「恋と病熱」ってどんな曲?

米津玄師の名義としては初期の作品となる「恋と病熱」

米津玄師の作品の中でも人気の高いこの楽曲について、今回はMV歌詞を掘り下げながら考察していきたいと思います。

美麗アニメーションが話題のMVはこちら!

米津玄師楽曲は、歌詞やメロディだけでなく、アニメーションMVが話題になることも多いのですが、今回ご紹介する「恋と病熱」も、アニメーションMVが好評でした。

まずは注目のMVをご覧ください!

「恋と病熱」のMV。 アニメは“南方研究所”が担当しています。

MVのアニメが途中で終わっているように見える意味は?

「恋と病熱」のMVは、物語の“筋書”があるようで、はっきりとはそのメッセージを受け取れないような、不思議な動画となっています。

これはまるで“夢をそのまま映像にしたよう”に見えませんか?

日常的に抱えている、形や言葉にしにくいストレスや矛盾を、夢の中で爆発させていて、でも、ちょっと冷静に見つめる自分もいて……。

このアニメが途中でふっつりと途切れているように見えるのは、筆者には“夢が終わった”=“現実に引き戻された”ように思えます。

さてあなたはどのように感じましたか?

「恋と病熱」の歌詞解釈をしてみよう!

ここからは「恋と病熱」の歌詞を見ながら、その世界観や楽曲に込められているメッセージを分析していきましょう。

湿っぽい制服の匂いと窓から見える風景の時代

好きなことが少なくなり 嫌いなことがたくさん増えた
窓に滲む雲を見ていた 皆の背中を見ていた

出典: https://twitter.com/Hachi_words_bot/status/927818853001785345

「恋と病熱」の冒頭の歌詞からは、何だか“破裂しそうでできない”メランコリックな感情を抱く“思春期”の一瞬を感じます。

言いたいことが だんだん増えて
言えないことが 沢山増えた
空が濁る頃に見ていた
夜になろうとするばかり

「何処にも行けない私をどうする?」

出典: https://twitter.com/Hachi_words_bot/status/927818853001785345

表出させたい感情はあるのに、うまく言葉にできない

でも、うまい言葉がみつかっても、口にしようとすると“本当は言わない方がいいんじゃないのか”という感情が頭をもたげる…。

歌詞からは混とんとする思春期の胸の内が見てとれます。

自分で何でもできるような“全能感”はあるけど、まだ全てを自分ではコントロールできない“非力感”もあり、結局“今の場所”から抜け出せないヤキモキとした感情も、痛いくらい伝わりますね。

思春期の心は単純と複雑が混在する迷宮

眩暈におぼれて夢を見ていた
白昼夢にすべてを押し込んで
愛していたいこと愛されたいこと
空っぽになるまで詰め込んで

出典: https://twitter.com/Hachi_words_bot/status/928120838846537728

思春期のカオスな感情を、さらにわけわからなくする気持ち、それは“恋心”ではないでしょうか。

自分の気持ちすら制御できない日々の中で、恋心というのは本当に厄介で…。

好きな人の一挙手一投足に一喜一憂

妄想の中ではうまく対処できたり、上手に話せたりするのに、現実ではなかなかスムーズにいかなくて…。

善も悪も清純もエロスも、全てがごちゃ混ぜになるマーブルな気持ちを、とにかく自分が頭の中にだけ構築する世界に閉じ込めたい!そんな気持ちには誰しも共感するのではないでしょうか。