2017年で結成30年となるロックユニット、B'z
日本のロック界に君臨
日本でこれほどロックを追求し、かつ一般に広く受け入れられたアーティストは類を見ないといってもいいのではないでしょうか。
全曲を作曲、ギター担当のTAK MATSUMOTOこと松本孝弘と、作詞を担当しヴォーカルを務める稲葉浩志の2人で構成するユニット、その名もB'z。
泣く子も黙る超絶ギタープレイと圧倒的歌唱力が武器のこのユニットは、1988年のデビュー時から日本の音楽シーンにおいて常に存在感を放ち続けてきました。
シングル連続首位獲得数、通算首位獲得数いずれも日本歴代首位であり、自身の持つその記録を現在も更新中。
メンバー2人ともが50歳を超えていますが年齢を感じさせるどころか、年齢を重ねることによってどんどんパワーアップしている姿は驚愕に値しますね。
圧倒的な存在感を持つB'z。日本のロックシーンは彼らの独断場といっても過言ではないでしょう。
世界に通用する音楽性
ハリウッド・ロックウォーク殿堂入り
根底にあるものはロックと揺るぎはないものの、少しづつそのスタイルを変化させているB'z。
一定のレベルに留まることはなく、常に上を目指し新境地を切り開いていく彼らのスタンスには畏敬の念さえ感じてしまうほどです。
”ロックは死んだ” ”ロックは終わった”といわれて久しい音楽シーン。日本に限らず世界的にもそういう傾向はあるようですが、彼らの全く揺るぐことのないロック魂は、世界にも通用するようです。
実際彼らは、日本人としてはもちろん、アジア圏でも初のハリウッド・ロックウォーク殿堂入りを果たしました。
この殿堂入りは、世界的ギタリスト、スティーヴ・ヴァイの推薦が大きかったといいます。
スティーヴ・ヴァイやエアロスミス、リンキン・パークと共演も
B'zは以前、スティーヴ・ヴァイのアルバムに参加した経験があります。
スティーヴ・ヴァイといえばフランク・ザッパやデヴィッド・リー・ロス、ホワイトスネイクなどのロックバンドのギタリストを歴任、極めて高い音楽性とギターテクニックを持つ、超一流のギタリストです。
2017年4月、イングヴェイ・マルムスティーンやザック・ワイルド、ヌーノ・ベッテンコートなど、5人の天才ギタリストが競演するイベント”Generation Axe"の一員として来日していましたね。
そこでも超絶プレイを披露していたスティーヴ・ヴァイですが、そんな世界的ギタリストが世界中のアーティストの中からB'zを推薦したことが、B'zの世界に通用する実力を物語っているのではないでしょうか。
ロック界の大御所エアロスミスや世界的人気バンド、リンキン・パークとも共演の経験もあり、その音楽性は世界的にも評価されていると言えるでしょう。
それぞれソロでも活躍していますが、ギタリストの松本孝弘はアメリカの著名なジャズギタリスト、ラリー・カールトンとの共作「TAKE YOUR PICK」で音楽界の権威であるグラミー賞を受賞しました。
ディザスター映画「ジオストーム」の日本語吹替版の主題歌に決定!
1996年に大ヒットしたハリウッド大作「インデペンデンス・デイ」において、製作と脚本を担当したディーン・デブリンが監督ということで話題を集めている映画「ジオストーム」。
地球の気象を完璧にコントロールする宇宙ステーションが暴走、想像を絶する異常気象が地球を襲い、人類絶滅、地球滅亡の危機が訪れる…。
それを阻止するべく人間たちが不可能にも思える困難に立ち向かう様子を描いたディザスター(災害)映画です。
2018年1月に公開が予定されていますが、この映画の日本語吹替版の主題歌にB'zのニューアルバム「DINOSAUR」の一曲目、「Dinosaur」が起用されました。
洋画の主題歌はB'z初。ディザスターアクション映画「ジオストーム」とストレートなハードロック・チューンの「Dinosaur」。
迫力の映像、アクション、人間ドラマに激しくディスートーションのかかったギターサウンドと稲葉浩志のスクリーム。
最高の組み合わせではないでしょうか。
「Dinosaur」の歌詞を考察
青空見上げ、一発吠えてみる
街の温度は上がってくるし
下ばかり見て歩けばぶつかる
Call me dinosaur マネできんだろ
今を生きるのさ、人知れず進化して
A lonely dinosaur 空も飛ぶつもり
誰もまだ、俺の本当の色を知らない
出典: https://twitter.com/KI_TAK_lyric/status/930405153101955072
さあ、Dinosaur=恐竜が目を覚ましました。
永い眠りから覚めて、空の青さに驚きを隠せません。
恐竜たちが最後に見たのは、灰色がかった冷たい空。
氷河期はとうに終わり、地球の気温はどんどん上がり続けています。
過去の遺物のような恐竜たち。高層ビルも、人込みにも戸惑いを隠せません。
失われたはずの存在。
どんなに大きく、かつては強かったとしても、もう終わった存在の恐竜。
時代は変わったのです。
恐竜=過去の遺物?それとも…
終わったといわれ続けている音楽、ロックを追及するB'z。
2人とも年齢も50歳を超え、時代遅れとか旬は過ぎたとか言われることも多くあったことでしょう。
時代の流れとともに音楽の種類も増え、若手アーティストが次々と活躍し、ロックは過去の遺物のような音楽とみなされるような風潮すらあります。
それでもぶれることなく自身のスタイルを追求するB'zは、自分たちを恐竜と呼べといいます。
確かにかつての世代の遺物かもしれませんが、今誰が恐竜のような圧倒的なパワーと存在感でロックできるのか?
しかもB'z流にアップデートを重ねて、時代に受け入れられるような。
”時代遅れと馬鹿にするかもしれんが、俺たち以外にはできないだろう?”
ぶれることない信念とゆるぎない自信。
堂々とした王者の貫禄です。
しかも、これでまだ終わりではありません。
誰も見たこともない、おそらくはB'z自身が見たこともないような彼らの音楽の可能性がまだ秘められているのです。