YOSHIKI feat. HYDE【Red Swan】歌詞解釈!「進撃の巨人」の世界感に浸ろうの画像

Like a Fallen Angel 時の風に
流されて 落ちてゆく
Into the starry night 女神のように
抱きしめて 永遠を
Fly into heaven

出典: Red Swan/作詞:YOSHIKI 作曲:YOSHIKI

和訳

堕天使のように

星の煌めく夜へ

昇天する

 

英語と日本語の歌詞は文章がつながっています。

堕天使とは悪魔のことで、調査兵団で悪魔を連想させるのはリヴァイ。

でも本当の悪魔は団長のエルヴィンでしょう。

OAD「悔いなき選択」の後編でリヴァイに対した姿を思い起こします。

人類よりも私情のために団員の屍を踏み台に戦うエルヴィンは悪魔そのもの。

あと進撃の巨人で女神と呼ばれたのはシーズン2のクリスタ(ヒストリア)だけ。

空を飛ぶのは自由を求めてのこと。

調査兵団の壁外調査は自由を目指しています

自由や真実を求めているのはエレン、アルミン、エルヴィン、そしてグリシャ。

ケニーも巨人の力を得て違う自分になろうとします。

ケニーの言った、みな何かに酔っている「自分」から自由になれるのか。

でも自由を得るには代償を払わなければなりません。

そして「進撃の巨人」の世界で代償は時に死を意味します。

「進撃の巨人」の終幕は「自由、翼、世界は残酷」というキーワードが関わっていると思えるのです。

嘘と真実の狭間

組み合わされていく世界の真相

YOSHIKI feat. HYDE【Red Swan】歌詞解釈!「進撃の巨人」の世界感に浸ろうの画像

What's the lie
What's the truth
What to believe
In my life

出典: Red Swan/作詞:YOSHIKI 作曲:YOSHIKI

和訳

何が嘘で

何が真実か

人生の何を信じる

 

 この部分は間奏に当ります。

ショートバージョンではかろうじて囁きが聴こえます。

でもロングバージョンでは公開されている歌詞には載っているのですが聴き取れません。

「進撃の巨人」はシリーズが始まってから出来事の真実が分からないままに話が展開してきました。

時系列でいうと原因の部分、それに描かれている場面の相手側が欠けているのです。

これは現実の出来事も同じ。

事件や事故が起こると、人はとりあえず目の前にある情報で原因を理解しようとします。

でも実際はいろんな情報を付け合わさないと真実は分かりません。

シーズン3に入って欠けていた情報が洪水のように描かれました。

それでも肝心な部分が未だ分からないままです。

壁外でキース・シャーディスと出会う前のグリシャ。

獣の巨人の中の人。

金髪メガネの男とライナー、ベルトルトの関係に彼らの正体。

エレンの家にある地下室の謎

これらはシーズン3の後半であらかた明らかになります。

自分は特別な存在であると自信を持ってきたエレンでした。

しかし、地下空洞で父グリシャの罪を知ります。

エレンが持つ巨人の力は、グリシャの罪によって得られたもの。

打ちのめされたエレンは自分が特別な存在ではないことを知ります。

自分の人生の何を信じればいいのか分からなくなっているのです。

それを乗り越えるには新たな真実(地下室の謎)が必要です。

そんなイメージを歌詞に重ね合わせることが出来ます。

翼があれば自由を手にできる

rosesに込められた言葉のセンス

YOSHIKI feat. HYDE【Red Swan】歌詞解釈!「進撃の巨人」の世界感に浸ろうの画像

See the flowers breathing in the rain
Try growing to the edge of light
It's so far away to reach out to the sky
I'll seize, I'll seize the roses with my wings
We'll fly

出典: Red Swan/作詞:YOSHIKI 作曲:YOSHIKI

和訳

雨に息づく花を見よ

今まさに光へと伸びていこうとしている

天に手を伸ばすには遠い

捉える 私の翼なら捉えるのは容易い

さあ、飛ぶぞ

 

この部分はこの歌詞で一番長く、しかも日本語に訳しにくい

edgeは縁とか鋭利という意味で、直訳すると「光の縁」になりよく分かりません。

ところがto the edge ofだと「寸前で」「今にも~しそう」という意味になります。

ここの意味は「雨が降って息を吹き返した花は光に向かって茎を伸ばそうとしている」。

誰とは特定していないけど、花(人)が光(自由)を求めていくという情景になぞらえています。

だけど、空(天)は遠すぎて手が届きません。

次にrosesが最も意味をくみ取るのが難しい部分です。

そのまま訳すと「私の翼であのバラを掴むんだ」となります。

バラは何の比喩なのか。

バラは花の色や本数によって花言葉が違います。

だけど、基本的には「愛」の形を様々に表現しており、なんとなく分かったような分からないような。

ポイントはrosesと複数形になっている点。

たとえばEverything's coming up rosesは「すべてがうまくいっている」という意味になります。

「バラ色の人生」のようにバラで良い状態を表現することがあるでしょう。

つまりthe roses with my wingsで一つの意味になっており、「翼でうまくいく」となります。

全体をまとめると「花は天に届かないけど、自分には翼があるから空を掴むまで飛べる。さあ、飛ぶぞ」。

あえてrosesというバラや愛の意味を持つ言葉を使ったYOSHIKIのセンスが素晴らしい。

4行目までは主語が「I」(私)ですが、最後が「We」(我々)になっています。

「みんな一緒に飛ぼう」という掛け声。

「我々」が調査兵団なら「私」はエルヴィンになぞらえられるでしょう。

翼を使って皆と空を目指す姿は、エルヴィンに率いられ自由を目指す調査兵団とイメージが被ります。

空を駆けて自由への道を見つける

Like a Fallen Angel 時の風に
流されて 落ちてゆく
Into the starry night 女神のように
抱きしめて 永遠を

We'll fly away
We'll find a way
You can hide your fear
Can lie, my dear

出典: Red Swan/作詞:YOSHIKI 作曲:YOSHIKI

【和訳】

飛んで行こう

道を見つけよう

不安を隠してもいい

嘘でもいいんだ

 

この部分は日本語、英語とも基本的に既出の歌詞を繰り返しています。

唯一違うのがflyとfind、awayとwayで、頭韻と脚韻がそろった綺麗な歌詞です。

道とは自由への道なのでしょう。

終末を予感させる言葉

YOSHIKI feat. HYDE【Red Swan】歌詞解釈!「進撃の巨人」の世界感に浸ろうの画像

We'll see the end
We'll be the end
抱きしめて
永遠を
Fly into heaven

出典: Red Swan/作詞:YOSHIKI 作曲:YOSHIKI