出会いと別れ
巡り会い別れを繰り返し
何処へ向ってゆく
涙涙押し寄せないで
もう笑って生きていたいから
出典: はじまりの唄/作詞:micca 作曲:Yoshinori Ohashi
ある時誰かと偶然に出会い、そしていつかは別れが訪れる。
出会いによってもたらされる喜びも、悲しい別れがあればかき消されてしまうかもしれません。
それでも人生を歩む中で誰かと一緒にいることを選ぶ。
何故なら、私たちがそうしなければ生きられない存在だからです。
仕事をする上でも、私たちは他者の存在が無ければお金を稼ぐことさえできません。
そのことが息苦しく感じてしまう日もあります。
どんな未来が待っているかも分からないまま、進んでいくしかない。
そのことに不安を感じながらも、主人公は未来を前向きに受け止めようとしています。
これまでに多くの悲しみを経験してきたのでしょう。
そのことが彼を強くしたのかもしれません。
だからこそ、もう泣いてなんかいられないという気持ちなのでしょう。
笑って生きていこうと心に決めることで、嫌いな自分から変わろうとしているのです。
世界から取り残されて
君の気持ちにも気付かずに
世界は今日も廻ってゆくんだね
でもね僕だって膝抱えて
同じ様に今生きてるから
出典: はじまりの唄/作詞:micca 作曲:Yoshinori Ohashi
時間は誰かのために立ち止まってくれたりはしません。
落ち込んでいる間にも、今という時間は過去になっていく。
何もしなかったとしても、世界は刻々と変化していくのです。
そのせいで、社会や世間から取り残されているような気持ちになることもあります。
計り知れないほどの悲しみに落ち込んで、ただその場に佇むことしかできなくなった誰か。
主人公は自分がそんな風に落ち込んでいる誰かの傍に寄り添える存在だということを伝えたいのでしょう。
取り残されてしまった気になっても、君の傍らには自分がいる。
だから孤独を感じなくて大丈夫だと伝えたいのでしょう。
悲しくて動き出せない時、ただ誰かが隣にいてくれるだけで気が楽になることがあります。
寄り添うことの力を、彼はよく知っているのです。
悲しみと未来
大切な人に救われる日々
果てしなく流れる悲しみは
また今日も心揺らすけど
でも君とこうして風に吹かれ
優しい気持ちになる
出典: はじまりの唄/作詞:micca 作曲:Yoshinori Ohashi
心の中に残り続けている深い悲しみ。
いつまでも消えることなく心の奥底にあるそれに、足を取られそうになることもあります。
忘れようとしても、ふとした時に顔を出してくるネガティヴな感情。
それが邪魔をして、幸せな日常も急に陰りを見せることがあります。
悲しみを思い出して落ち込んでしまうような日も、どうにか持ち直せるのは大切な人の存在があるから。
隣にいる大切な人が、自分は独りではないということを伝えてくれるからです。
自分自身を嫌いになってしまいそうな日も、寄り添ってくれる存在がいることが救いになります。
卑屈になってしまう気持ちを優しさで満たしてくれる存在。
人間関係で深く傷つき、悲しみに暮れたとしても、それを救ってくれるのも自分と同じ人間なのです。
自分の気持ちの揺れに惑わされても、大切な人との時間が自分を満たしてくれます。
未来に目を向けて
ララバイ今日も歌っていくよ
もう笑って生きていたいから
出典: はじまりの唄/作詞:micca 作曲:Yoshinori Ohashi
「ララバイ」というのは、子守唄を意味しています。
子守唄というのは、子供が安心して眠れるように歌う歌のことです。
ここでいう「ララバイ」は子供に向けたものではないのかもしれません。
それは自分の隣にいてくれる大切な人に向けた歌だと考えられます。
主人公は自分の歌によって癒そうとしているのでしょう。
大切な人から貰った優しさを、今度はまた他の誰かに与えられる存在になりたいと思っているのかもしれません。
誰もが悲しみを抱えながら生きています。
しかし、その悲しみの中にずっと留まる事なく、これからは前を向いて進みたい。
そのために、今度は自分が周りを笑わせられるような存在になりたいと思っているのでしょう。
笑って生きていく
涙涙押し寄せないで
もう笑って生きていたいから
出典: はじまりの唄/作詞:micca 作曲:Yoshinori Ohashi
今まではただ泣いて、自分の殻に閉じこもっていた主人公。
自分と向き合う時間も確かに必要です。
しかしそこから前へと進んでいくためには、外へ出て行かなくてはなりません。
留まっていては過去に囚われてしまう。
だからこそ、笑っているために未来を見据え、歩き出していくことが必要なのです。
他者との関係を受容することで、悲しみを共有しお互いに支え合える。
それが人間という生き物の特徴でもあります。
笑って生きていくために、大切な人と支え合って生きていく。
2人の未来を考え笑い合うことで、いつか悲しみが薄れていくことでしょう。
この楽曲では、悲しみを乗り越えて新たに生活を始めていく方法が描かれていました。
「はじまりの唄」という題名とその歌詞に隠されていた意味を理解いただけたでしょうか。