スピッツの名曲「春の歌」
アルバム「スーベニア」
「春の歌」は2005年1月12日リリースのスピッツの11枚目のアルバム「スーベニア」の1曲目に収録されています。このアルバムが「春の歌」の初出しになっています。
「スーベニア」とは、贈り物、お土産という意味で、ボーカルである草野マサムネが伝わりやすい言葉を選んで作った曲をまさにリスナーに贈り物として届けられるように制作されたアルバムです。
しかし、アルバムに収録された「春の歌」はなぜシングルカットされたのでしょうか。
シングルカット
その理由はアルバム発売後にスポーツ飲料の「アクエリアス」キャンペーンソングとしてのタイアップが決まったためです。それにより急遽シングルカットされ、2005年4月20日に30作目のシングルとしてリリースされました。
このシングルは両A面シングルで、もう1曲は「テクテク」が収録されています。
時代を越えてカバー
そして、名曲「春の歌」は約10年の時を越えて藤原さくらによりカバーされました。
スピッツが「春の歌」をリリースした当時、彼女はまだ10歳でした。2017年現在、彼女は21歳となり、元々、原作が好きだった「3月のライオン」の主題歌起用を喜んだそうです。
しかし、誰もが知っている名曲を歌うことにはもちろん不安もあったと思います。
その中でも新しいアレンジを生み出し、「3月のライオン」の世界観に合った優しく、どこか切ない新しい「春の歌」に生まれ変わりました。
藤原さくらの「春の歌」は2017年3月29日に自身2枚目のシングルとしてオリジナル曲「Someday」との両A面シングルという形でリリースされました。両A面でリリースというのもスピッツと被っていてなんだか縁を感じます。
映画「3月のライオン」の後編主題歌に抜擢
「3月のライオン」は、羽海野チカによる将棋をテーマにした漫画です。
2017年に主演を神木隆之介に据えて実写映画化が実現しました。3月18日に前編が公開され、4月22日には後編が公開されました。
「春の歌」の歌詞を紐解く
それでは「春の歌」の歌詞を紐解いていきましょう。
草野マサムネの文学性
重い足でぬかるむ道を来た トゲのある藪をかき分けてきた
食べられそうな全てを食べた
出典: 春の歌/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
草野マサムネの歌詞は非常に独特な文学性があります。この歌詞にもその特徴が大いに表れています。
まずは人生を言い表した冒頭部分。生きていくことは簡単ではなく、壁や困難にぶつかることがたくさんあります。それをぬかるみやトゲという言葉で表現しています。
そして、それでも負けずに全部受け入れて突き進んできたことを食べることで言い表し、草野節がとても効いた冒頭になっています。
長いトンネルをくぐり抜けた時 見慣れない色に包まれていった
実はまだ始まったとこだった
出典: 春の歌/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
人生の中で苦しい時期は誰にでもあるのではないでしょうか。なんだかやっていることにマンネリを感じたり、スランプに陥って何をやってもうまくいかなかったり。
そんな時期はまるで暗く長いトンネルを進んでいるように感じてしまうものです。しかし、トンネルには入り口もあれば、必ず出口もあります。
その出口を抜けた時に待っているのは、つらく苦しい時期を乗り越えることができた新しい自分であり、次のステージなのです。
つまり新しいストーリーがまたここから始まっていきます。