「ソラニン」はあの歌詞に曲をつけた!?

「ソラニン」の作詞は誰?

『ソラニン/ASIAN KUNG-FU GENERATION』は○○の歌詞に曲をつけた!?歌詞情報♪の画像

実は元々「ソラニン」という曲は漫画「ソラニン」の作中に登場していました。漫画なのでもちろんメロディー(曲)はなく歌詞のみ。原作の浅野いにおが作詞したということですね。

映画化にあたりこの歌詞アジカンがメロディーをつけました。こうしてメインテーマが生まれたのです。曲が漫画から抜け出してやっと生命を授かったようで面白いですね。

どうりで「ソラニン」の歌詞アジカンらしくないわけです。「缶コーヒー」や「さよならなんだ」という言葉はアジカンのフレイバーと違いますよね。

でも歌詞はアジカンらしくないのですがアジカンが歌うとしっかりアジカンになってしまいます。アジカンというバンドが確固としたオリジナリティを持っている証明ですね。

いつもならアジカンの楽曲はボーカルの後藤正文が手がけるところですが、「ソラニン」は他の人が担当したということです。

浅野いにおが作詞した歌詞に曲をつけるということで、アジカンも気合いを入れて作曲に励んだのかもしれませんね。

だからこそ、ファンの間でも人気の高い名曲が生まれたのではないでしょうか。

彼ららしくない歌詞でありながらも、今では彼らの代表曲の1つとなった「ソラニン」。

その人気にはストレートな気持ちを表現した歌詞も貢献しているといえるでしょう。

アジカンの新たな一面を引き出した名曲の歌詞には、どのような想いが込められているのか。

次からはその歌詞にフォーカスを当て、その意味を紐解いていこうと思います。

「ソラニン」の歌詞を解説!

切ない言葉に注目!

戻れないよ・・・

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思い違いは空のかなた
さよならだけの人生か
ほんの少しの未来は見えたのに
さよならなんだ

昔 住んでた小さな部屋は
今は他人が住んでんだ
君に言われた ひどい言葉も
無駄な気がした毎日も

あの時こうしてれば あの日に戻れれば
あの頃の僕にはもう 戻れないよ

出典: ソラニン/作詞:浅野いにお 作曲:後藤正文

「さよならなんだ」とストレートな別れの切ない歌詞です。

別れた後には「こうしていれば」なんて後悔して昔を思い出しますが、二度とあの頃には戻れません。失恋経験がある人なら誰でも分かる感情ですよね。

「ひどい言葉」も「無駄な気がした毎日」も当たり前ではない貴重な日々でした。今になって特別だった毎日を思い出しています。

別れた後に後悔をしても仕方がないことです。

それでも過去を振り返ってしまうのは、それだけその日々が大切だったからなのでしょう。

心のすれ違いによって別れることになってしまった2人。

2人での未来を夢見ていたけれど、今ではもう幻のように叶わないものとなってしまいました。

5行目からの歌詞では、2人で過ごした日々を鮮明に思い出そうとしている主人公の姿が感じられます。

どんな瞬間も今となってはかけがえのないもの。

戻ってこないからこそ大切な時間だったと感じられるのでしょう。

主人公はそんな日々のことを懐かしみながら、過去の自分と対峙しているのでしょう。

さよならの意味

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たとえばゆるい幸せがだらっと続いたとする
きっと悪い種が芽を出して
もう さよならなんだ

出典: ソラニン/作詞:浅野いにお 作曲:後藤正文

ここで曲名「ソラニン」=「悪い種」が出てきます。「ソラニン」とはじゃがいもの芽に含まれる毒素。「ソラニン」とは2人の間の毒素のメタファーですね。

「ゆるい幸せ」は日々のちょっとしたすれ違いでしょうか。そのほんのすこしのすれ違い(毒素)がゆっくり成長して2人をやがて引き裂く。

その芽が小さい時に摘んでおけば、別れなくても済んだのに・・。「でも、もうさよならするしかない。」と別れの決断の場面ですね。

この「さよなら」というのは2人の別れを意味していると同時に、過去の自分との決別も意味しているのでしょう。

今までどこかで魚の骨のようにつっかえていた、2人で過ごした幸せな日々の思い出

それをどうしても忘れられないから「あの時こうしていれば」ともしもを想像していた。

思い出す度に胸が締め付けられるような苦しさや切なさを抱えていたのでしょう。

もしも、2人が別れずに一緒にいたとしても、いつかは別れていただろう。

そう考えることで納得しようと思っているのではないでしょうか。

恋人との別れを通して、新しい1歩を踏み出そうとする主人公の姿が描かれています。

これからの日々

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寒い冬の冷えた缶コーヒーと
虹色の長いマフラーと
小走りで路地裏を抜けて
思い出してみる

たとえばゆるい幸せがだらっと続いたとする
きっと悪い種が芽を出して
もう さよならなんだ

さよなら それもいいさ
どこかで元気でやれよ
僕もどーにかやるさ
そうするよ

出典: ソラニン/作詞:浅野いにお 作曲:後藤正文

2人の楽しい記憶を思い出しています。寒い冬でも温めあった日々。でも、別れなくてはなりません。2人はお互いに切ないけれども、前向きな感情も生まれています。

「どこかで元気でやれよ 僕もどーにかやるさ そうするよ」この部分に2人の明日からの未来の希望が表れていますね。それぞれの道を歩んで行こうよと。

2人は別の道を歩くけど、思い出は良いものとして取っておこう。切ないけど未来が見えるシーンですね。

「さよなら」というのも悪い面ばかりではないという風に前向きに捉えようとしている主人公。

その姿には過去に囚われず、前を向いていこうとする心情が表されています。

これからどんな未来が待っているのか。

想像もつかないけれど、きっと元気でやっていけるはず。

そんな風に彼が思えるようになったのは、彼女との別れのおかげなのかもしれません。

幸せな日々を良い思い出として抱えておくことで、生きるための原動力の1つにしようと考えているのでしょう。

これからの彼女のことを応援できるほどに、彼は過去よりも未来のことに目を向けられるようになりました。

失恋から立ち直り、現状を受け入れるのは簡単にできることではありません。

そう思えるようになるには、自分自身と向き合い過去を肯定することが大切なのでしょう。

「ソラニン」では失恋を通して成長するある男性の姿が描かれているのです。

失恋というものは時として大きな傷となって心に残ってしまいます。

しかし主人公のように、元恋人との過去を大切な思い出として捉えることで新たな未来へと目を向けていけることでしょう。

「ソラニン」は何のアルバムに入っているの?

アジカンをもっと聴きたい!!