感覚ピエロ
2018年で、結成5周年!
2013年に大阪で結成された感覚ピエロ。今年2018年は、彼らの結成5周年にあたりますね。
特筆すべき彼らの特徴は、結成時から一貫して音楽事務所やレーベルに所属することなく、全てをメンバーたちの手でプロデュースしているんです。
バンドを結成する際中心となったギター担当の秋月琢登が、バンド結成後すぐに自主レーベルを立ち上げました。
このことからも、最初からこういうやり方でいく、ということは彼らの中で決まっていたことがわかりますね。それにしても、すごい行動力です。
全てを自分たちの力で行う、ということは大変だとは思いますが、その分、自分たちの思うようにやれる、ということでもあります。
レコード会社と契約したのはいいけれど、音楽にいろいろ注文を付けられた、というのはよく聞く話。
そういったことから自由になって制作に打ち込める、という点を優先したかったのではないでしょうか。
今の時代ならではの彼らのあり方
それにしても、こういうことが可能になったということに、時代に流れを感じずにはいられないですね。
例を挙げると、今ではグラミー賞を2回も受賞し、世界的に大きな人気を誇る米ロックバンド、Linkin Parkは、レコード会社との契約に至るまでに40以上のレーベルを訪れたといいます。
さらにデビューアルバムの制作過程においてこと細かく注文を付けられ、うんざりしたという内容のことを語っていました。
彼らの音楽が当時なかった新しいスタイルで斬新なものだったということもあるでしょうが、音楽性についてレコード会社とのやり取りは大変なものがあったそうです。
デビュー当時のLinkin Parkは、ハードなロックサウンドにキャッチーなメロディ。
そこにメインヴォーカルのチェスター・ベニントンのハードなスクリーム、MCのマイク・̪シノダのラップが絡むといった、いわゆるミクスチャー・ロックのような音楽でした。
この音楽性を理解されず、レコード会社にラップは必要ないといわれ、マイク・シノダが解雇されそうになったことすらあったということ。
デビューアルバムのレコーディングに至ってもことごとく意見は対立し、メンバーは「レコード会社がいいということのすべて反対のことをやった。」と語るほどだったようです。
結果的に彼らのデビューアルバム『Hybrid Theory』は、2001年アメリカで最も売れたアルバムとなり、現在までに2700万枚以上を売り上げ、今なお名盤として名が挙がるアルバムとなりました。
それほどの実力があっても、当時はそうしてレコード会社と契約を結び、いろんなことに縛られつつ活動する、というスタイルしかなかったのです。
このことを考えても、感覚ピエロがとった策は、アーティストにとって自由に制作できる環境を確保できる最善の策といえるのかもしれません。
マネジメントなど、いろんな雑務をこなさなければならない、というマイナス点を除いても、そういえるのではないでしょうか。
「一瞬も一生もすべて私なんだ」
MV
疾走感ある心地いいロックサウンド。メッセージ性の高い歌詞がよく伝わってきます。
光に包まれて演奏するメンバーが、とても眩しいですね。
このMVに出演している女性は、人気急上昇中の女優、田中真琴。
クールで透明感のある雰囲気が、この曲にぴったりです。
歌詞に注目
では、注目の歌詞をご紹介します。
いつの間にか誰かが決めた「正解」に惑わされ
どこまでも遠く伸びていくあの飛行機雲
どうか私を連れ去ってくれないか?
一瞬も一生もすべて私なんだ
ねぇ そうでしょ?
いつだって「はじまり」はすぐ側にあるから
気付かない振りはもうやめてさ
私をはじめて
出典: 一瞬も一生もすべて私なんだ/作詞:秋月琢登 作曲:秋月琢登
どの瞬間も、全部、「私」。
そのことには変わりはないはずなのに、世の中に惑わされたり、周りの人に翻弄されてしまったり。
お仕着せの「正解」の陰に隠されてしまった本当の「私」は、気付かれないままいるのでしょうか。
そんな「私」を呼び覚まそうと、語りかけます。
怖がることはないし、遅すぎる、なんてこともない。
いつからだって始められる。
だから、今から本当の「私」を出して生きていこうと。
「はじまり」はすぐ側に
答えを見つけ出したくて 真っ白なあの心の声も
逃げ出したくなるような 真っ黒なあの日も
すべて抱きしめてあげたいんだ
あの日の白が 変わらないように
あの日の声が 消えないように
あの日の景色が 薄れないように
変わらない為に変わってみせて
一瞬も一生もすべて私なんだ
ねぇ そうでしょ?
いつだって「はじまり」はすぐ側にあるから
気付かない振りはもうやめてさ
私を息して
出典: 一瞬も一生もすべて私なんだ/作詞:秋月琢登 作曲:秋月琢登
人には、いろんな面があります。
いいところも、心が黒く染まってしまっているところも。
そして、様々な過去を抱えています。
辛かった過去や心の闇に捕らわれて、身動きが取れなくなってしまってはいないでしょうか。
本当の「私」を閉じ込めている、それらに支配されていては、「私」は息ができないのです。
自分を変えて、「私」を開放して。
「私」が、堂々と深呼吸できるように、「私」そのものが変わってしまう前に、自分を変えなくてはならないのです。