サビの歌詞
さっきはごめんね、いつもありがとうね
それ位は歌じゃなくても言えます様に
出典: さっきはごめんね、ありがとう/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観
主人公が伝えたいのは、「さっきはごめんね、いつもありがとうね」という言葉です。
「愛してる」などの大袈裟な言葉ではなく、日常の何気ない言葉に感じられます。
愛の言葉は照れくさくて、歌にしたりなんかしてみないとなかなか面と向かって伝えることができません。
でも、大切な言葉や思いはそれだけではないのです。
「ごめんね」や「ありがとう」という日常の感情こそが、2人で過ごす長い毎日には大切でもあるのです。
歌にして伝える愛だけでなく、毎日に溢れる愛情の気持ちも、ちゃんと言葉で伝えられるように。
この歌の中では、何気ない言葉が、相手を大切に想う温かさがひしひしと伝わってくる言葉として感じられるのです。
長く続く2人の毎日を描く
時々疑って でもこの歌があって
いつでもまたここに帰って来れるように
出典: さっきはごめんね、ありがとう/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観
長い時間を一緒に過ごせば、相手の気持ちがわからなくなったり、疑いたくなることもあります。
お互いの気持ちを見失ってしまったときにも、残した歌がまた元の場所に戻してくれるように。
これからの長い人生も、2人で生きていくという主人公の気持ちが感じられます。
残した歌さえあれば、きっと2人のこれからの毎日も温かい日々になる。
そう確信させてくれるほどに、主人公の大きな愛情を感じるのです。
愛の切なさ
この歌は、主人公の大切な人への愛が溢れた、とても温かい歌詞が綴られたものとなっています。
しかし、メロディーやポツリと語りかけるような歌からは、どこか切なさも感じられるようなのです。
どれだけ大切な人と幸せな毎日を過ごしても、その日々はいつか終わりを迎えます。
もちろん、単純に2人がすれ違って別れを選んでしまうこともあります。
しかし、そうでなく最期まで人生を共にしても、必ず人はその人生の終わりを迎えます。
2人が生きて過ごす毎日というのは、どうしても永遠に続くものではないと決まっているのです。
たとえそうであっても、最期のときまで大切な人を愛し、共に生きていきたいと思う。
幸せで温かく、同時に命の終わりという逃れられない悲しい一面を持っている。
そんなところも、愛の1つの特徴ではないでしょうか。
愛というものを、温かい歌詞と切なさを感じさせる歌が、よりリアルに表現しているように感じられるのです。
愛を伝える言葉の選び方
この歌は、大切な人へ贈るラブソングのように感じられます。
ただ、実はこの歌には「好き」や「愛している」という言葉が一度も出てこないのです。
はっきりと愛を伝えるような言葉は「愛しい」という表現しか使われていません。
にも関わらず、ここまで主人公が持つ大切な人への愛が伝わってくること。
それが、この曲のすごさの1つなのです。
この歌で最も強調されているのは、「さっきはごめんね、ありがとう」という言葉です。
その何気ない言葉だけで、ここまで愛を感じさせる。
その表現力に、クリープハイプのすごさを改めて実感させられるのです。
なぜこの言葉を選んだのか
ストレートな愛の言葉よりも「さっきはごめんね、ありがとう」という言葉を選ぶ主人公。
なぜ、「愛している」よりもこの言葉を選んだのでしょうか。
長い人生を描く言葉
大切な人に伝える「愛している」などの言葉は、つき合うときや、大切な日に伝えられることも多いものです。
そうではなく、何気ない日常を描くような「さっきはごめんね、ありがとう」という言葉。
この言葉こそ、2人で過ごす長い毎日にとって大切な言葉であるのではないでしょうか。
愛の言葉は簡単に伝えられても、素直に感謝や謝罪の言葉を伝えることができない。
そんな人も、意外に多いのではないでしょうか。
これからもずっとずっと2人で生きていきたい。
そう思っているからこそ、日常こそをとても大切にしたい。
毎日の、感謝の気持ちや素直に謝ること。
そういったことを大切にすることで、相手のことを思いやり大事にしたいと思っている。
この歌のこの言葉からは、そんな気持ちが感じられるのです。