彼女が残した最後のメッセージ

MOROHA【拝啓、MCアフロ様】歌詞の意味を徹底解説!バンドマンと別れた彼女が書き残した内容とはの画像

別れた彼女からの手紙をテーマに書かれた『拝啓、MCアフロ様』。

アルバムMOROHA Ⅳ』に収録されています。

MOROHAのMCアフロの過去が垣間見えるような歌詞に、ファンも衝撃を受けたことでしょう。

1人のバンドマンと、その男を支えた女性の切なくも心温まる物語。

出会いと別れの先に、男は何を見つけたのか。

大切な彼女が残した最後のメッセージには、全身を包み込むような深い愛情が込められていました。

誰かを愛するということ。

誰かに愛されるということ。

その素晴らしさを教えてくれる曲です。

胸に残り続ける優しい記憶

MVでは、主人公の男の人生がドキュメンタリーチックに描かれています。

冒頭にある、眠っている主人公を彼女が起こすシーン。

これはまだ2人が恋人同士だったころの思い出なのでしょう。

彼女の優しい声色に、2人の仲の良さがうかがえます。

曲が始まると場面は一転。

バンドマンとしての人生を諦め、田舎で就職したらしい主人公の様子が映し出されます。

そんな主人公の日常生活のなかに時折り映る、別れた彼女やバンドマンだったころの思い出。

選びなおした今の道のうえにも、幸せや喜びがある。

それでも主人公の胸には、別れた彼女と音楽に対する優しい記憶が残っています。

過去の喜びや悲しみ。

いろいろなことを胸に秘めて、これからも愛する人と共に生きていく。

主人公がいま愛している彼女と幸せな人生を送れるよう、願わずにはいられませんね。

愛しているから「さよなら」

売れないバンドマンの彼との生活は、きっと苦労も多かったはず。

しかし彼女が別れを決めたのは、決して苦労だけが原因ではなかったようです。

愛しているからこそ、このまま一緒にはいられない。

「さよなら」の言葉のなかには、彼に対する彼女の様々な想いが込められていました。

チラシの裏に込められた彼女の優しさ

日当たり悪い 部屋ともさよなら
売れないバンドマンともさよなら
チラシの裏に書いた置き手紙と
合鍵 ポストに入れておくから

出典: 拝啓、MCアフロ様/作詞:アフロ 作曲:UK

歌詞彼女との別れから始まります。

彼女は彼に向けて手紙を残していった様子。

彼は1人になった部屋でその手紙を読んだのでしょう。

彼女からの最後の手紙を読む彼の姿を想像すると、なんだか胸が苦しくなりますね。

「売れない~」と遠慮なく言っていることから考えて、彼女と彼は長年連れ添った仲だったのでしょう。

苦しいときも、楽しいときも、そばにいてくれた彼女。

彼女が「チラシの裏」に手紙を書いたのは、彼に未練を残させないためだったのかもしれません。

手紙を読んだらすぐに捨てて、私のことも忘れてね。

そんな彼女の優しくて切ない言葉が聞こえてきそうです。

別れても心配する気持ちは変わらない

日用品は薬局で買う事
一応君はアーティスト でも貧乏
だって自覚もってね
近くのコンビニに頼らないで
手洗い うがい 早寝 早起き
ご飯食べたなら直ぐに歯磨き
夢は 毎日の当たり前から
お願いだから 健康だけは
消費期限からせめて三日間
それを過ぎたら火にかけフライパン
外食ばっかじゃ体壊すから
自炊も少し頑張ってね

わかった?
大丈夫かな
心配だな

出典: 拝啓、MCアフロ様/作詞:アフロ 作曲:UK

手紙は「さよなら」だけでは終わりません。

別れを告げたあとは、彼を気遣う言葉が並べられています。

彼女の心配そうな様子を見る限り、彼はかなりズボラな性格だったのでしょう。

家事もあまりやらず、彼女に任せっきりにしていたのかもしれません。

「大丈夫かな?」この言葉だけで、彼女と彼の関係性がよく伝わってきます。

生活能力もなく、お金もない。そんな売れないバンドマンとの生活。

けれど歌詞からは彼女の不幸な様子は見えてきません。

彼女は彼のことを心から愛していたのでしょう。

苦労の多い生活でもいい。彼の支えになりたい。

そんな彼女の想いは、別れたあとも続いていたはずです。

別れのあとに訪れる幸せ

「さよなら」は、悲しいことばかりではない。

彼女が彼に告げたは、2人の幸せのための「さよなら」でした。

希望に満ちた歌を歌って