ラブソングを聴いて元カレを思い出す君

僕が歌うラブソング 真面目に聴いてる
淋しげな横顔 忘れられぬ思い出重ねて こぼれそうだよ

出典: #302/作詞:Ken Hirai 作曲:Ken Hirai

意中の女性である君と2人きりになれた主人公。

主人公はここぞとばかりにラブソングを選曲し、歌い始めます。

そして、ラブソングを聴いた君は、元カレのことを思い浮かべてしまいました。

「真面目」といっているので、きっと元カレと作ってきたたくさんの楽しい思い出を振り返っていたのでしょう。

今にも泣きだしそうな顔で、主人公の歌を真剣に聴いている様子が浮かんできます。

実は全部主人公の作戦…!?

(※)ずるくてもいい 代わりでもいい
君の淋しさの一番近くにいたい
いつか僕を いつか僕を
ホントに好きになるその時まで そばにいるよ

出典: #302/作詞:Ken Hirai 作曲:Ken Hirai

「ずるくてもいい」といっているので、きっとラブソングを選曲したのは主人公の作戦だったのでしょう。

元カレのことを思い出させて、君を淋しい気持ちにさせたところで、主人公がそっと慰める…。

そんな作戦を練っていたからこそ「ずるくてもいい」というワードが出てきているのです。

もし、単純に君を元気づけたいのであれば、ラブソングではなく、恋愛とは全く関係ない明るい曲を選ぶはず。

わざわざ失恋の傷をえぐるような曲は選びません。

主人公が君の気持ちを全く考えず、うっかりミスでラブソングを入れてしまったのなら「ずるくてもいい」とはいわないでしょう。

なので、君の気持ちをわざと落ち込ませるためにラブソングを入れたのだと思います。

主人公の願いはただひとつ。君と両想いになることです。

ほんの一瞬でもいいから君と両想いになれたら…と切実に願っているのです。

元カレの代わりでもいい。

淋しさを埋めるためだけの都合の良い相手になってしまってもいい。

それでも構わないから、君に頼られたいと思っているのでしょう。

2番~ラストの歌詞

なぜ主人公は君に何も言えなかったの?

君が歌の途中で突然泣き出して 
僕は何も言えなくて
取り残された伴奏と泣き声だけが 
狭い部屋に響いてた

出典: #302/作詞:Ken Hirai 作曲:Ken Hirai

主人公のラブソングを聴いて、君はとうとう泣き出してしまいます。

君を淋しい気持ちにさせるために、わざと選んだラブソング。

作戦通りではありますが、君の心の傷をえぐってしまったことに対する罪悪感も感じているのでしょう。

だから、主人公は君に対して何も言えなかったのだと思います。

カラオケといえば、楽しく騒いで盛り上がる場所です。

なのに、部屋の中に気まずい空気が流れてしまっている様子がこの一文から伝わってきます。

なぜ君は謝ったの?

「ゴメン」と言う君の 
震える肩を抱き
防犯カメラに背を向け 
濡れた頬を指で拭って そっとキスをした

出典: #302/作詞:Ken Hirai 作曲:Ken Hirai

何も言えない主人公に対して、君はたった一言「ゴメン」と謝りました。

楽しい時間を過ごして、失恋の傷なんて忘れてしまおう!といった気分でカラオケにやってきた君。

にも関わらず、自分が泣いてしまったせいで、せっかくの楽しい空気を壊してしまったと思っているのでしょう。

だから、とっさに「ゴメン」という言葉が出たのだと思います。

そんな君に対して、主人公は優しく涙を拭ってキスをしました。

弱った君の心を自分が励ましてあげたい!と思ったから、このような行動に出たのです。

防犯カメラを気にする素振りがあるので、作戦通りに進んでいることに対して、後ろめたい気持ちも多少あるのではないかと思います。

失恋の傷が癒えるまで自分がそばにいてあげたい

ずるくてもいい 代わりでもいい
君の悲しみの一番近くにいたい
いつか僕が きっと僕が
彼を忘れさせるその時まで そばにいるよ

(※くりかえし)

出典: #302/作詞:Ken Hirai 作曲:Ken Hirai

君を淋しい気持ちにさせ、ドラマチックな展開に持ち込むことができた主人公。

ずるい手を使ってでもいいから、君のそばにいてあげたい!と強く願っていることが伝わってきます。

きっと君は、元カレのことを深く愛していたのでしょう。

まだまだ未練も残っているのだと思います。

だから今すぐに元カレのことを忘れるのは無理なのです。

そのことを主人公も分かっているから、失恋の傷が癒えるまでは自分が君を支えてあげたいと願っているのでしょう。

君の幸せを願う主人公