こんな世界でも生きていく
哀れみ惜しむ化けの皮
Live Through This World
出典: DIFFERENT SENSE/作詞:京 作曲:Dir en grey
ここでは肯定派に対する疑問や不信感を綴っているのでしょう。
何かしら物事を進めるときにはメリットばかりに目を付けても意味がありません。
もちろん失敗リスクを下げる目的もあります。…が、別の理由がもう1つ。
それはデメリットを大きくとらえ、不安視し踏み出そうとしない慎重派が必ず現れるから。
となると、そういった慎重派の否定的な態度を少しでも好転させることが必要です。
そこで歌詞1行目にあるような行動をとるのでしょう。
「哀れむ」という言葉はおそらく、「否定的な意見にもきちんと同情する」姿勢を意味しています。
そして続く「惜しむ」からは、慎重派の意見にきちんと向き合い大切に扱っているのだという姿勢が感じられますね。
自分に寄り添ってくれる、そんな行動が思いやりのある素敵な行動だと捉えてもらえれば大成功。
最初から賛成派だった人たちは見事に仲間を増やし、自らの希望通りに事を進められるようになるのです。
誰でも騙されてしまいそうな手口ですが、少なくとも作詞した京さんには見抜かれていますね。
2行目では惑わされることなくまっすぐ生きて欲しいとメッセージを送っているようです。
祝杯に隠された意味とは?
成功を喜ぶ
失った事にさえ気がつかないまま
無我夢中貪る夢 笑顔に隠して乾杯
出典: DIFFERENT SENSE/作詞:京 作曲:Dir en grey
2行目で祝杯をあげているのはおそらく、何かを肯定しそれを支持していた人たちでしょう。
成功を喜びながら、祝杯をあげているようですね。
貪っているのはもちろん、それを成功・達成させたことで得たもの。
そこには社会的地位や名声、豊かな財産など、手に入れたいものがたくさん含まれています。
本当は
さらには「組織」や「団体」としてではなく、個人的に手に入れたいものも含まれているでしょう。
つまり楽しそうに祝杯をあげたのは相手を欺くためのフェイク。
腹の底ではその仲間を蹴落とすことを考え始めています。
その魂胆を悟られないよう、それぞれが自分の欲望を隠すために仮面をつけて接しているのです。
この事実だけでも人間の黒い部分が見えるようで気味が悪いのですが、さらに怖いのが1行目の歌詞。
失ったものは様々でしょう。
自分の欲望を優先させようとしたことで、まず周囲からの信頼を失います。
それによって、いつか困難にぶつかった時に助けてくれる仲間も失うでしょう。
本性を隠しながら次の一手を画策しているうちに、その手からはたくさんのものが零れ落ちていきました。
それに気がつかないほど自分が得たものに目がくらんでいるのです。
人間の本性が見える気がして、少し鳥肌が立ってしまいそうなフレーズですね。
青空が意味するもの
隠されている現実
しかし今に気付く
叩き付けられた未来
そう…何を意味する「青空」
出典: DIFFERENT SENSE/作詞:京 作曲:Dir en grey
3行目「青空」とは、まさに「嵐の前の静けさ」を表しているように感じられます。
雲1つない空は美しく、その青さには深みさえ感じられるでしょう。
しかしその美しさや包み込むような深さのせいで、どことなく落ち着かない人もいます。
これから何か起こりそうな、底なしの恐怖を孕んでいるようにも思えるのです。
多くの人はその空の青さが持つ意味に気がつかないでしょう。
この表現はきっと多くの意味を含んでいるのですが、共通しているのは全てネガティブであるということ。
もちろん自身の行動が全て正解だと信じ、明るい未来を想像している人には綺麗なものに見えているでしょう。
しかし実際には明るい未来など訪れません。
さきほど解説した通り、明るい未来だけを想像しているうちにたくさんの大切なものを失ってしまったのです。
美しく見える空が偽りであること。
励ましてくれる誰かの笑顔が偽りであること。
そして想像する未来はやってこないこと。
それらの現実に気がついたとき、人は一体何を思うのでしょうか。
青空が意味しているのはこの先に待ち受ける「絶望」なのかもしれません。
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