鏡を使った独特な演出

終始万華鏡の中にいるような錯覚をもたらす独特なMVは、振り付けや演出もユニークなものとなっています。

鏡の中で舞い踊る手

「Never Lose」は山Pの他のMVと大きく違う部分があります。

それが手を見せる演出です。

山Pがこちらに伸ばす手が鏡に乱反射して映し出される幻想的な姿。

無数の手が万華鏡の中で踊る様子は、まさに花が咲くような美しさです。

これらの映像に目を奪われた人も多いでしょう。

しかし、このMVの核心となるのは実は鏡のないシーンにあります。

鏡の外で躍動する手

鏡のない場面で、山Pの後ろからたくさんの手が出てくるシーンを覚えているでしょうか?

まるで鏡の反射によって手が増えたような演出こそ、実はこのMVの伝えたかった部分です。

山Pや手が鏡の中で踊っているシーンの合間にこのカットが入り込むことで

「これは本物の手なのだろうか?」

そんな疑問を一瞬視聴者に抱かせているのです。

まさに歌詞の「嘘か誠か」を体現した見事な演出となっていますね。

鏡を使ったハンドダンスは「Never Lose」の陰の主役ともいえるでしょう。

アニメ「逆転裁判」を意識したメロディーライン

「Never Lose」のイントロは機械的に加工された声と電子的な音楽から始まります。

聞いていると少し不安になるメロディーですね。

しかしそこに山Pの声が乗ってくると、どっしりとした安定感が出てきます。

徐々にバックに流れる音も徐々に増えていきます。

Bメロからはドラムも加わり、徐々に盛り上がりは最高頂へ。

サビに入る直前にはバックの音楽が一気に消えます。

そして「僕の証拠」のフレーズで、爆発したように音が再び流れ始めます。

困難な状況からの逆転劇

このような一連の曲の流れは「逆転裁判」の話の構成を意識しているからでしょう。

最初の不安になるメロディーラインは、主人公の不安な思いや圧倒的な劣勢な立場を表しています。

AメロBメロにかけて音が増していくのは、証拠が集まっていく物語の様相そのものです。

「僕の証拠」でサビに入るのは、決め台詞「異議あり!」で物語が展開していく様子を重ね合わせています。

山Pが歌う「逆転裁判」への思い

「Never Lose」は「逆転裁判」のために作詞された曲としても有名です。

逆転裁判シリーズを知っている人にとっては、聞いているだけで物語の回想が目に浮かびます。

ここではまだアニメを見ていない人のために、分かりやすくタイトルや一部歌詞を紹介していきます。

タイトルに込められた思いとは?

「Never Lose」を和訳すると「決して負けない」という意味になります。

逆転裁判シリーズは、もう勝ち目がないと思えるような劣勢な状況からいつも始まります。

しかし、主人公の成歩堂はそんな状況でも決して諦めません。

粘り強く尋問をしていき、完璧とも思える犯人のアリバイの矛盾を見つけていきます。

「必ず勝つ」ではなく「決して負けない」にしたのは、主人公の折れない心を表現したからでしょう。

歌詞から読み取る「逆転裁判」へのリスペクト

Trapped me in your lies…

出典: Never Lose/作詞:MiNE 作曲:FURUTA・Dr.Lilcom