街を背に走るシトロエンに乗って
この街を駆けてゆこう

Oh Baby もう泣くなよ どのくらい泣けば済むの
Don't cry. Oh Baby
外は晴れたようだ 曇り空はもう逃げた
ぼくが悲しませないぞ Oh Baby

世界は誰にも渡せないって 約束したのはぼくだよ
君の顔を見てたんだ どうなったっていいんだ
世界は誰にも渡せないって
言ってたヒーロー逃げたろ?
君の顔を見たんだ

出典: World is Mine/作詞:Kengo Kakudate 作曲:Kengo Kakudate

「街を背に走るシトロエン」という歌詞は、「君」にとって彼との思い出が残る場所でもある街から「ぼく」の車で遠ざかっていくことを意味するのでしょう。

それは、失恋を癒すドライブでもあると同時に「ぼく」が「君」を前の恋からさらっていくことでもあるのですね。

車の中で終わった恋に泣く「君」をみて、もう降っていた雨も止んだのだから、「君」も泣き止んでくれ。

これからは「ぼく」がこんな風に「君」を泣かせたりなんかしないと誓うからと思うのでした。

そして、彼のことなんて忘れろよと言って「ぼく」が顔を見たとき、「君」はどんな顔をしていたのでしょうか。

続きの歌詞を見ていきましょう。

何事にも終わりはやってくる、例外はない、けど...

街を背に走るシトロエンに乗って
この街をさらってゆきましょう

君のいた日々と 君のいた夢を 繋いで夜と遊んでた
終わりなき夜には価値はない

出典: World is Mine/作詞:Kengo Kakudate 作曲:Kengo Kakudate

「君」だけではなく、この街ごとさらっていくというのは、彼との思い出も、「君」心の奥底まで全て「ぼく」のものにするということでしょう。

つまり、「君」は彼のことを吹っ切って「ぼく」との恋に踏み出すことを決めたということです。

そして、この歌詞とともに華々しく曲も終わるかのように感じますが...そうです、最初にあえて解釈から外していた歌詞がありますよね。

この曲の最初の歌詞は「君」のいた日々を思い出す回想の歌詞。

回想から始まり回想に収束していくこの歌詞は、恋の始まりと幸せの絶頂、加えてその終わりが描かれているのです。

信じていた恋にも終わりがくることはあると言って口説き落とすことに成功した彼女でしたが、皮肉にも彼女と自分の恋も終わってしまったということですね。

しかし、歌詞の通り、終わらない恋に価値はないと自分の中で諦めをつけたということでしょう。

もちろん終わらない恋も素晴らしいものですが、この曲の「ぼく」は一つの恋が終わってその恋の眩しさや美しさを知ったということ。

そんな無常観のようなものが根底に流れる歌詞がサウンドと合わさって、華々しくも切ない、哀愁が漂うような一曲に仕上がっているといえるでしょう。

「World is Mine」というタイトルの意味

Yogee New Wavesの「World is Mine」のMV・歌詞を紹介しましたが、いかがでしたか?

最後に、この解釈をしながら、タイトルの意味についても感じたことがあったので、書きたいと思います。

解釈の中で、街ごと彼女をさらっていくことは元彼との思い出もひっくるめて心の奥底まで全て彼女を自分のものにするということではないか。

そんなことを書いたのは覚えていますでしょうか。

街とは、小さな規模ではありますが、そこに住む人たちにとっては世界といえるでしょう。

つまり、「World is Mine」とは歌詞の「世界は誰にも渡せない」であり、その意味は"君は誰にも渡せない"という想いということですね。

そして、それだけ強く相手を想った恋にも終わりがくる...ということで切ない気持ちにもなりますが、そこがまたいいですよね。

何度も聴きたい名曲です。

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