サザンオールスターズお得意の失恋バラード
活動歴の長いサザンオールスターズ(以下サザン)にはたくさんの名曲がありますね。
しかも冗談混じりのアップテンポの曲から、しんみりとしたバラードまで非常に幅が広いです。
まさに世代を超えて大勢の方に愛される国民的なバンドといえるでしょう。
そんなサザンの曲のなかでも「真夏の果実」や「TSUNAMI」がお気に入りという方も多いはず。
今回ご紹介する「愛はスローにちょっとずつ」とも共通点がありますね。
そう、切ない恋のバラードです。
じ~んと心に響き、涙が止まらなくなってしまう。そんなサザンお得意のラブソングになります。
デジタルシングルとして配信されたのは2019年8月。
ドラマ「ニッポンノワール-刑事Yの反乱-」の主題歌にも起用されました。
このドラマのための書き下ろし曲ではありませんが、その物語も重ね合わせられるような歌詞になっています。
そんな「愛はスローにちょっとずつ」の歌詞の世界観にゆっくり寄り添っていきましょう。
「愛はスローにちょっとずつ」の歌詞を解説
君がいない
とりとめのない夢
ひとり寝のララバイ
この腕を枕に
眠る君はもういない
出典: 愛はスローにちょっとずつ/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
眠っているときに見る夢がまるで子守歌のようだという内容の冒頭です。
歌物語の主人公は寝るときにひとりの状態であることがわかります。
ただ、かつては枕代わりに腕を貸す女性がいたのでしょう。
一緒に寝ていた君がもう隣にはいない。そんな切なさが描かれています。
君がいない理由はまだわかりません。
恋人同士だったのか、夫婦だったのか。主人公と君の関係性は幅広く解釈できるでしょう。
もしかしたら男性の恋人だった女性は、よく鼻歌を口ずさんでいたのかもしれません。
あるいは彼女の話を聞きながら眠りに落ちていた男性にとって、彼女の声はまるで子守歌。
そんな可能性も考えられるでしょう。
ただズバリ「夢=子守歌」なら、眠りの浅い男性を寝かしつけてくれるのは夢だけという話かもしれません。
歌詞そのものがまるで夢のようです。
とりとめもなく様々な状況を想像できるようになっています。
純恋(すみれ)とは?
面影しのぶように
窓際に咲いた
純恋の花びらが
風にそよそよと揺れる
出典: 愛はスローにちょっとずつ/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
古文に出てきそうな美しい日本語が並んでいます。
そのため過去を振り返り懐かしむような雰囲気がただよってくるでしょう。
実際に主人公は、風に揺れる花びらを見て「君の姿を思い出すようだ」と表現しています。
「すみれ」の漢字は「菫」が一般的ですが、当て字になっているところに主人公の想いが感じられるでしょう。
つまり純粋な恋だったわけですね。
失恋していた
お酒を飲んでいる
フラれた後は
寂しがり屋がひとり
夜毎酒場で
酔ってDancing lonely
出典: 愛はスローにちょっとずつ/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
親しくつき合っていた相手がいなくなる状況としては、いくつかのパターンが考えられます。
そのうちどれなのか想像をふくらませていたかもしれませんが、ここで答えがはっきりしました。
主人公は君に別れを告げられていたのです。つまり失恋になりますね。
別れたあとはお酒を浴びるように飲みひとりで踊ることもあるようです。
千鳥足になるほど深酒でもしているのでしょう。
ダメージの大きさが伝わってきます。
それは強がり?
もう愛なんて要らないさ
ひとりで生きるんだ
Oh, yeah 君だけが
夢に訪れる
出典: 愛はスローにちょっとずつ/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐