ここではセンターと楽曲の関係性について考えてみましょう。
センターを務める白間美瑠さんはNMB48の1期生。
山本彩さんや渡辺美優紀さんと共に、NMB48始動当初からグループを支え続けたメンバーです。
では初心を思い出すことの重要性を伝えたいと考えた時、誰に頼むのが良いでしょうか。
古くから在籍している方の方が、説得力が増すのではないかと考えます。
つまり原点回帰というメッセージを伝えるのに最適な人物が彼女だった、というわけです。
もちろん白間さんが実力を兼ね備えていることは、皆さんも周知の通りですね。
このように歌詞だけでなく、細部へこだわりがある作品といえるでしょう。
2番を解説
隠れた問題とは
太陽があっと言う間に (沈んで)
消えてしまうなんて知らなかった (今まで)
このベンチに座って ずっと眺めてたから
やっと気づいたんだ
出典: 母校へ帰れ!/作詞:秋元康 作曲:永見和也
走りながら振り返るのではなく、一度立ち止まってみた主人公。
いつもは何気なく通り過ぎていた場所も、一味違った風景に見えているようです。
生きることに必死すぎて
大事なことを見逃していた
まわりの景色も変わる
出典: 母校へ帰れ!/作詞:秋元康 作曲:永見和也
ここから主人公は手を抜くことなく、一生懸命努力していることが伝わってきます。
しかし必死に頑張るあまり自分の置かれた立場を客観視できていないのも事実。
それが変化に気付かない要因となっています。
またここでいう「景色」とは主人公がおかれた環境のことです。
具体的には職場環境や、学生時代の友人、両親の健康など…。
主人公の周りにいる人間たちとその状況のことを指しています。
がむしゃらに頑張ることは素敵なことです。
しかし周りが見えなくなるまで奔走するのは如何なものでしょうか。
そんな問題提起が盛り込まれた1文となっています。
隣の芝生は青く見える
街の灯りも一斉に
灯(とも)ったわけじゃなかった
なぜ 取り残された気がする?
出典: 母校へ帰れ!/作詞:秋元康 作曲:永見和也
ここでいう「街の明かり」は、前述した景色とリンクしているのではないかと考えられます。
ではそれ以外に別の捉え方をすることはできないでしょうか。
灯りは主人公の周りにいる人間を指していると考えることができます。
電灯とは常に煌々と輝いていて、時には眩しく見えてしまうものです。
自分が不運な時ほど周囲の環境が羨ましく見える現象。
本作ではその状況を、例えを用いて表現しているフレーズといえるでしょう。
帰りたい
さあ 母校へ帰れ!
帰る場所がなくなったら
いつだって戻って来い
あの言葉を
思い出す
出典: 母校へ帰れ!/作詞:秋元康 作曲:永見和也
ここからはサビに突入。
主人公にとって母校が帰る場所になっていることが分かります。
ここでいう「母校」とは、物質的な学校という建物の話ではありません。
先生のありがたいお言葉、部活と勉強に励んだあの日、友人と過ごした時間など…。
これらの思い出が原点となっているといえます。
ラストシーンを解説
涙が出るのは
さあ 母校へ帰れ!
もしも泣きたくなったら
あの懐かしい校庭へ
涙を捨てに行けよ
出典: 母校へ帰れ!/作詞:秋元康 作曲:永見和也