ずるずる引きずられたまま2~3段ほどの段差を下りても微動だにしない「黒い靴の人」

ということは……。

映し出されるのはほとんど足元。下半身だけです。

黒い靴に黒いパンツ。ちらちら柄シャツと白いフリンジが見えますが。

男性?女性?生きている?死んでいる?外から差し込む光と影の影響で素性は判別できません。

ただ靴のサイズは大きそう。

まるでサスペンス映画のひと幕みたいに緊張感が漂います。

延々と引きずる映像が続くうち、引きずられる「黒い靴の人」に同化していく感覚。

そう、MVを見ている自分が引きずられているような気分になります。

搬入口から「黒いシルエットの男」登場!

【yahyel/TAO】MV解説!神秘的な音楽に誘い込まれた世界の先には…圧巻のラストを見逃すな!!の画像

ステージ裏へ

神秘的なサウンドと美しいボーカル、そして引きずる/引きずられる映像は続きます。

板張りの段差を下りてからは青っぽいタイルと白い壁の廊下?を曲がりくねっていく感じ。

ずっと「引きずられる人」の足元がクローズアップされているので、どんな場所かは不明です。

相変わらず黒い靴に黒いパンツ、ときどき柄シャツと白いフリンジが見え隠れします

まわりの様子がわかってくるのは間奏に続いて2番に入りしばらく経った頃。

コンパネ(合板)が立てかけられたステージ裏みたいな場所へ移ります

そして黒い靴の先に見えてくるのは外の光が差し込む搬入口っぽいところ。

逆光を浴びて「黒いシルエットの男」が浮かび上がります。

同一人物?「黒い靴の人」=「シルエット男」

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誰かいる!ボディを運んでいるところを見つかってしまった!そんな緊迫した瞬間。

「引きずる人」は観念したのか、ぴたりと静止するカメラ。

「黒いシルエットの男」がゆっくり近づいてきます。盛り上がるサウンド&ボーカル。

横たわる黒い靴のわずか先。映像では遠近法で重なるほど近くで立ち止まったシルエット男。

ちらちら光が当たって明らかになるファッション。履いていたのは黒い靴、黒いパンツ

黒いコートから覗き見えるのは白いフリンジ、柄シャツ……。

見上げるようにカメラがパーンアップしても映るのは胸元まで。

シルエット男の顔はわかりませんが、それにしても、え~!

引きずられていた「黒い靴の人」と同一人物?ドッペルゲンガー?

ひえ~、戦慄がほとばしり声にならない絶叫がカラダ中に響き渡る感じ。背筋がゾクゾクします。

メンバー全員出演!圧巻のラストを見逃すな

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蹴りが入る

呆然としていると「シルエット男=黒い靴の人」がさらに接近してきて蹴りをくらわします

そのタイミングで「ううう~」とうめくようなボーカル。少なくなる音数。

シンクロしすぎのサントラみたい。

「引きずっていた人=カメラマン」は顔のあたりでも蹴られたのか、後ろへ倒れ込んだ模様。

カメラはのけぞり、上下逆さまの背後の廊下が映し出されます。

後ろへ倒れ込む瞬間にちらっと目に飛び込んでくるのはシルエット男の赤っぽい髪

さらにカメラをまたいで背後の廊下へと一直線に逃走するシルエット男。

その道の途中で突然曲がって姿は見えなくなります。

カメラはゆっくり起き上がりながら背後の廊下へ進みシルエット男を追いかけて道を曲がります

激しく連打されるドラム神秘的なシンセのリフが再び始まります。

すべてが同化する道

たどり着いた先で待ち受けていたのは演奏するyahyelの面々でした。

ドラムの大井一彌さん。シンセサイザーの杉本亘さん。サンプリングの篠田ミルさん。

この3人は髪を振り乱しながら奏でる感じ。熱量がハンパないです。

黒いサングラスをかけたVJの山田健人さんはクールにギターを弾いておられます

ボーカルの池貝峻さんは中央で微動だにせず仁王立ち。そのファッションは……。

黒い靴、黒いパンツ、黒いコート、柄シャツ、白いフリンジのついたベルト?ひも?

ひえ~(戦慄)。

またしても同一人物?

もしかしてこの白いフリンジのついたひもで引きずられていた?

髪は黒のままで赤くはないけれど……。

そうためらっていると赤い背景に「yahyel」の白文字が浮かび上がり、MVはここで終わります。

「黒い靴の人」=「シルエット男」=赤いジャケットのyahyel「TAO」を歌う池貝峻さん?

そういうことだったのでしょうか。

最後に

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yahyelの「TAO」、かっこよすぎですよね

ちなみにMV全体のディレクターは山田健人さんですが、撮影ディレクターは川上智之さん

「TAO」のMVで「引きずる人」目線のカメラを回し続けた人ということになるはず。

そんな川上智之さんの公式サイトのトップを飾る写真が赤いんですよ。

「引きずる人」も「シルエット男」の赤い髪に同化した?なんて妄想してみるのもおもしろそう。

あるいは自分で自分を引きずって蹴りを入れて蹴りをくらって音楽に誘い込んで仁王立ちする?

よくわからなくなってきましたので、このへんで。

空っぽになってありのままのyahyelをもっと聴いてみたい!という人は関連記事をどうぞ。

2016年11月23日リリースの1stアルバム『Flesh and Blood』収録曲「Once」の記事はこちら。

音楽ファン必聴のバンド、yahyelって知ってますか? 知らないそこのあなた、ちょっと読んでいってくださいな。