EGOIST「Euterpe」(エウテルペ)とは?
「Euterpe」(エウテルペ)はアニメの世界観を色濃く反映!まずは背景を解説!
「Euterpe」(エウテルペ)はアニメ「ギルティクラウン」の世界観を色濃く反映した、ヒロインの楪いのりの存在を象徴するような楽曲なので、まずはざっくりとその世界観について解説します。
「ギルティクラウン」の物語の舞台は西暦2029年、宇宙から飛来したウイルスによって荒廃して無政府状態になっている日本です。
主人公の桜満集(おうましゅう)は人から「ヴォイド」という道具を引き出して使うことができる唯一無二の個性、王の能力を持つことになり、過酷な運命を辿ることとなるのでした。
「ギルティクラウン」というタイトル通り、罪に染まっていく王の力に集は翻弄されながらも成長していきます。
少年はこの能力を使って世界を、そして、愛する人を救うことができるのか...。
そして、この楽曲はそんな主人公と世界を見つめるいのりを象徴しています。
曲名の「Euterpe」(エウテルペ)の意味は!?何が由来になってるの?
「Euterpe」(エウテルペ)は、ギリシャ神話の文芸を司る女神の一人、抒情詩の女神エウテルペーか、その名前から名付けられた小惑星エウテルペに由来していると考えられます。
抒情詩の女神の名がついたその歌詞は、いのりの感情を咲いた花や、夏の雨などの自然の風景に託して歌っており、まさに抒情詩的な表現といえます。
また、楪いのりは「ギルティクラウン」の中でその歌によって人々をウイルスから救うことができる能力を持っています。
歌を歌い、人から喜んでもらうことが彼女の生きる意味だとするならば、女神エウテルペーのギリシャ語の Ευ (ふさわしい)と τέρπ-εω (喜ばす)が合わさったその名前も、彼女を象徴する楽曲の曲名としてふさわしいですよね。
エウテルペでも、曲名は小惑星の方に由来すると考えても、イギリスの天文学者ジョン・ラッセル・ハインドによって見つけられ、エウテルペと名付けられたその星は、主人公の集によってその大剣というヴォイドの能力を引き出され、生きる意味を与えられた地球外生物のいのりに重なるところがありますね。
このように色々な解釈ができる曲名も、世界観の奥深さや壮大さを物語っていますが、ここからは実際にその歌詞を見ていきましょう。
EGOISTの「Euterpe」(エウテルペ)の歌詞を解釈!
咲く花に訊いてみても返事がないように...
咲いた野の花よ
ああ どうか教えておくれ
人は何故 傷つけあって
争うのでしょう
凛と咲く花よ
そこから何が見える
人は何故 許しあうこと
できないのでしょう
出典: https://twitter.com/xxkouxxxx/status/865395234628288512
人としての感情が少しずつ芽生えているいのりには、人間の悲しみや苦しみが不思議に、そして哀れに思え、そんな感情を、花に向かって投げかけている歌詞です。
人は何故傷つけあって争うのか、そして、許しあうことができないのかと。
そして、咲いた花に訊いたところで知っていたとしても何も答えられないように、人間の哀しさがわかっていても何もできない自分の無力さを嘆いているようにも聴こえますね。
主人公の集の苦しみがわかっても、ただそばにいて言われたようにすることはできても、その苦しみから救うことはできなかったいのりの姿が浮かぶような歌詞です。
葉から落ちた雫のようにこっそり泣いた理由
雨が過ぎて夏は
青を移した
一つになって
小さく揺れた
私の前で
何も言わずに
出典: https://twitter.com/xxkouxxxx/status/865395234628288512
梅雨、降り続いた雨はやがて上がり、水たまりになって夏の青々と茂った木々の葉を写すように季節は移り変わっていくという樹形が描かれたこの歌詞。
その変わっていく景色を前に雨上がりの木の葉が小さく揺」て雫を落とすように涙した「私」には、誰も気づかないのでした。
美しい情景に誰にも気づかれないまま悲しみを抱える少女の姿が映されています。
しかし、誰にも気づかれないだけで、そこには確かに悲しみがあるのです。
私たちはただ生きているだけでどれだけの人の悲しみを無視して生きているのでしょうか。
世界の裏側で苦しんでいる人たちがいたとしても、私たちにその声は届かなければ関係がないのか...そんなことも考えさせられる歌詞ですね。