最後の放課後

卒業をテーマとしたカップリング曲。

こちらはベース山下が作詞作曲を担当しています。

歌詞

オフメロディではじまるこの楽曲は、ボーカル吉岡の歌唱力が染み入るナンバー。

その歌詞について、見てみましょう。

花は桜 君は美し 春の木漏れ日 君の微笑み
冬が終わり 雪が溶けて 君の心に 春が舞い込む

出典: http://j-lyric.net/artist/a04c814/l00c101.html

まるで古語のような美しい歌詞は、桜が持つ日本の文化的な側面を暗示しているようです。

以下、この後の歌詞は、ストーリー性の高いものなので物語風に補完していきたいと思います。

窓をたたく強い雨はまだ続くと ラジオから流れる声が伝えています
電話から聞こえた声は泣いていました 忘れたはずの懐かしい声でした

出典: http://j-lyric.net/artist/a04c814/l00c101.html

春のと呼ばれる気象があります。

冬から春に変わるときに襲う強い雨や風のことで、その日はそんな、春のが吹いている日でした。

そんな日、雨音にまぎれて電話のベルが鳴り、懐かしいあのひとの声を運んできました。

あまりに突然で、上手く言葉を繋げられずにいる僕に、なにやら涙声の彼女。

そんな声で僕の名前を呼ばないでください。

あの日、自分から去ったはずの貴女が電話をかけてくることなんて、ないと思っていたのに。

君はまた もう一度 あの頃に戻りたいのでしょうか
春を待つ つぼみのように 僕は今 迷っています

出典: http://j-lyric.net/artist/a04c814/l00c101.html

「会いたいね」なんて、涙声の君は言います。

でも、会ってしまったら、あの頃の気持ちに巻き戻ってしまいそう。

君でいっぱいだったあの頃の僕は、いつも君に振り回されてばかりでした。

咲いてしまってはいけない、そう思うのに、春はとともにもうすぐそこまで来ているのです。

変わらぬ街の景色が教えるのは ひとつだけここに足りないものでした
「いつもの場所」と決めていた駅の前 揺れ動く心が僕を急がせます

出典: http://j-lyric.net/artist/a04c814/l00c101.html

君がここを去ってから、心にぽっかり穴が開いたようでした。

景色には何か足りないような、日常からは色が亡くなったような、そんな気分の時に、君は僕の日常に舞いこんできたのです。

「いつもの場所で、待っているね」

そういった君の言葉に、急かされて僕は家を飛び出しました。

君が待つはずの、約束の駅へ。

僕はまた もう一度 君の手を握りたいのでしょうか
春を抱く かすみのように 僕は今 揺らいでいます

出典: http://j-lyric.net/artist/a04c814/l00c101.html

君への思いは、あの時に絶ったはずでした。

僕には僕の日常があり、未来があるはずです。

それを壊してしまうかもしれない君の手を、僕は選びたいのでしょうか。

これは恋なのか、分からないままあなたへの道を急いでいます。

花は香り 君はうるわし 水面に浮かぶ 光が踊る
風が騒ぎ 街は色めく 僕の心は 春に戸惑う

出典: http://j-lyric.net/artist/a04c814/l00c101.html

想像の中の君は、あの日のままきれいです。

思い出すだけで、目に映る世界は光輝いて見えるようです。

春の嵐のせいでしょうか、鼓動が早まるのがわかります。

春はまた もう一度 この花を咲かせたいのでしょうか
僕を待つ 君の傘が あの駅に 開いています

出典: http://j-lyric.net/artist/a04c814/l00c101.html

ああ、見覚えのある桃色の傘です。

駅の前に立つあの人は、まぎれもなく君でしょう。

花のように開くあの傘の下に、僕の想い人が隠されているのです。

花は桜 君は美し 春の木漏れ日 君の微笑み
時に燃える 春の吐息 二人の時が 春に重なる

出典: http://j-lyric.net/artist/a04c814/l00c101.html

傘がくるりと振り返り、僕の名前を呼んで、君が微笑みました。

まるで春の花のよう。

ああ、僕はもう抗えないでしょう。

再び咲いてしまったこの恋の花に。