The Songbardsメジャー初のフルアルバム収録曲「マジック」
「マジック」は4人組ロックバンド・The Songbardsのメジャー初のフルアルバム「CHOOSE LIFE」収録曲です。
アルバム内ではリード曲という重要な立ち位置で、番組『COUNT DOWN TV』のED曲にもなりました。
リリースは2019年の11月20日ですが、その前にタイアップ番組で放送されています。
「マジック」は4人のコーラスが映える、優しい楽曲です。
公開されているMVやスポットでも、彼らの柔らかさと明るさが伝わってくる映像に仕上がっています。
MVにはフルアルバムの収録曲を全曲試聴できるダイジェスト版もあり、「マジック」ももちろん試聴可能です。
もちろん優しさは歌詞にも表れていて、胸キュン必至な愛の言葉が盛りだくさん!
タイトルは日本語に直すと「魔法」という意味ですが、手品としての「マジック」もありますね。
どちらの意味なのでしょうか。
そもそも主人公が大切に想っている人とは何者なのでしょう?
すべての答えは、この歌詞の中にあります。
「僕」の愛する人
「マジック」の主人公には、とても大切な人がいるようです。
その人はどんな人なのでしょうか。
本人にとって相手は特別に見えるものです。
しかしながら、その人は見た目や中身まで特別とは限りません。
「マジック」は、当たり前すぎてなかなか気付けないところに気付かせてくれます。
「君」は何者?
雪のような手 雨で汚れても
君は僕にとっての強く生きた証さ
痛みを笑って堪えた涙も
君の瞳に代えて いつも流してくれた
出典: マジック/作詞:上野皓平・松原有志 作曲:上野皓平・松原有志
雪は白く美しく、しかし儚いものの象徴です。
この「手」は「君」のものかと思われます。
そしてその「君」こそが主人公の大切な存在。
雪のように白くて、乱暴に扱ったら壊れてしまいそうなくらい華奢でか弱い印象のようです。
では、降り積もった雪が雨に濡れたらどうなるでしょうか。
氷より水の方が温度は高いので、雪は溶けるでしょう。
ですがその前に、雨が運んできた砂や泥などで汚れてしまいます。
せっかく真っ白できれいだった雪が、黒ずんでしまうのです。
大切な存在である「君」の手も、これと同じように汚れる時が必ずあります。
どんな人でも、生きていれば汚れることは避けられません。
どんなに見た目が汚くなってしまっても、主人公の気持ちは揺らぎませんでした。
「生きた証」であり、自分を支えてくれる存在のようですね。
主人公が痛みを抱えながらも涙をこらえている時も、側にいてくれたのが「君」なのです。
歌詞を見るに、恐らく相手は主人公の代わりに泣いてくれたのではないでしょうか。
大切な人のために自分が悲しむ、とても心優しい人なのが分かります。
君の声は魔法のよう
世の中のセンスより君のあどけなさが好きさ
懐かしい声がする まるでマジックのように
出典: マジック/作詞:上野皓平・松原有志 作曲:上野皓平・松原有志
「君」は決して万人受けするような人ではないようです。
人間個性がありますから、誰にでも世の中の風潮に全て当てはまる人はいないと思いますが…。
世間とは少し外れた感覚を持ち合わせている相手に、主人公は愛おしさを感じているのです。
「あどけない」と聞くと表情や仕草を思い浮かべますが、歌詞では「声」でしょうか。
その声は懐かしさと共に、ある不思議な力があったようです。
主人公はそれを「マジック」とたとえました。
つまり魔法です。
主人公が大切に想う「君」は魔法使いのように思っているのでしょう。
遠いほど感じる愛
ボロボロになって縫われたその足の
届かない場所へは 僕が代わりに行くよ
遠くへ行くほど愛は近づいて
君にも見せたいけれど 今は隠しておこう
出典: マジック/作詞:上野皓平・松原有志 作曲:上野皓平・松原有志
歌詞の1行目がかなり意味深です。
ケガをしたのか、それとも病気か何かで手術したのでしょうか。
この「足」も「君」のものだと思われますが、足が不自由で遠くに行くことができないようです。
届かない相手の代わりに、主人公が行きます。
何をしに行くのかは歌詞では分かりません。
代わりに行くことで、主人公と「君」の距離はどんどん離れていきます。
ですが物理的な距離が離れると、逆に精神的な距離が縮まるのですね。
ぎくしゃくしていても、一度離れると相手の存在が愛おしくなったり恋しくなったりすることはありませんか?
3行目の歌詞はそのことを語っているように思えます。
遠くへ行って、どれだけ想いが強くなったか「君」に見せたいと感じているようです。
要するに愛を伝えるということでしょう。
ところが、その場ですぐに伝えることはしません。
何故なのでしょうか。