「恋と病熱」の途切れた最後に隠された意味とは...！？歌詞解釈と美麗アニメーションのMVも掲載！

成長するということは、物事に対して分別がつきやすくなることでもある気がします。

ただ、分別がつくようになれば、それに伴って、後先考えずがむしゃらに動くことを忘れることにもなり…。

ぴったり寄り添えると思っていた友人や恋人だったのに、誰かと共感すればするほど、自分は世界に1人しかいないという自覚は、思春期だからこそ繊細に感じる気がしますね。

群青の空に光る星々のような“この光は自分だけのオリジナルだけれども孤独”、そうした孤高を感じる歌詞です。

そして、“自分だけの個性があることについて誇りと孤独”を感じながらも、でもまだ、誰かと似ている自分も感じる…この矛盾にさいなまれる気持ちは、自分で結論づけられず、問いとして空に投げられます。

とにかく繊細な思春期の心は、うまく歯車がかみあったと思えば、すぐにきしみが出てきたり、“花に嵐”の様相です。

自分は1人で大丈夫！と強がってみても、でも誰かのことを“好き”って呟くだけで、当初の強がりは揺らいでしまいます。

愛したい・愛されたい・1人で平気・1人ぼっちはさびしい…とにかく多様な気持ちがない交ぜになる心を抱えながら、そんな感情を棄てることもできない日々をとても端的に表しているように思います。

失敗しない何よりの方法は挑戦しないこと、という矛盾するような理屈がありますが、ここの歌詞で描かれているのは、まさにこうした矛盾についてではないでしょうか。

誰も嫌いたくないというのは、きっと皆に好かれたいという気持ちの裏返しです。

でも、“皆に好かれたり、皆を好きになる”のは無理だと、すでにどこかで気づいているため、誰かに嫌われるくらいなら、好きな人をこの先嫌ってしまうくらいなら、最初から皆を嫌いでいようという気持ち。

誰かを嫌うというのは、結構エネルギーを使うことですから、この歌詞は一見“強そう”に見えますが、本当は“嫌い”という感情に支配されることを怖がる“弱さ”を表しているのでしょうね。

嫌いになりたくないから、自分から避けてしまった君のことなのに、君がいないと世界が色づかない…こういう気持ちは多くの人が一度は抱いたことがあるのではないでしょうか。

誰かを本当に大切に想い、好きになるというのは、自分のことを大切に想い、好きになれればこそ、実現します。

大切な存在を嫌うことで、傷つくことを回避してしまえば、その矛盾はやはりどこかにひずみとして現れるんですね。

この曲は、1曲を通して、最終的に曲の主人公が少しだけ大人に近づいたように思えます。

自分の中には矛盾した心が存在していること、自分の視野はまだこれから広げていかなければいけないことを、少しながら自分で認めた感があります。

自分の弱さを素直に謙虚に認めるというのは、やはり心が成長しなければできないことでしょう。

自分には弱い部分があるけれど、そうした部分から発せられる心の声を、君は受け入れてくれますか？

最後の一文からは、そうした“素の気持ち”がにじみ出ているように思えます。

ここまで「恋と病熱」のMVや歌詞についてご紹介・解説をしてきました。

ここからは、初心に戻り「恋と病熱」の基本情報などをお伝えしていきます。