お化粧をする女性は、まるで弱さを見せないように武装しているみたいです。
しかし、涙はそんな武装を簡単に洗い流してしまいます。
だから必死に涙を拭って自分を守り、弱さを見せないようにするのです。
そうやって表面的に取り繕うことができても、心の中には嘘をつくことができません。
気持ちとは裏腹に溢れてくる涙が、本当の自分に背を向けている証拠です。
アナタになりたい
また今度生まれたらアナタがいい
鏡に映る自分が問いかける
大事にして守ってきたんでしょう
アナタが望んだものでしょう
出典: Ghost/作詞:Takahito Uchisawa 作曲:Takahito Uchisawa
相手に嫉妬心を剥き出しにしながらも、本当はアナタが羨ましくてしょうがないのです。
これは、ドラマの内容にも繋がってきます。
由樹のフレッシュな才能が羨ましいリサ。
そしてリサのような名のある小説家になりたい由樹。
でも彼女たちは自分の人生だってそれなりに一生懸命生きてきています。
まるっきり違う人生を歩みたいかと言われれば、それは少し違うのかもしれません。
今の自分をずっと覚えている
ああ
忘れないよ 忘れないよ
笑顔で消した悲しい涙を
忘れないよ 忘れないよ
心が描いた希望の未来
出典: Ghost/作詞:Takahito Uchisawa 作曲:Takahito Uchisawa
自分がなりたい未来の自分は、いったいどんな姿なのでしょうか。
すごく妬んでいて、羨ましいと思っている人が今の自分に足りないものを既に手に入れています。
今後、自分の努力次第でその才能を手に入れられるかもしれないけれどその保証はない……。
その不安な気持ちを“嫉妬”という感情にのせてぶつけてしまいます。
悔しくて悲しい気持ちを抱えながらも、笑顔に全てを隠すのです。
人には決して伝わらなくていい感情は、自分がずっと覚えてるだけでいいのかもしれません。
いつまで嘘をつくの?
すっと伸ばした指先
光るシリウス
どうして本当を隠すの?
指も肩も口も心も
一人で震えているのに
出典: Ghost/作詞:Takahito Uchisawa 作曲:Takahito Uchisawa
もう彼女は、嘘の自分を演じることに限界を感じているのかもしれません。
ドラマでは、ゴーストライターの由樹が書いた小説をリサは自分のものとして発表しました。
しかし、リサのことをよく知っている人の中には本当にリサの作品なのか?と疑った人もいます。
本当のことがバレる前に全てを投げ出してしまおうかとも考えるのです。
しかし、乗りかかった船をそう簡単に降りることはできません。
由樹を巻き込んだ以上、そんな自己都合の逃げは通用しないのです。
最初から嘘のないありのままの姿を伝えていればそんなことにはならなかったかもしれない……。
時すでに遅し、いつか真実が暴かれてしまうのではないかと恐怖に怯える日々が続きます。
解放
ふっと流れた涙に滲むアイライン
そっと流れた涙に嘘はない
ずっと演じ続けている私が
笑って影を消したんだ
出典: Ghost/作詞:Takahito Uchisawa 作曲:Takahito Uchisawa
「Ghost」のラストには、彼女の本当の姿が見えてきます。
隠し続けていた涙を隠す必要がなくなったということです。
彼女が嘘から解き放たれて、本当に笑えたような気がする歌詞に安心しました。
なんとなくドラマの結末もわかってしまうかもしれませんが、敢えてそこは触れません(笑)
初めのフレーズと似ていますが、意味は全く違います。
さまざまな葛藤を乗り越えてラクになった様子が伝わってきますね。