未だ定まらぬ想い

臆病者は寝入りました
ネオンが窓から射しました
戯けてみたのが悪かった
「あ〜もうダメ…」

出典: Downtown/作詞:くじら 作曲:くじら

こちらは実際に夜の街を彷徨い続ける相手側の視点で描かれています。

歌詞の2行目から室内であること、時間帯はである事が想像できます。

まさに実際に見知らぬ誰かと即席の愛で欲求を満たしている瞬間。

「戯」という単語が用いられていることからも、罪悪感背徳感を伴っていることが分かります。

そして快感に落ちていく姿。

4行目では快感に塗れていく状況に、思わず零れ出た言葉だと解釈出来ます。

もう前のようには戻れない。

その反面、冒頭にあるように自分を「臆病」だと形容している点にも注目です。

まだどこかで覚悟が決まっていない、振り切れていない曖昧な心情さえも読み取れます。

誰のせい?

気づけば始発の駅でした
ため息眠気と吐きました
私のせいで狂いました
この先どうすんだ、ねぇ

出典: Downtown/作詞:くじら 作曲:くじら

そして朝になって自分自身の行動に酷く後悔している様が描かれています。

欲望のままに自分を動かし、周りのこと、先のことを無視した結果です。

アルコールのせいで、鮮明な記憶が無い点もまた自身に憤りを感じているのでしょう。

自分と連れ添ってきてくれた人にどう説明すればいいか分からない。

それだけではなく、自分のアイデンティティーも崩れ去ってしまったといっているのです。

歌詞の4行目は、先ほどと同様のフレーズですが、視点が異なっています。

互いに、先の未来に対して憂いている状況。

「私の~」というフレーズでは、自身に負い目を感じている風に描かれています。

しかしながらその裏腹で、どこか投げやりになっている姿があるのではないでしょうか。

現状を必死に「誰か」に「何か」に押し付けたいという自己中心的な心情が読み取れます。

何も変わりやしなかった

見せる本性

ベロッベロに酔っ払って
何がなんだかもうわかんなくなって
異常正論なんでもこい
もう何したって 何したって

出典: Downtown/作詞:くじら 作曲:くじら

自分の理性が保てていないまま、おもむろに発している言葉たち。

罵詈雑言や自身の体裁を無視したものが自然と溢れていくのでしょう。

アルコールが作用しているのではなく、それで暴かれた本性なのではないでしょうか。

自分のこれまでの行動を曝け出して、何を言われようとも構わないといっているのです。

今までは、多少なりとも隠蔽して行動してきた部分もあったはず。

しかしながら、もう後に引けなくなった状況で取った行動は全てを見せること

その脳裏ではまた夜の街のことを考えているのではないでしょうか。

そして鼻から元のように戻ろうとは考えていないことさえも読み取れます。

冷たく痛すぎる世界

悪意だけの食卓には
阿鼻叫喚よりも突き刺さるような
視線の先 胸の奥
もう何したって 何したって

出典: Downtown/作詞:くじら 作曲:くじら

ここは、そうして最後に2人が話し合っている構図ではないかと解釈します。

一言も言葉を交わすこともなく、ただ目線で相手を問い詰めているのでしょう。

歌詞2行目にある「阿鼻叫喚」とは艱難辛苦の中で必死に救いを求めている様を指します。

これまでの行動の果てに相手に縋っている哀れな姿。

もちろん、そんな姿には目もくれず、ひたすらに押し殺した目で訴えかけ続けるのです。

夜へ消えていく

欲望とか愛とかなんでもいいとか
ごちゃごちゃうるせえな
薄っぺらい言葉並べて浸ってるだけここで
さよならしようか 君と
あの街へと

出典: Downtown/作詞:くじら 作曲:くじら