鈴木瑛美子×亀田誠治版『フロントメモリー』の魅力!
5月25日公開の恋雨こと『恋は雨上がりのように』の主題歌に神聖かまってちゃんの『フロントメモリー』が選ばれました。
鈴木瑛美子と亀田誠治のコラボカバーとしても話題の『フロントメモリー』ですが、映画の原作漫画と意外な繋がりがあるのです。
そんな興味深い繋がりをMVとともに紹介します!
青春色が眩しいMV
恋雨のシーンがふんだんに盛り込まれたMVです。
青春を謳歌している時の空模様はいつも晴れ。
しかしとあるアクシデントをキッカケに空にも心にも雨が降り止まなくなってしまいます。
この雨が止んだ時、女子高生と中年男性という親子ほど年の離れたふたりの危うげな恋の行方が気になりますね!
豪華コラボ!
数多のミュージシャンのプロデュースを手がけてきた亀田誠治と鈴木瑛美子の強力タッグが実現しました!
鈴木瑛美子は歌うま女子高生として一躍有名になった若手ゴスペルシンガーです。
透明感がありパワフルな歌声がとても印象的ですね。
映画のために書き下ろされたとしか思えないほどピタリとハマる世界観には秘密があるのです!
主人公のイメージソング
今作の原曲が作られたのは2013年です。
恋雨の連載が始まったのは2014年ですから、曲の方が先なのですね。
橘あきら
本作の主人公でありヒロイン。風見沢(かざみざわ)高校に通う、17歳の女子高生。クラスは2年D組。黒髪のロングヘアーに整った顔立ち、長身でスレンダーな体躯をした少女。放課後はファミレス『cafeレストラン ガーデン元住吉店』でウェイトレスのアルバイトをしている。自宅は横浜にある6F建てマンションの502号室で、神聖かまってちゃんの曲をよく聞いている。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/恋は雨上がりのように
主人公のプロフィールです。
切れ上がった目力が魅力的な彼女のヘビロテソングはなんと神聖かまってちゃんです。
原作者の眉月じゅんによると『フロントメモリー』はこの漫画のテーマソングとのことです。
淡い恋模様を描く恋愛漫画のルーツが、センセーショナルな歌詞を歌い叫ぶパンクバンドだったとは意外ですね。
神聖かまってちゃんといえば過激なパフォーマンスや作風の印象が強いですが、青春に揺れ動く少年少女の繊細な心情を描いた作品も多数発表しています。
この『フロントメモリー』もそんな楽曲のひとつで、鈴木瑛美子の疾走感ある歌声が実によく合っていますね!
思春期特有の鬱屈した気持ちや、私はまだまだやれるはずなのに上手くいかないのはどうして……。
そんな理想と現実のギャップに苦しんだ経験は誰しもがあると思います。
ダメな自分を肯定できるのも否定してしまうのも自分だけです。
敗北を知っているからこそ……
小松菜奈演じる橘あきらは陸上競技のスプリンターとして期待されていましたが、怪我により選手生活の危機を迎えます。
大きな挫折を味わった彼女が恋する相手は、大泉洋が演じる近藤正己はシングルファザーの中年男性。彼もまた小説家の夢破れた過去を抱えています。
一見、対照的なふたりです。しかしどちらも大きな挫折や劣等感の中で生きているのです。
そんな心に抱える暗さを感じ取り共鳴し合うふたりの行く末が気になりますね。
負け犬にこそ寄り添う歌
あきらは日頃から神聖かまってちゃんを心の拠り所にしている少女です。
の子が作る歌は「やってらんねえよ」という負け犬の遠吠えのような歌詞が多いです。
幸せだと勘違いしてヘラヘラしてる奴らに「笑わせんな!」と吐き捨てているのに、どこか放っておけない母性本能をくすぐられるような魅力があります。
あきらも「私なんてどうせダメ」だと諦めの気持ちがありながら、それでも諦めたくない、見放されたくない気持ちの狭間で揺れているのでしょう。
突っ張りきれない自分が内側にいて、まさに神聖かまってちゃんが歌う世界の住人そのものです。
人力ボカロソング!
オリジナルの方は2バージョン存在します。