スピッツの名曲「春の歌」を藤原さくらがカバー!歌詞を考えてみるの画像

「どうでもいい」とか そんな言葉で汚れた
心 今放て

出典: 春の歌/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

つらく苦しい時は「どうせうまくなんかいかない」とか「良いことなんかない」とか自暴自棄になってしまいがちです。

しかし、新しく始まるストーリーに向けてそんな自暴自棄な自分の心とはさよならしようという決意が表現されています。

春の歌 愛と希望より前に響く
聞こえるか?遠い空に映る君にも

出典: 春の歌/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

春は始まりの季節です。新しい命が芽吹き、成長していく季節は新しいストーリーにぴったりです。

そんな春の歌は愛や希望の歌ではなく、勇気の歌なのではないかと考えられます。どんな困難にぶつかっても前に進んでいく姿は「勇気」そのものであり、そんなポジティブな気持ちは愛や希望よりも前に響いていくのだと考えられます。

そして、遠くで同じようにつらく苦しい時期を迎えている誰かにもこの勇気を伝える歌が届きますようにという願いを読み取ることができます。

平気な顔でかなり無理してたこと 叫びたいのに懸命に微笑んだこと
朝の光にさらされていく

出典: 春の歌/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

つらく苦しい時ほど、そんな自分に気が付くのは難しいし、気が付いていて苦しくても、その苦しさを表に出して周りの人に甘えるのは非常に難しいことです。

この歌詞のように「苦しい自分は周りに見せないようにしなくちゃ」と思ってしまう人は多いのではないでしょうか。

しかし、そんな風に無理をしていても、やっぱりどこか細かな変化があって、いつも通りとはいかないものです。自然と周りの人に伝わってしまいます。

スピッツの名曲「春の歌」を藤原さくらがカバー!歌詞を考えてみるの画像

忘れかけた 本当は忘れたくない
君の名をなぞる

出典: 春の歌/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

そうやって些細な変化に気付いてくれる人の存在の大切さが歌われています。

どんなに優しく接してくれていても、荒んでしまっている時にはその優しさに気付くことができないものです。そんな時こそ、その優しさを忘れないように、改めてそばにいてくれる人の存在を思い返しましょう。

春の歌 愛も希望もつくりはじめる
遮るな 何処までも続くこの道を

出典: 春の歌/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

そんな風にそばにいてくれるいてくれる人との関係は、どんどん深まっていきます。そこには愛が芽生えたり、共に進んでいく希望を見出せるような関係になっていきます。

まだまだ人生は続いていくので、大切な人の存在を忘れずに進んでいきましょう。

孤独な戦い

スピッツの名曲「春の歌」を藤原さくらがカバー!歌詞を考えてみるの画像

歩いていくよ サルのままで孤り
幻じゃなく 歩いていく

出典: 春の歌/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

ここで使われている「孤」という字は「孤独」などで使われる漢字です。この歌詞の読みでは「ひとり」と読んでいますが、「ひとり」を「孤」という漢字で表すのは珍しいのではないでしょうか。

普通、「ひとり」といえば「一人」や「独り」という漢字で表すことが多いです。

では、なぜ「孤り」と表記しているのでしょう。

そもそも「孤」という字には「頼る人がいない」「ひとりぼっち」という意味があります。

暗いトンネルを進むような人生で、周りに気を遣いながら生きていくことは、たとえそばに人がいてくれたとしても寂しく「孤独」な生き方になってしまうのではないでしょうか。

また「サルのままで」という言葉からは頭で考えずに本能のままに感じるままに行動しなさいと言われているようです。

勇気を持つこと、大切な人を大切にすること、そうやって自分の信じた道を進んでいくことは時に「孤独」と隣り合わせにもなります。

それを受け入れない人も相容れない人もいるでしょう。

所詮、他人は他人なのです。そんな意味での「孤り」なのではないでしょうか。

なので、寂しい考え方ですが、そんな現実を生きていくことを「幻じゃなく」と表現しているのです。

春の歌 愛と希望より前に響く
聞こえるか?遠い空に映る君にも

春の歌 愛も希望もつくりはじめる
遮るな 何処までも続くこの道を

出典: 春の歌/作詞:草野正宗 作曲:草野正宗

そして、最後はサビを繰り返します。

愛も希望も勇気も生きていく上で忘れてはいけない気持ちです。

自分の信じた道を貫いていくこと、それはいわば「夢」かもしれません。大きくても、小さくてもいいんです。

つらく苦しい下積みの時期も、無理して頑張ってきた時期も乗り越えられたあなたなら大丈夫。

新しいストーリーに敷かれたその道は孤独と隣り合わせかもしれないけれど、強い気持ちで進んでいこうというエールを送っているように感じ取れます。

まとめ

原作者の羽海野チカは作品の構想を練っている時に「春の歌」を聴きながら練っていたそうです。

そんな特別な想いがあり「3月のライオン」には「春の歌」が起用されました。

名曲を女の子の声で歌ってほしいという難しいリクエストを乗り越え、またひとつ藤原さくらを成長させ、世間にその実力を知らしめた1曲になったことは間違いないでしょう。

まさに勇気を持って「春の歌」を歌ったのです。

このアレンジは映画を観てから考えたそうです。スピッツの原曲と聴き比べてみるのもまた楽曲の新しい一面が見えて楽しめるのではないでしょうか。