期待と不安に高鳴る胸
誰もがそれぞれの 切符を買ってきたのだろう
今までの物語を 鞄に詰めてきたのだろう
荷物の置き場所を 必死で守ってきたのだろう
これからの物語を 夢に見てきたのだろう
出典: 銀河鉄道/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
これまでの淡々とした曲調から、この部分は少し雰囲気が変化します。
藤原基央の叫ぶようなボーカルが、「僕」の気持ちを最大限に伝えています。
目的地が近付くにつれて、期待と不安が入り混じった感情が押し寄せ、新しい生活が現実味を帯び始めました。
きっと「僕」がこの旅に懸ける思いはとても大きなものなのでしょう。
人は誰しも、未来があり、過去があり、目的地があります。
その時々で手に入れたかけがえのない出会いや思い出を必死に守りながら人生という旅を続けます。
「僕」だけではなく、電車に乗る人、引いては生きる人全てにいえることかもしれません。
そんな気付きを過去から未来へ向かう電車の中で「僕」は得たのでした。
「僕」だってちゃんと進んでいる
人は年を取る度 始まりから離れていく
動いていないように思えていた 僕だって進んでいる
出典: 銀河鉄道/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
年を取る度に「終わり」に近付いているのと同時に、「始まり」からは離れていきます。
「始まり」とはつまり、生まれた時のことです。
始まりから離れていくとういうことは成長しているということ。
止まったままの自分に不安や焦り、劣等感を抱いていた「僕」は生まれてからの歳月を確かに生きていた事実に気付きます。
「僕だって進んでいる」、そう思えた「僕」は少し安心し、でもやはり不安を抱きながら新しい生活に飛び込んでゆくのでしょう。
まとめ
「銀河鉄道」は人生を電車の旅になぞらえた、独特の世界観を持ちます。
まるで自分もその電車に乗っている様な、夢のような現実のような不思議な感覚を味わうことができます。
幻想的な曲の雰囲気が「銀河鉄道」というタイトルに相応しい、深みのある曲といえるでしょう。
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