ネガティブが僕を蝕む
僕が恐怖を抱くもの
輝くものは 照らすから それが怖くて 近寄れない
見つめなければ 見られたりしない
泣かなかった 過去 泣きそうな 今
出典: 時空かくれんぼ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
夜にわたしたちを照らしてくれる月は、太陽の光をうけて輝いています。
月自体が発光しているのではなく、輝く太陽のおかげで照らされているだけなのです。
それと同じく、自分が輝くものは周囲を明るく輝かせて見せます。
とても素敵なことに思えますが、無理に輝かされる側からしてみればいい迷惑です。
自分まで注目されてしまう。無理やり明るい気持ちにさせられてしまう。
それが怖くて、近づくことができないようです。
そして2行目では、同じく注目されることを恐れる様子が描かれています。
人は誰かからの視線を感じると、その相手を探したりじっと見つめたりしてしまうものです。
だったら自分が見なければ、相手からも見られずに済むのではないか。そう考えたのでしょう。
もしくは、自分が見なければ見られていることにさえ気がつかないだろうと思ったのかもしれません。
いずれにせよ、徹底的に注目を避けようとする様子がハッキリと見てとれます。
絶望に寄り添う理由
絶望すると 楽になるね 例えば 今
だから今を 未来の果てまで 傘代わりにして
逃げてきた 過去 捕まった 今
出典: 時空かくれんぼ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
絶望は辛く苦しく、できることなら経験したくないものです。
しかし1度絶望の底に堕ちてしまえば、もうそれ以上はないのだと安心できる根拠になります。
辛いことがあっても自分を鼓舞し、乗り越えることができるようになるのです。
だからこの先はずっと、その絶望で自分自身を守ろうとしているのでしょう。
この先も自分の意思にかかわらず、様々なネガティブが降り注ぎます。
でも絶望という気持ちを傘のように携えていれば、そのネガティブは傘に弾かれて流れ落ちていく。
そうやって自分の身を守っていこう。そんな気持ちが表れています。
永遠に終わらないかくれんぼ
隠れ上手な 自分であろうと 探す役目も自分だから
また見つかって オニにされたよ ずっと僕と僕とのかくれんぼ
出典: 時空かくれんぼ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
このかくれんぼの相手は、自分自身です。
つまりいたちごっこ。永遠に決着がつきません。
隠れる自分を1番理解しているのも、探す自分を1番理解しているのも、同じ自分。
なんだか頭がこんがらがってしまいそうです…。
まだまだ続くかくれんぼ
ちょっぴり違うルールがある?
隠れた方が叫ぶ「もういいかい」 何度目の事
探す方はお馴染み『まぁだだよ』
「なぁ、お前さ、」「二択問題なんだぜ」「時間制限あるんだぜ」
『そんなの解ってるよ』胸を張って 怖れないで 叫びたいよ
出典: 時空かくれんぼ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
突然ですがここで、かくれんぼのルールをもう1度確認してみましょう。
隠れる人は制限時間内に自分が好きな場所に身を隠し、オニからの呼びかけを待ちます。
一方オニは一定時間が経過した後、「もういいかい」と呼びかけるのです。
返答が「まぁだだよ」なら追加で隠れる時間をとり、「もういいよ」なら探し始めます。
さて。このルールに基づいて考えると、このかくれんぼが少しおかしいことにすぐ気がつくでしょう。
ここでは隠れた方が呼びかけ、探すオニがまだだと制止してしまっているのです。
かくれんぼのルールを無視したこの展開は、かくれんぼの相手が自分だからでしょう。
自分vs自分のかくれんぼなど、やはり成立しないようです。