一番はアコースティックギターと歌をメインに、弾き語りのようなイメージで展開されます。

どこか寂しげに共鳴する歌とギターが、しんみりと胸に沁みってくるようです。

サビ前の劇的な響きのコードをきっかけに空気は一変。

切なくも力強く訴えかけるようなメロディへと繋がっていきます。

高ぶりを表現するバンドサウンド

一番サビ終わりの間奏からはバンドサウンドへと移行。

激しさと繊細さを持ち合わせた音像は感情の高ぶりを表現しているかのよう。

卓越した演奏技術で聴く人を更に曲の世界へと引き込んでいきます。

1曲を通して少しずつ語り掛けてくるようなこの曲展開。

まるで映画を観ているかのような気分にさせてくれる楽曲となっています。

影絵を使ったMV

「Shout」のMVを担当したのはandropの他のMVも数多くを担当する川村真司と清水幹太。

映像は影絵を使って展開されるストーリータッチのものとなっています。

影絵を使用したアニメーションやandropの演奏姿のシルエットが、実写による壁や家具などに投影されて展開するストーリー仕立てのものになっている。川村によれば、楽曲の内容を、理想とする形で生きられない人々の心の葛藤による「叫び(Shout)」と解釈し、これを物体が作る影によって表現している。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/Shout_(andropの曲)

表現されているのは楽曲に込められた人々の葛藤。

これが実態のないものだから、実体のない影を使った映像での表現に行き着いたのではないでしょうか。

また、葛藤という言葉の陰のイメージも影へと繋がるものがありますね。

主人公は捕らえられた鳥人間

ストーリーには「鳥人間」を登場させ、捕まって動物園に閉じ込められたその主人公が、自らを犠牲にしつつ大切な人と再び自由を手に入れるという物語を描いた。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/Shout_(andropの曲)

鳥人間が主人公にされたのは、大空を飛べる翼に「自由」のイメージがあるからでしょうね。

自由を求めて闘うそのストーリーにも注目です!

いかがでしたか?

ストーリーだけでなく、影で映される演奏シーンも新鮮なものでした。

表情が見えないからこそ動きの繊細さが際立ち、演奏を支える芯の部分が伝わってくるような印象です。

世の中の不条理から導き出した歌詞に迫る

作品から見出した「不条理」というテーマから、内澤はどんな歌詞を綴るのでしょう。

ここからはその内容を一部解釈。

込められたメッセージの真意に迫ります!

誰にとっても正しいことなんてない

ひとことの優しさが 君を傷つけてしまう
この心は君と僕の 為だけに生きれない

出典: Shout/作詞:内澤崇仁 作曲:内澤崇仁

万人にとって優しい言葉など存在しません。

自分は良かれと思って言った一言が、誰かを傷つけてしまうこともあります。

自分と大切な人以外にも、世の中にたくさんの人や価値観がある限りそれは当然のこと。

「自分たちだけ良ければいい」は通用しないのです。