『Newspeak』について

【Newspeak】ぼくのりりっくのぼうよみが切り拓く新境地!楽曲・歌詞を徹底解説!MVありの画像

ジョージ・オーウェルの小説から引用したタイトル

ぼくのりりっくのぼうよみは、独特な言語感覚と多彩でポップな楽曲で注目を集める存在です。

ラップとメロディーを縦横無尽に行き来するスタイルは、次世代を担うアーティストとしての可能性を感じさせます。

最近では、香取慎吾と草なぎ剛のユニット「SingTuyo」に楽曲提供を行ったことで話題を集めていましたよね。

そんなぼくのりりっくのぼうよみNewspeak』は、2016年7月に発売された1st EP「ディストピア」に収録された楽曲です。

タイトルは、ジョージ・オーウェルのディストピア小説『1984年』に架空の言語として登場する「Newspeak」から引用されています。

この曲は洗練された美しいサウンドに辛辣な歌詞が映える楽曲。現代は「言葉が減って何にも考えられなくなっている」と感じて書いたと語っています。

言われてみれば、なんでも「かわいい」「やばい」などの短絡的な言葉で片付けてしまう会話を耳にすることは多いですよね。

日本語にはさまざまな言葉があり、時代が移り変わることで失われた言葉も多いでしょう。

それにより、表現の深みがなくなることを危惧してこの楽曲を作ったのではないでしょうか。

アルバム『Noah's Ark』収録

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Newspeak』は2017年1月にリリースされたアルバム『Noah's Ark』にも収録されました。

この曲を聴いて彼に興味を持った方はぜひこのアルバムも聴いてみてください。自在に言葉を操る彼の音楽の魅力が堪能できるアルバムです。

また、クラウドファンディングによって資金を集めて立ち上げたオウンドメディア『Noah's Ark』も必見です。

このアルバムに収録された楽曲やぼくのりりっくのぼうよみとさまざまな「やってる人たち」の対談が楽しめます。

音楽に限定されない視野の広い活動も彼の魅力と言えるでしょう。

ぼくのりりっくのぼうよみ2ndアルバム『Noah’s Ark』特設対談サイト|「ぼくのりりっくのぼうよみと10人の“やってる人たち”による対話の記録」

歌詞を紹介

閉塞感を感じる日々

空になって沈んだままのmy world
朝が何度来ようが変わらない
同じ場所をぐるぐる廻るevery day

出典: Newspeak/作詞:ぼくのりりっくのぼうよみ 作曲:にお/ぼくのりりっくのぼうよみ

繰り返す日々に対して、閉塞感を感じていることがわかります。それは、何度朝を迎えても変わることがない根深いものなのです。

ここに朝は来ない 枯れていく脳内
ぼくら言葉越しにでしか解れない
ちっぽけな窓ひとつずつ塞いでいく
シンプルになった世界で羽ばたいてく

出典: Newspeak/作詞:ぼくのりりっくのぼうよみ 作曲:にお/ぼくのりりっくのぼうよみ

「ここ」とは、自分の頭の中のことでしょう。光がなければ、植物は枯れてしまいます。

朝が来ない自分の脳内も植物と同じように死んでいくのではないかと感じているのでしょう。

言葉で伝えなければ人はわかり合うことはできません。そのため、言葉は他の人をつなぐ窓のような存在と言えます。

伝える言葉が減っていけばその窓はどんどん塞がり、意思疎通の減ったシンプルな世界へと変わっていくでしょう。

言葉は永遠を生む

単調な日々 無意識でkick it
半自動routineに任せた意志
淡い劣等感もとうに褪せ
甘いゲットーが顔を出す
言葉で彩れば明かり灯る
どんな景色でさえ永久に残る
音は濁るけど言葉は褪せない
終に変わらない光景を臨む

出典: Newspeak/作詞:ぼくのりりっくのぼうよみ 作曲:にお/ぼくのりりっくのぼうよみ

和訳

kick it(リラックスする)

routine(決まりきった仕事)

 

変わらない単調な日々に対して、だんだんと感覚がマヒしてそれをこなしていると感じたことはないでしょうか?

それに対して劣等感を感じていても次第にそれも色あせていき、いつの間にか同じような人たちとコミュニティを作って安心してしまう場合は多いです。

そのような環境で誰からも称賛も否定もされず半自動で過ごす毎日は、まさにシンプルな世界ですよね。

日々を言葉で彩れれば、人とのつながりによって明かりが灯ります。また、景色はその言葉によって記録され、永久に保存できるでしょう。

美しい言葉は色あせることはないのです。それは、過去の名作と言われる作品が現代でも愛されていることが何よりの証拠ですよね。

そのような「変わらない光景」をぼくのりりっくのぼうよみは望んでいるのです。

壊れた関係性

よりシンプルになった世界
曖昧さの排除は相対して害為す
マイナスにも快楽にも成り得るbogus affair
傍観するaudienceが織りなす
犠牲にしたdiversity
ひとつが全部の代替に
simplificationは先天性innovation
sentenceがescalation
ぶっ壊れたrelationships

出典: Newspeak/作詞:ぼくのりりっくのぼうよみ 作曲:にお/ぼくのりりっくのぼうよみ