映画のために書き下ろされた楽曲

[Alexandros]【Beast】歌詞の意味解説!化けの皮剥がした姿とは?共存したい心情を紐解くの画像

[Alexandros]の楽曲「Beast」は映画「ドクター・デスの遺産―BLACK FILE―」の主題歌として書き下ろされました。

疾走感あふれる[Alexandros]らしいロックな楽曲となっています。

話題となったMVでは、連続不審死事件の殺人犯を追う映画である「ドクター・デス」を彷彿とさせる二面性をテーマにしたものです。

演奏シーンだけでなくダンスシーンなど、音だけでなく視覚的にも楽しめる作品となっています。

楽曲は冒頭の意匠的なギター・リフから始まり、スピーディでスリリングな映画の世界観にぴったりの楽曲です。

社会的問題をテーマにした物語が完結した時、エンドロールとともに流れる主題歌にはどんな物語が秘められているのでしょうか。

その謎を「Beast」の歌詞から紐解いていきます。

歌詞を解説

見る位置が変われば見方も変わる

BANG BANG 銃が鳴り出して
悪者はあっちってなったって
わからないよ あてになんないよ
あっち側ではこっち側がエネミー

出典: Beast/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

果たしてなにが正義でなにが悪なのでしょうか…。

そうやって問題提起をしているようにも感じる冒頭の歌詞です。

もしかしたら悪だと思っていたものが実は善であり、善だと思っていたものが真の悪なのかもしれません。

お互いが反する位置にいるのでどちらも敵なのです。

中立の立場の人は現時点でどちらが正しいのかジャッジするのは難しいでしょう。

ドクター・デスは「死にたい人を助けている正義の味方」すなわち救世主です。

そのため、遺族は犯人であるドクター・デスに感謝して嘘の証言をします。

しかし法的にみれば安楽死は悪に該当します。

見る位置が違えば、考え方や見方も違ってきます。

だからどちらが正しいのかわからないのです。

立場によって善にも悪にもなるからなのでしょう。

正解が何かは自分で見極めることが必要なのだと考えさせられるフレーズです。

普通って何?

「全然これふつーだって」
「いやそれは偏見、いじょーだって」
わからないよ あてになんないよ
それぞれの常々がわだかまり

出典: Beast/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

日常私たちが生きている世の中で、なにをもって、「普通」であり「異常」なのでしょうか。

誰がそれを決めるのか…。

人それぞれが持っている当たり前というもの自体がすでにわだかまりでしかありません。

人々が「普通」だと思っている毎日の日常が、見る角度を変えると「異常」だったりもするでしょう。

社会のなかで一般常識とされているものが必ずしも正しいとは限りません。

ここは一つ前の歌詞善と悪にも該当するように思えました。

正解とは何か

知ったかぶりをすると見えなくなる

僕らはいつだって正解が
どんなもんかって大体
わかってますよって顔で
おりこーさん気取りたい
誰かにとっちゃ間違い
てことを知っちゃうと一体全体
何がなんだかわけわかならくって

出典: Beast/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平

誰もが賢い振りをしているとそれなりに社会から認められた気になります。

ただその態度や解釈は本当に正しいのでしょうか。

自分にとってはだいたい何が正しいかがわかっているつもりでも他の人とってはそうではないかもしれません。

信じているものが間違いだと指摘されると不安になるでしょう。

そうなると今まで信じていたものが揺らいできて、訳がわからなくなります。

だからこそ「わかってますよ」って顔をして、他と同調してるフリをしたくなるんですね。

人生の答えがわからない

何回人生試したって 何が正解かわからないよ
肝心要の己は
今も 今も 今もがいてるよ
半信半疑で挑んだって 中途半端でやるせないよ
ガンジーじゃない獣は
何を 何を 何を選ぶの?

出典: Beast/作詞:川上洋平 作曲:川上洋平