涙を誘う、切ないバラード曲
MVのストーリーも注目
今回ご紹介する楽曲は、BTSの『Film out』。
美しいメロディーと切ない歌詞が心に刺さる、壮大なバラード曲となっています。
そしてBTSの楽曲のMVは、引き込まれる独自の世界観やストーリーも魅力的。
『Film out』のMVにも注目が集まっていて、さまざまな考察が寄せられています。
BTSの楽曲『FAKE LOVE』のMVとの関連性も話題になっており、似ているシーンを比較するのも面白いですよ。
1つ1つの描写が美しく、映画を見ているかのようで、全体を通して感じられる切ない世界観が涙を誘います。
豪華なコラボレーションが話題に
Backnumberの清水 依与吏さんが楽曲提供とプロデュースを担当したことも話題となりました。
また、BTSのメンバー・ジョングクさんが楽曲制作に参加しています。
清水さんがベースとなる部分を担当し、ジョングクさんが提案する形で制作していたとのこと。
2人のアイデアが1つになって、より一層豊かな世界観・楽曲に仕上がっています。
切ない気持ちを歌った人気曲を多く手掛けているBacknumberと、楽曲を豊かに表現しているBTSのメンバー。
柔らかな歌詞とメロディー、美しい歌声の重なりに身を委ねてみてください。
映画の世界観とリンク
『Film out』は、坂口健太郎さん主演の映画『劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班』の主題歌。
無線機を通じて過去と未来を繋ぎ、未解決事件を解決していくというストーリーです。
楽曲の歌詞やメロディーが織りなす、切ない世界観が映画とリンク。
映画を鑑賞してからもう1度楽曲を聴き、MVを見るとより一層世界が広がるかもしれません。
美しい歌詞を深読み
ぼんやりと映し出される君
浮かび上がる君は
あまりに鮮やかで
まるでそこにいるかと
手を伸ばすところで
ふっと消えてしまう
出典: Film out/作詞:清水 依与吏 作曲:UTA・Jung kook・清水 依与吏
楽曲の最初と最後を繋ぐ、重要なパート。
MVの始まりでは、白と黒で統一された無機質な部屋に佇むメンバーたちの姿が映し出されています。
窓から見える空の色も無機質で、得も言われぬ”孤独感”を表しているかのようです。
歌詞からは、大切な誰かを想う強い気持ちや、引き裂かれてしまった距離。
そんな切ないストーリーが感じられます。
記憶の中の君が、すぐそこにいるかのように浮かび上がるけれど、もう会うことはできないのでしょう。
そしてMVの終わりでは、壊れてしまった部屋の中で佇むJINさんとVさんの姿が印象的。
浮かび上がる”何か”を掴もうとする中で、すれ違う様子が描かれています。
最後まで交わることのない切なさが、楽曲全体の空気感として感じられます。
記憶だけが積み重なっていく
淡々と降り積もった記憶の中で
君だけを拾い集めて繋げて
部屋中に映して眺めながら
込み上げる痛みで 君を確かめている
出典: Film out/作詞:清水 依与吏 作曲:UTA・Jung kook・清水 依与吏
好きな人や大切な人への想いが届かない時、過去の思い出がより一層美しく感じられ、胸をしめつけます。
大切な人の温かな言葉や優しさを思い返しては、やるせない気持ちに苛まれて。
その苦しみさえ、”君の存在”を確かめる1つの方法になっているのでしょう。
MVでは、メンバーのVさんが座る部屋に横向きになった砂時計があります。
また、背景の雲の流れは動いているのに、砂時計は横向きに置かれているところが不思議です。
過ぎ行く日々の中で、”紡がれていくさまざまな記憶や時間”は雲を。
砂時計は、”大切な人を失って、ぴたりと止まった時間”を表しているのかもしれません。
そして、Vさんと同じ歌詞を歌うJINさんのパートも、また違った趣があります。
MVでJINさんが砂時計を傾けると、ジョングクさんはそれに気づいた様子。
目の前には砂が落ちきった砂時計があり、その直後に白い部屋の中にいるメンバーが消えていきます。
このシーンで黒と白の2つの部屋では時間軸が違うようで、JINさんは1人過去を見つめているかのようです。
また、3行目の歌詞のように、自分の心の中を映し出しているのかもしれません。