Alice Nine『閃光』
「閃光」(せんこう)は、Alice Nineの通算15枚目のシングル。
表題曲は京楽産業.『パチンコ戦国無双』タイアップ。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/Alice Nine
通常版AタイプのCDジャケットはまさに戦国を感じさせるデザイン。
5人の武将が描かれており、曲の雰囲気が表現されています。
『閃光』は、そんな戦国っぽさを感じさせる和風なフレーズから始まります。
そして、そこから徐々に疾走感のあるロックなサウンドに変化していくクールな楽曲です。
もちろん曲の展開がカッコいいだけではありません。
心を直接揺さぶるような、力強い歌詞も魅力の1つなのです。
『閃光』歌詞の世界観をひも解く
ここからが本題。歌詞の世界を紐解いていきましょう。
この曲のテーマはズバリ、タイトルにもある「終わらない夢」と「その夢を貫く閃光」です。
人は誰しも、変わらないでほしいと願うもの、願うことがあります。
しかしそんな願いに反して、世界は無情にも変わり続けていく。
しかし変わることは悲しいことではなく、未来に向かって希望を繋げるきっかけでもある。
その希望を繋ぐためのキーワードが、曲のタイトルでもある閃光なのです。
キーワードの答え合わせは最後にするとして、まずは歌詞を順に読み解いていきましょう。
すべて変わっていく世界の儚さ
別れの悲しみに浸る主人公
さあ 針はゼロを指した
駈け出そう ベッドは無重力
醒めてはくれないね 君の声、サヨナラの残響
擦り減ったレコードが
優しく思い出を奏でた
出典: 閃光/作詞:将 作曲:Alice Nine
夜になってベッドに入り、そのまま夢の世界にはいっていく、この曲の主人公。
家族なのか親友なのか、はたまた恋人なのか…大切な人との別れを経験した直後なのでしょう。
別れという辛い現実から逃げるように、いそいそと夢の世界へ駆け込んでいきます。
夢の世界へ駆け込んだのは、そんな辛い現実から離れたいから。
せめて夢の中では忘れたいのに、それも叶わず相手との別れが思い出されてしまう辛さが描かれています。
夢にまでその相手を見る理由は、4行目に描かれているレコードが理由でしょうか。
相手との思い出に浸りながら、少しずつ心の傷を癒したくて再生した、大好きなあの人が愛したレコード。
それがむしろ、別れたことへの悲しみを増幅させてしまったように感じられます。
変わることを恐れ、受け入れられない気持ち
目に映るものは やがて
変わるだろう 例外はないね
大切だと気付いてから 失くす事 目を背けてた
出典: 閃光/作詞:将 作曲:Alice Nine
大切な人との別れを経験したことが、この曲の主人公に「何かを失うことの辛さ・怖さ」を教えました。
そしてその経験が、普通に生きていただけではなかなか気がつかない、そんな真実を叩きつけるのです。
それが、「世の中のすべては変わりゆく」という事実。
そして常に目の前が変わっていくからこそ、大切なものがいつ失われるかわからないという不安。
それを悟ってしまったが故に、さらに辛さ、怖さを感じている様子が表現されています。
目を背けることでしか自分を守ることができない、そんなもどかしさも感じ取れる部分です。