クリープハイプ「あの嫌いのうた」の意味とは？歌詞を解釈！嫌い！なのに"ここ"に帰るのはなんで？！

「待ちくたびれて朝がくる」はインディーズ最後の作品で初の全国流通版。

レーベル側の注力もありリードトラックの2曲はMVも撮影されています。

風俗嬢の悲哀を歌った「欠伸（あくび）」。

そしてアルバムを締めくくるのは「ウワノソラ」です。

この曲は「あの嫌いのうた」と対になる楽曲だと感じられます。

「ウワノソラ」のサビは「嘘つきだ」のリフレイン。

そして「嘘つき」だから「大嫌い」と歌われる対象は「お前」と「俺」。

尾崎世界観は「大好きと大嫌い」の間でのたうちまわります。

「あの嫌いのうた」も「ウワノソラ」も歌詞の解釈は十人十色になるでしょう。

クリープハイプのオリジナルメンバーへの愛憎にも聴こえます。

うまくいかない恋愛の歌とも取れるでしょう。

いつの時代も優れた芸術家は作品について多くは語りません。

ただし尾崎世界観の場合はうまく伝わらない苛立ちはそのまま歌に昇華されます。

一度は音楽を辞めてしまうのでは？と思われたクリープハイプ尾崎世界観。

今では文筆家としての顔も持つことで上手にバランスを取れるようになってきたのでしょう。

全曲を通して「待ちくたびれて朝がくる」を覆う空気は喜びに満ち溢れています。

歌詞の内容が暗い？それはそうでしょう。

現在に至るメンバーが揃い約1年半。

今まで歌いたくても歌えなかったことを自由に歌にすることができるようになったのです！

このアルバムは初めてバンドで演奏する喜びを噛みしめながら作られた作品。

メロディはこんなにも明るく演奏もこれ以上ないほどにイキイキとしています。

「あの嫌いのうた」の歌詞は大嫌いな自分についての描写だと考察してみました。

同時に孤独にステージに立ち続けていた尾崎世界観が仲間を手に入れたこと。

そこでようやく自己と正面から対峙することできた喜びに満ちた歌でもあるのです。

同志を見つけバンド活動に喜びを見出す尾崎世界観。

自分の大嫌いな声で歌いたいことをハッキリと歌う。

その行為は同時に自己を肯定することにも繋がったのです。

尾崎世界観は1983年生まれ。

新自由主義の席巻する世界で芸術を行う人物としてはあまりにもピュアなのかもしれません。

歌いたいことを歌えば炎上するかもしれない。

レコード会社と衝突もします。

しかしそんなピュアなミュージシャンがいることが私たちファンの救いにもなっているのです。

バンドを続けてくれてありがとうございます！

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