BAD HOP【Walking Dead feat. Vingo & Benjazzy】歌詞を解説

ここからはBenjazzy（ベンジャジー）のパートです。

BAD HOPの中ではストレートな作風が魅力のBenjazzy。

今回は呪縛から解き放たれたようにフリーキーなラップで攻めまくります。

Benjazzyが歌うのは川崎南部の不良文化に深く根付いたしがらみについてです。

暴力と上納金による負の連鎖が続く闇の世界。

2015年の「Chain Gang」でもBenjazzyは同じことを語っています。

彼らは中学時代から暴力団に近い世界を生きてきたのです。

このたった4行のバースでいかにその環境が地獄だったのかがうかがい知れます。

名曲「KAWASAKI DRIFT」でも描かれていた闇の世界。

そこではスカーフェイスの異名で知られる実在のギャングの名を引用していました。

BAD HOPの描く世界観は深作欣二監督の「仁義なき戦い」シリーズに近いものがあります。

しかし現実はフィクションよりも凄惨です。

出口の見えない迷路をゾンビの群れをかいくぐり必死に走り続けます。

サンタクロースさえ知らずに育ったという多くのメンバーにはすがる神もいないのです。

仲間との絆だけを信じて前に進みます。

「Walking Dead feat.Vingo & Benjazzy」のフックで歌われた細菌兵器。

その正体はBAD HOPの作り出す音楽そのものです。

川崎サウスサイドの哀しいしがらみ。

彼らは音楽の力でその呪縛から解放されたのです。

そのことを下の世代に伝えたい。

彼らががむしゃらに成功を求める理由はそこにあるのでしょう。

実際に川崎ではBAD HOPに憧れてラップを始める若い世代が着実に増えているそうです。

いつか川崎を住みやすい街に変えたい。

そんな想いが「Walking Dead feat.Vingo & Benjazzy」には込められているのでしょう。

今回はBAD HOPの「Walking Dead feat. Vingo & Benjazzy」を紹介しました。

ディストピアとして描かれた彼らのホームタウン川崎サウスサイド。

そこで負の連鎖を断ち切ろうと懸命に前に進むBAD HOPの姿が描かれていました。

多くの若者に希望の光を与えるBAD HOPの今後の活躍に目が離せません。

BAD HOPのアンセムともいえる「Kawasaki Drift」。

武道館での大合唱は間違いなく日本のヒップホップ史に残る名演です。

「ブルン！」「スカー！」とキラーフレーズ満載の歌詞をチェックしてみましょう。

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