ポルノグラフィティの10thシングル

2003年にリリースされたドラマのテーマ曲

ポルノグラフィティ【渦】歌詞の意味を解釈!「排水溝」は何を表現している?儚いほど惹かれてしまう心理…の画像

1999年に『アポロ』で鮮烈なデビューを飾ったポルノグラフィティの10thシングル

それが今回ご紹介する『渦』です。

2004年に脱退したベースのTamaさんが作曲を担当しており、現在の彼らとは異なる雰囲気を持っています。

この曲は、釈由美子さん主演のドラマ『スカイハイ』のテーマ曲に起用されました。

「お逝きなさい」

というセリフが印象的だったので記憶にもあるかもしれません。

2003年にリリースされて以来、この曲が持つダークな雰囲気がネット上で話題となりました。

『渦』の世界観

この曲のテーマは「欲望の渦」

まさにそれを体現するように、変則的なリズムと何かが湧き出るようなおどろおどろしさを纏っています。

一回聴いただけでは理解できないような変拍子で緊迫感を煽り、緊張感を高めているこの曲。

人間が本来持つ「欲望」という抗うことができない感情に身を落とし、狂気に染まる主人公を描きます。

いったいどのようにして渦に飲み込まれて行くのか。

破滅の扉の向こう側へとご案内します。

自分以外の匂いは消し去って

倫理観なんてガラクタのようなもの

凍えたよ 空の下
裸のまま追い出して
聞いててよ 頭ん中
軋んだガラクタの音

出典: 渦/作詞:新藤晴一 作曲:Tama

まずは冒頭の部分。

なにかしらの理由で追い出された主人公。しかも裸で。

なんとも不可解な状況が描かれています。

いったいなにがあったのか。

どう考えても普通ではない状況です。

その状況を理解するために必要なのが、後半の部分になります。

主人公が相手に対して思っていることが語られています。

相手が自分を追い出した直後、頭の中で目を覚ます「ガラクタ」の存在。

ここでいう「ガラクタ」とはつまりは倫理観です。

 

この曲のテーマは、「欲望の渦」であることはお伝えしました。

まとめると下記のようになります。

  • 欲望の渦というテーマ
  • 裸で追い出される状況
  • 相手の中にある倫理観を「ガラクタ」と呼ぶ感覚

これらを繋げると、主人公は普通の恋愛に身を置いていないことがわかります。

普通ではなく倫理観を否定する恋愛とは、つまりは不倫、もしくは浮気です。

相手は主人公を追い出した後で倫理観に支配されるわけですから、すでに夫なり彼氏がいるのでしょう。

それを知った上で付き合っている状況なのです。

これから流れる本当の愛の時間

待っててよ 暮れるまで
ひとりきりにしないで
洗ってよ からだじゅう
息止めとくからさぁ

出典: 渦/作詞:新藤晴一 作曲:Tama

追い出された後、ひとり帰路につく主人公。

その道中で相手のことを思っていました。

「暮れるまで」ということから、現在の時間としては明け方と思われます。

夜が明ける頃に相手のパートナーは帰宅してきたのです。

夜勤なのか夜の仕事なのか、とにかく夜に活動していることが伺えます。

なので、次に相手に会えるのは夜になってから

つまりは、パートナーが出て行った後です。

自分が家を出てから相手はパートナーに抱かれているのだと思っている主人公。

それすらも我慢できないという思いが、「息を止める」というフレーズに込められています。

そして今夜また行くから、その時までに相手の匂いは全て洗い流しておいて欲しい

狂気に満ちた感覚で相手を求めていることが伝わってくる表現です。

ここまで主人公を狂わせたものとはいったいなんなのでしょうか。

排水溝が意味するもの

大きな流れに身を任せ

溢れそうな水が排水溝へ
小さな渦をつくって流れていく
ぶつかって廻りながら消えてゆくの
覗き込めばそのまま引きずりこまれていく

出典: 渦/作詞:新藤晴一 作曲:Tama