大橋トリオ「はじまりの唄」
心に染み入る歌
どこか懐かしさを感じるサウンドとメロディによって作り上げられた「はじまりの唄」。
大橋トリオの優しさを感じるその歌声が、心にまで染み渡ってきます。
ビートルズとも比較されるような、大橋トリオの音楽。
その懐の深さを感じる音楽に、歌詞を付けているのがmiccaです。
今回は「はじまりの唄」の歌詞の意味を解説していきます。
MVはこちら
仮面を付けた男性の不思議なルックスによって醸し出されるおとぎ話のような雰囲気。
どこかノスタルジーを感じる映像となっており、楽曲に寄り添いながらもそのイメージを広げてくれるMVです。
それでは早速、「はじまりの唄」の歌詞を冒頭から順にご紹介していきます。
金色の雲
空へと登っていく
金の雲が空に伸びてく
誰も気付かない高い空
僕の丈もほら追い越して
笑いながら誇らしげに
出典: はじまりの唄/作詞:micca 作曲:Yoshinori Ohashi
金色の雲が、主人公の目の前で空へと登っていきます。
飛行機雲のように、空に軌跡を描いているのでしょう。
雲が空の上でどんどん伸びていく様からは、どこか神々しささえ感じられます。
確かに目の前にあるはずなのに他の誰にも気付かれず、主人公の目にだけ映っている金色の雲。
どんどんと空高くへ登っていくそれは、彼の身長よりも高く、空に大きな線を描いていきます。
その様子はどこか楽しげで、彼はそのことにどこか安心しているのでしょう。
頼もしささえ感じる、もくもくと大きな金色の雲。
この金色は何を表しているのでしょうか。
金色の雲は、誰かの旅立ちをイメージした隠喩なのかもしれません。
朝か夕方の太陽が雲に当たって、金色のように見えている。
どこか希望を感じさせる光景です。
自分のことが嫌い
つまらないことで怒ってみたり
誰かをすぐに嫌ってみたり
そんな自分勝手な僕が
本当は一番嫌いなんです
出典: はじまりの唄/作詞:micca 作曲:Yoshinori Ohashi
空を登っていく金色の雲のイメージから一転して、ここでは自分自身にフォーカスを当てています。
金色の雲というイメージからは、どこかポジティヴささえ感じました。
希望の場面を描いていたのが冒頭の歌詞でしたが、ここでは自分自身のネガティヴな面と向き合っています。
誰かに対してすぐに怒ったり、自分と合わない人間は簡単に拒絶するような自分の性格。
自分のことを、他人に対して冷たい人間だと思っているのかもしれません。
彼はそんな自分のことが許せないと感じているようです。
自己中心的に他人を批判する。
他人に偉そうにするくせに、自分のことには甘いと考えているのかもしれません。
そんな自分自身の性格が1番嫌いだといっています。
旅人たち
愛を探している
だけど僕等一人じゃ生きれずに
愛探し彷徨う旅人で
出典: はじまりの唄/作詞:micca 作曲:Yoshinori Ohashi
そんな自分を嫌いながらも、1人だけでは生きていけない。
いつだって誰かからの愛を求めながら、孤独なままでは死んでしまうウサギのような生き物。
それが人間という存在なのだといっているのでしょう。
孤独に誰とも関わり合わずに生きていければ楽なのかもしれません。
他者との人間関係によって悩むことがないからです。
しかしそれは同時に愛を知る喜びも無くなるということ。
独りきりだったら悲しみに負けてしまいそうでも、隣にいる誰かの存在が救いになる。
そんな人間の性を歌っているのでしょう。