メジャーデビュー曲「LA PA PARADISE」
「LA PA PARADISE」はBRADIOのメジャー1stシングルです!
これまでブラックミュージックをしてきた先輩たちへのリスペクトと、現代日本への思いが込められた「LA PA PARADISE」。
「LA PA PARADISE」MV
驚異のハイトーンヴォイスから始まる「LA PA PARADISE」。
70’sの風を感じる爽やかなファンクナンバーになっています。
ボーカル 真行寺貴秋(しんぎょうじたかあき)の髪型からも、彼らのルーツが踊れる黒人音楽の代表・ファンクであることがわかりますね。超絶アフロ!
日本中を躍らせるBRADIO
BRADIOから放たれる星が、みんなのハートを射止めていくMVに仕上がっています。
終盤、踊り狂うダンサーたちはみんな日本人ですよね。今どきのクラブシーンでは、日本人はダンスで感情表現するのが下手なんて言われています。
そんな意見になにクソ!と対抗していくジャパニーズ。俺らだって踊れるんだ/踊らせれるんだという二重のメッセージになっていますよね。
思えばバブルの時代には、日本人が踊るのなんて当たり前でした。もう一度狂騒の楽しい時代へ戻れるはずです!
そして星や背景の表現には、明らかに70’s~のファンク全盛期の香りがしています。
メジャーデビューシングルということで、自分のルーツを示す自己紹介代わりにしている気がしますね。
先輩へのリスペクトを感じます。この曲は1971年にリリースされたEarth, Wind & Fireの「September」です。
今の50代くらいの人なら、知らない人はいないんじゃないでしょうか。
いったい彼らは何億人を踊らせたのか、すさまじい影響力を持ったバンドです。
「LA PA PARADISE」歌詞を解釈!
バブル崩壊後の歌詞
LA PA PARADISE
2人で行こう ここではないどこかへ
LA PA PARADISE
心踊る 明日がきっと待っている
出典: LA PA PARADISE/作詞:真行寺貴秋 作曲:BRADIO
彼らのルーツはファンクを始めとする黒人音楽にあります。
歌詞もその影響を受けているのかというと、内容は現代的です。
社会不安とそれをかき消すための狂騒で踊り狂っていたあの時代の歌詞は、現代にそぐわないんですよね。
今学校に通っている世代は「さとり世代」なんて言われていますよね。僕たちは無気力な時代に生きているのです。
バブル崩壊後の世代は「ロストジェネレーション(失われた世代)」なんて呼ばれていました。
明日に希望が持てず、夢もなく、ただ日々を過ごし続ける…。
就職氷河期は終わりましたが、その世代の感覚は今にも引き継がれ続けていますよね。
夢を持てない時代だからこそ、「ここではないどこかへ」という歌詞が出てくるのだと思います。
希望のない時代
雨あがりの夜空の星を ぼんやり見上げてる
繰り返しの毎日って もう散々でうんざりさ
Cry Cry 涙流したって 今日もあっけなく終わってゆく
さぁ ひとっ飛びさあの星へ お前と愛のシャイニングスター
出典: LA PA PARADISE/作詞:真行寺貴秋 作曲:BRADIO
現代は夢を持てない時代です。東京はかつての大都市ではなくなり、冷たい人たちが住むただの現実になってしまいました。
かつて人々に夢を見せた大都市はもうないのです。例えばくるりの岸田がシティポップの曲を書いた際には、東京はもう夢を見せれる街じゃないからと、上海のイメージを盛り込みました。
上海なら「日本人はよく知らない」からです。細かい部分を見つめていったらただの現実でしかなくなるのですけども。
しかしもう全部冷たい現実になっている東京よりは、夢を見れる分だけマシですよね。
この「LA PA PARADISE」では、くるりが上海を使ったように、宇宙の果ての謎の星に夢が託されています。
もうダンスフロアで夢を見る時代は終わりました。誰も知らない場所は宇宙しかないのです。