追いかけるだけの恋は嫌だった
もう戻らない日々を悔やんだ

出典: この街のどこかで/作詞:Miliyah 作曲:Miliyah

たった2行の歌詞ですが、彼女が別れを選んだ理由が想像できるようです。

きっと寂しさを感じていたのではないでしょうか。

1行目で表現しているのは「付き合っているはずなのに自分ばかり…。」そんな言葉にはできない想いです。

「一緒にいるのに寂しい…。」

それは、相手はそんなに自分のことを好きではないんじゃないかと不安になる瞬間です。

そしてそんな気持ちに耐え切れなくなった彼女は、きっと自ら離れることを決意したのでしょう。

好きだからこそ別れる。

そこにはそんな辛い感情があったのではないでしょうか。

これ以上自分が傷つきたくなかったのかもしれません。

主人公の辛い気持ちが痛い程伝わってきます。

強がってみる

何でもない喧嘩で泣いて
いつも君は困っていたね
もっと伝えたい言葉は沢山あったのに
変わったんだよ
もう泣いていないよ
もう大丈夫だよ
I'm stronger than I used to be
だからso please

出典: この街のどこかで/作詞:Miliyah 作曲:Miliyah

この部分で綴られている気持ちは、おそらく主人公の“強がり”です。

私はあの頃とは変わって、もう大丈夫になったんだよという強がり。

いつまでも過去の恋愛を引きずっているわけじゃないんだ、という自分への確認でもありそうです。

前半の1行目から3行目は、彼と一緒にいた時の弱かった自分を思い返しています。

恋愛中は、ちょっとしたことで傷ついたり、相手の言動で一喜一憂してしまうもの

弱かったといったら語弊があるかもしれませんが、彼女はその時よりも「stronger」だといっています。

今だから反省できることがあるとすれば、疑ったり求めたりばかりしなければよかった。

自分の言葉で想いをもっと伝えればよかった。

ということなのでしょう。

大切な人を失くして気づいた重要なことが、彼女にとっては「もっと言葉で伝えればよかった」なのです。

これは恋は盲目という言葉があるように、自分のことばかりになってしまった結果でもあるかもしれません。

相手がどう思っているか確認もせずに自分のことを好きじゃないかもと不安がる

そしてちょっとのことで喧嘩して涙して…。

不安な気持ちをちゃんと伝えていれば相手の気持ちも聞くことができたかもしれません。

しかしこれは恋愛あるあるですね。

夢中になってしまうと自分の気持ちを無意識に優先したくなってしまうのです。

君以外は好きになれなくて

電話来るかもって思ったら
どうしても、Phone numberだけは消せないんだ
忘れたふりして 出会い求めようとした 何度も
でもダメなの 君がいいの

出典: この街のどこかで/作詞:Miliyah 作曲:Miliyah

主人公の「君」に対する思いはまだまだ募ります。

別れたのにいつまでも消せない電話番号。

その理由は1行目で綴られていますね。

来るはずのない彼からの着信を、彼女は「もしかしたら」とずっと待ってしまうのです。

そして3行目、4行目では新しい恋愛なんてできないということを綴っています。

彼を忘れるために新しい恋を探しても、彼女自身がそれを求めていないのでしょう。

うわべだけの付き合いなんて虚しいだけで終わってしまいます。

彼女はそれにいち早く気が付き、「やっぱり彼じゃなきゃだめなんだ」と悟ったのです。

新しい恋もできず、彼を忘れることもできない彼女。

ではこれからどうしていくのでしょうか?

ずっとこのまま彼を思って恋愛もせずに生きていくのでしょうか。

先の展開が気になりますね。歌詞を読み進めてみましょう。

まだしばらくは君を想おう

雨の日も風の日も君を想うよ
まだここで想っていることを許して

出典: この街のどこかで/作詞:Miliyah 作曲:Miliyah

ここでひとつの答えが出てきました。

新しい恋もしたくない彼女は、もう少し彼を想うことにしたのです。

それがどのくらいの時間なのかはわかりません。

ただ、毎日毎日、どんな日であろうと彼のことを想おうと決めたのです。

彼に届くはずのない気持ちですが、2行目のように「許して」と綴る辺り、愛らしいですね。

もう1度この街のどこかで会えたら

もう心はないと
I know わかってるよ
もう手遅れでも
I'm stronger than I used to be
今の私をもう一度見て
この街のどこかでまた会えたら
I'm stronger than I used to be 抱き締めて

出典: この街のどこかで/作詞:Miliyah 作曲:Miliyah

1度は別れてしまったけれど、まだ彼のことを好きでいようと決めた彼女。

自分の気持ちに正直になった彼女はもう前向きです!

彼の気持ちが自分にないとわかっても、それを理解したうえでまだ好きでいようと決めたのですから。

清々しい気分にもなっているのではないでしょうか。

だからこそ、4行目のように「今の自分を見て欲しい」と思っているのです。

もう彼が知っている女々しい私ではないんだよ、という気持ちかもしれません。

強くなって、疑ったり不安になったりしない、自分を好きになってもらう自信があるよ。

そんな風にも捉えることができるのではないでしょうか。

今度こそ、彼に好きでいてもらえるような自分になるんだという前向きな気持ちですね。

彼女の健気さに触れると、偶然ばったり街で会いもう1度恋に落ちて欲しいとさえ思ってしまいます。

お願い神様チャンスをちょうだい