「君の鼓動は君にしか鳴らせない」
ドラマ「ナポレオンの村」の主題歌
平井堅の「君の鼓動は君にしか鳴らせない」は、2015年に発売されたシングル曲です。
2015年に放送された唐沢寿明主演のドラマ「ナポレオンの村」の主題歌になっていた曲です。
「ナポレオンの村」は唐沢寿明演じる「スーパー公務員」が村を立て直すために活躍するストーリー。
実話を元にした感動を呼ぶドラマですが、平井堅の歌う主題歌がこのドラマに深みを与え、いっそうドラマティックに演出しています。
平井堅の20周年記念シングル
おばあさんと踊るPVをご紹介!
平井堅は20年間いろいろな演出をやりつくしてもうネタがなくなったとテレビでも嘆いていました。
毎回おもしろいネタを探している平井堅ですが、今回のPVでは上品なおばあさんと一緒に社交ダンスを踊っています。
登場するおばあさんは平井堅自らがオーディションしてイメージに合った人を選んだそう。
そこまでこだわって作った素敵なおばあさんと一緒に踊るPVが話題を呼んでいますが、そのPVと歌の歌詞は関係があるのでしょうか?
20年経った平井堅だからこそ歌える渋みのある曲の歌詞の意味を考えてみましょう。
グッと心を掴む静かな出だし
何の取り柄も無いからさ 淋しそうに君は少し笑った
諦めたものを数えて その声は小さくなった
あぁ その胸の隅っこに ふてくされた希望を隠してるなら
そいつと手を組んで あの青空まで 一緒に飛ばそうよ
出典: 君の鼓動は君にしか鳴らせない/作詞:Ken Hirai 作曲:Ken Hirai
目を背けたくなる現実に向き合う
生きている意味などないと人生を諦めたくなる瞬間は誰にでもあるでしょう。失ったものの大きさに失ってからはじめて気が付く。
きっとこの「君」は失恋したり大切な人を亡くしたりしたばかりなのでしょう。それが長年一緒にいた人物ならその絶望は計り知れません。
しかしその後は目を背けたくなるような現実をじっくりと見つめながらも、うなだれる「君」の手を温かく握ります。
そして「少しでも希望があるなら一緒に歩んでみないか?」とひっぱろうとする姿が映し出されています。
現実にしっかりと向き合ったうえで、ポジティブにこれからを考えていく一筋の希望のようなものが見え隠れする歌詞です。
一気に感動がふりそそぐサビ
手を伸ばさなきゃ 掴めないだろう 優し過ぎる瞳の君こそヒーロー
何を奪われても 何を汚されても 君の鼓動は君にしか鳴らせない
君は明日のヒーロー
出典: 君の鼓動は君にしか鳴らせない/作詞:Ken Hirai 作曲:Ken Hirai
優し過ぎる君に訴えかける
静かな導入部分が終わり、サビの部分に入ると一気に力強さが伝わってきます。
自分から何かをしなければ掴めるものも掴めない。つまり生きている自分が自分で手を伸ばすしかないのです。
大事なものを失っても君は生きているだけで価値があるのだと「優し過ぎる瞳の君」に語りかけます。
希望を失った人には、「がんばれ」や「諦めるな」などのストレートな言葉は伝わりません。平井堅の書く歌詞にはそのような言葉は全くでてきません。
その代わり、明日のヒーローになれるのは「君」しかいないと存在自体を肯定してくれるのが、絶望している君にとって何よりの励ましになるのでしょう。
「優し過ぎる君」に優しくそして力強くかけがえのない命の大切さを教えるのです。