ってるやつには言わせてろ

出すぎた杭は打たれない
怖いって?弱気だね
やりすぎるくらいがきっと
丁度いいのさ
でっちあげた ウワサ くだらないな
ひとつひとつ 気にしちゃ
何も叶うものか

出典: 出すぎた杭は打たれない/作詞:児玉雨子 作曲:魚住有希

ここでも自分を「杭」に例えて表現。

長い年月が経過すると通常「杭」は錆ついて、使い物にならなくなってしまいます。

特に今回の楽曲で歌われる「杭」は、「批判」という雨風にさらされていましたね。

でも、この主人公は「どれだけ時間がたっても自分は朽ち果てることはない」と誓っているのです。

その後も、たくさんの他人からの言葉やレッテル貼りが歌われます。

そのどれもを「くだらない」と受け流し、突破してみせるのが素敵です。

他人から受ける指摘を聞くことは重要。

ところが、傷つけるための批判は相手にするほどに自分の心が消耗してしまいます。

天狗になるのは良くないですが、時には貫き通して気にしないのも大切な気がしますね。