ELLEGARDENの切ない名曲
若い世代を中心に大人気の4人組バンド、ELLEGARDEN。
2008年に活動を休止していましたが、2018年に復活を宣言したことで話題になりましたね。
今回はそんな彼らの楽曲の中から、『So Sad』をご紹介。
何年たっても色褪せることのない、彼らの名曲をどうぞご堪能ください。
『So Sad』って?
2003年7月に発売された、2枚目のアルバム「BRING YOUR BOARD!!」。
そのアルバムの最終11曲目に収録されているナンバーです。
無機質なギターサウンドが印象的なイントロに始まり、比較的明るい雰囲気の楽曲。
しかし最後の最後、奥底から想いを振り絞るかのようなメロディは、リスナーの心を打ちます。
楽曲を聴いただけではわからない、タイトルの意味。
とある男女の物語
幸せな日常の1コマ
I woke up from the dream of the good days I was in
I took you home and you slept next to me
In the morning I could smell the eggs you cooked for me
We were sure it’d last until we die
出典: So Sad/作詞:細美武士 作曲:細美武士
(和訳)
僕は、楽しかった日々の夢から目覚めた
君を送って行って、僕の横で寝ていた
朝になると、君が僕のために料理してくれた卵の香りがして
そんな日々が死ぬまで続くと本気で思っていたんだ
とてもあたたかく、心がほっこりするような恋人同士のエピソードから始まります。
全編英語詞ということで、どことなく海外の若い男女をイメージするのはわたしだけでしょうか。
夜遅くまで、2人はどこかで遊んでいたのでしょう。主人公の僕は彼女を家まで送り届けました。
本当はそこで帰るはずだったのかもしれません。しかし気がつくと、主人公も一緒に寝てしまったようです。
どのくらい時間が経ったのか…ふと目を覚ましたのは、素敵な香りが主人公の鼻を刺激したから。
一緒に寝たはずの彼女の方が、ちょっぴり早起きだったようです。
昨晩送ってもらった彼女はお礼も兼ねて、まだ寝続けている愛しい彼氏のために朝食を作っていました。
何気ない平凡な1シーン。変わらない日常の風景を前に、これが一生続くと信じるのは無理もありません。
しかし気になるのは冒頭の1文。「楽しかった日々の夢」とはどういうことでしょう。
ここで鮮明に描かれていた日常の風景は、現実ではないということなのでしょうか。
突然訪れた悲しい出来事
流れ始める不穏な空気
You asked me if I’d ever leave
I was meant to be next to you always
That was my reply
But something I have done has split us apart
And you are never coming back to me again
出典: So Sad/作詞:細美武士 作曲:細美武士
(和訳)
君は僕に聞いたよね いなくなってしまうのかって
僕はいつでも君の横にいるよ
それが僕の答えだった
でも僕がしでかした いろんな事が僕らを切り離し
そして君は、二度と僕の所へは戻ってこなかった
冒頭、夢だったと綴られていた理由が記されています。
まずは前半、恋人同士ならだれもが1度はするであろう会話が描かれています。
2人は本当に、心の底から相手を想い合っていました。
だからこそ、ここで綴られているような言葉を交わしていたのでしょう。
ただ想い合うだけでなく、言葉に出して確かめ合う。2人の大きな愛は、ずっと続くかのように見えました。
しかし4行目で、様子は急変します。突如として訪れた、2人の悲しい別れ。
ここでは詳しい事情が語られていませんが、どうやら原因は彼氏にあった様子。
決して穏やかな別れではなかったようです。一方的に彼女が離れていってしまったのかもしれません。
残念なことに、ここで語られている「2人を切り離した悲しいできごと」は、一時の喧嘩などではありません。
あれだけ仲が良かった2人を、一生切り離すことになってしまったのです。
僕は君だけを愛している
I’m dreaming of you and I still think you’re mine
I’m waiting for you and I never give up
No matter who appears I won’t forget
I wish you knew that I’m yours until I die
出典: So Sad/作詞:細美武士 作曲:細美武士
(和訳)
僕はあなたを夢見ている そしてまだ僕のものだと思っているよ
僕は君を待ち続けているんだ 決してあきらめてはいない
この先 どんなに忘れられない人が現れたとしても
僕は死ぬまで君のものだ 君がそうわかってくれることを望んでいるんだ
あんなにも仲が良かった2人を、完全に切り離す原因を作ってしまった主人公。
少なくともその原因が、互いの気持ちが冷めたせいではない、ということがここのフレーズから読み取れます。
主人公はいまだに、大好きだった彼女への気持ちを変えることなく想い続けているのですから。
本当は心のどこかで、一生の別れだと気がついているのかもしれません。
それでも、その事実は絶対に認めたくない。僕は君以外、誰のものでもないのだから。
3行目からは想いの強さや、その言葉の信憑性の高さを感じ取ることができます。
どんなことがあっても君以外考えられない。ロマンチックすぎるセリフです。
それほどまでに強い気持ちで結ばれていた2人。その想いの強さが存分に伝わってきます。